2005年01月30日
旅カメラ~Minolta DiMAGE A1~
今はメインでデジタル一眼レフを使っているけど、 2年ほど前まではレンズ交換の出来ないコンパクトなカメラを使っていた。普通の人は、 写真を撮ることを目的として旅の出るわけじゃないから、あまり大きなカメラを持って行こうとは思わないだろうし、事実、 私自身も2~3年くらい前まで、デジタルカメラは単なる旅の記録用だったから、コンパクトなデジカメで十分だったのだ。 デジタル一眼レフの値段が下がった今、その敷居は随分と下がったけど、それを誰にでも勧められるわけではない。 いくら大型の撮像素子を使っていて画質が良かろうと、目的に合致していければ宝の持ち腐れだし、第一、デカ過ぎる。やはり 「旅カメラ」にはある程度、コンパクトであることが必須の条件になる。
今日、近くの量販店に行ったら、 Minolta DiMAGE A1が大幅に値下がりしているのに気がついた。数日前までは79,800円で15% 還元だったものが、今日見たら59,800円に15%還元、一気に2万円の値下がりである。値札には「最終価格」とか書かれているが、 これも異例の安さである。家に帰ってネット上で探してみたら、ポイント還元はないものの49,800円で売られている。このカメラ、 フツーの人にはちょっと大きなデジタルカメラかもしれないが、前述の「旅カメラ」にはぴったりのデジタルカメラとして、 最もオススメできる機種の一つである。
私自身も使っているカメラの一つだけど、何よりも素晴らしいのは強力な手ブレ補正。これはスゴイ。 シャッタースピードにして約3段分程度の手ブレ補正効果とのことだが、暗いところだけじゃなくて、川の流れや滝や噴水を流して写したいときも、 安心してスローシャッターが切れる。広角側なら1/8でも手持ちでへっちゃらだ。画素数は500万画素と、 いまでは見栄えのしないスペックだが、A4版程度なら十分な画素数だ。28-200mmのレンズもかなり優秀だし、マクロも含め、 これ一台でほとんどの被写体をカバーできると思う。
欠点は、広角側の湾曲収差が大きいことと、画像がややノイジーなこと。前者は仕方がないが、後者はプログレッシブ・ スキャン方式のCCDを採用していることに起因するらしい。この程度のノイズだったら、画面で等倍にして見るならいざ知らず、 プリントする分には気にならないはずなのだが、どうしても気になるなら(実は私も少し気になる・・・)、RAWで撮影して、 SILKYPIX (有料のRAW現像ソフト)で現像すれば見かけ上の解像度も上がるし、ノイズや偽色も見違えるように少なくなる。 RAW+SILKYPIXなら、十分に作品撮りにも使えるクオリティがある。
このカメラは後継機A2やA200が発売されているけど、800万画素になったのと引き換えにISO感度が64と低くなって、 使いにくくなってしまった。個人的には、値段も考え合わせればA1の方がオススメである。この値段なら、「買い」の一台だと思う。
2005年01月27日
指揮者のいない演奏会~都響第601回定期演奏会~
今日(=昨日)は、仕事が終わるのが押してしまったため、オフィスを出て、大通りまで歩き、 そこからタクシーで赤坂に向かった。車を降りて、サントリーホールの前に到着すると、大きな張り紙が掲示してあり、 人だかりがある。ピン!と悪い予感がした。人垣の隙間から文字を読むと、そこにはこう書いてあった。
「1月26日当楽団第601回定期演奏会(サントリーホール)に出演を予定しておりました指揮者ジャン・フルネは、 過労による高血圧のため、25日夕刻、医師より安静を要するとの診断を受け、出演が不可能となりました。・・・今回の定期演奏会では、 演奏機会の稀少なデュカス『交響曲』の練習を通して、 当団がフルネ氏から受けとった音楽の真髄をそのままお伝えしたいという思いが止みがたく、極めて異例なことではございますが、 あえて代理の指揮者を立てず、下記の曲目を指揮者なしで演奏することといたしました。・・・《変更後のプログラム》モーツァルト: ピアノ協奏曲第23番イ長調 (ピアノ:伊藤恵)、デュカス:交響曲ハ長調」。
私も数多くのコンサートに出かけて、いろいろなハプニングに立ち会ってきたけど、 結果として指揮者なしのコンサートの場に立ち会ったのは初めてである。しかし、本番前日の夕刻に倒れたとあれば、 代役をたてることは事実上無理だろう。ましてや、珍しいデュカスの交響曲となれば尚更である。ホールに入ると、観客は8割強の入り。 開演のベルが鳴り、場内にアナウンスが流れる。ステージに現れた理事長代行がマイクを取り、今回の経過を説明すると、 会場は暖かい拍手で包まれた。そして楽団員がステージに登場すると、一斉に大きな拍手が起こる。「指揮者なし」 という困難な事態に直面するオーケストラを激励する拍手である。
モーツァルトのピアノ協奏曲は、ゆったりした感じの出だしで、暖かい音色が広がる。ソリストの伊藤恵も、オーケストラとアイ・ コンタクトして、タイミングを確認しながらの演奏である。アンサンブルの上では指揮者不在による不安はまったく感じさせないが、いかにも 「安全運転」という雰囲気を漂わせる。習字で例えるなら、丁寧な「楷書」書きような演奏だ。 それでも楽章が進むにつれて音楽の流れもスムーズになり、モーツァルトらしい流麗な響きが随所に現れるようにもなってきた。これはこれで、 緊張感の感じられる、良い演奏である。
後半は、珍しいデュカスの交響曲。ふたたび楽団員が登場すると拍手が巻き起こる、 ステージ中央にはいつもどおり指揮台が設置されているのだが、そこに指揮者がいないと二管編成でも、 とても大きな編成のオーケストラに見えるのは不思議だ。コンマスの山本友重が、 オケ全体のタイミングを合わせるように大きなアクションでボウイングして、音楽がスタートする。私自身、 デュカスの交響曲を聴くのは初めてだと思うけど、創造以上に良い曲である。「魔法使いの弟子」のように色彩感豊かで、 面白い曲かと思って聴くと、雰囲気が違うので面食らうかもしれない。たぶん、何も知らないでこの曲を聴いたら、 フランスの作曲家が書いた曲だと当てられる人は少ないかも、・・・と思うほど、ドイツ・ロマン派の雰囲気を携えている。 起伏の大きい両端楽章に加えて、耽美的な雰囲気さえ感じさせる第二楽章も聴き応えがあり、これはもっと演奏されてしかるべき曲ではないか。
そして演奏のほうは、指揮者不在とはまったく感じさせないほど、堂々としたものだった。 演奏会前日である25日の夕刻まではフルネのもとで練習を積んでいたのだから、 基本的にはデュカスの交響曲はすでにオケの手中に入っていたんだろうと思うけど、それに加えて指揮者なしで演奏するプレッシャーが、 良い意味での緊張感となって音楽に結実したんじゃないだろうか。初めて聴く曲だけに他の演奏と比較することはできないし、 ハプニングゆえの過大評価なのかもしれないが、この演奏は本当に「感動的」だった。最後の余韻がホールに消えると、 一斉に大きな拍手とブラボーの声が巻き起こる。コンマスの山本が、拍手に応えてオケを立たせる。指揮者が出入りしないので、 カーテンコールという感じにならないのが変なのだが、このシーンも感動的で印象深い。オケがステージを去っても拍手が続き、 再び山本がステージに呼び戻される。
フルネのタクトのもとで聴けなかったのは残念といえば残念だが、結果としてこの演奏に出会えたことは、 フルネによる練習の賜物であろう。そして、一日も早くフルネが健康を取り戻し、再び日本で指揮ができるように祈りたい。
2005年01月26日
価格破壊・・・Nikon D70の逆襲
デジタル一眼レフの価格破壊が、めちゃくちゃな勢いで加速している。もちろん、デジタル家電の価格低下は、 もはや珍しいことではないが、簡単に年表をまとめてみると・・・
- 2003年3月→Canon EOS10Dが初の20万円以下(198,000円)
- 2003年8月→Canon EOS Kiss Digitalが初の13万円以下(128,000円)
- 2004年11月→Pentax ist Dsが初の10万円以下(99,800円)
- 2004年12月→Olympus E-300がレンズ付で初の10万円以下(99,800円)
この中で、一番インパクトがあったのは、やはりCanonの「キスデジ」こと、EOS Kiss Digitalだった。 2003年8月のKissD発売以降、デジタル一眼レフの市場は急拡大し、それを加速したのが2004年3月のNikon D70だ。 このKissDとD70は、この二機種だけで昨年のデジタル一眼レフのシェアのほとんどを占有したらしい。 そこにPentaxとOlympusから低価格機が投入されたのが昨年末。今年のデジタル一眼レフのシェアにも大きな変化が現れるのでは、 と思っていたところに、Nikonは1月下旬からD70の値段を2万円引き下げた上に、さらに1万円のキャッシュバック・ キャンペーンを開始し、一気に実質3万円の値下げを行ったのだ。 このため最安値のamazonの「週末」価格はボディ単体で74,900円に7,500円の還元。それに1万円のキャッシュバックだから、 実質6万円以下でデジタル一眼レフのボディが買えてしまうのである。これはデジタル一眼レフとしてはぶっちぎりの安さだ。
10万円以下のデジタル一眼レフは、いま4機種がしのぎを削っているが、どれも個性があって、機種を絞るのは難しい。 個人的には高感度撮影にこだわらなければE-300が最もバランスが取れていると思うが、 ここまで安いとD70が最有力のオススメ機種に浮上してくる。もちろんファインダーが優秀でコンパクトなPentaxも捨てがたい。 ただKissDだけは、近いうちに新機種が投入されそうなのでオススメしにくいけど、KissDの後継機こそ、 今年最大の注目機になるかもしれない(たぶんEOS 20Dの機能制限版&コンパクト機になると思うけど)。
Nikon D70のめちゃくちゃな値下げも、このCanonのKissD後継機を睨んでの対策なんだろうけど、 このまま価格破壊が進んだら来年には5万円を切るデジタル一眼レフが登場するかも。 個人的にはOlympusの高感度が弱い点を補完してくれるデジタル一眼レフが一台欲しいと思っているんで、 そうなるとKissD後継機に注目なんだけど、D70のめちゃくちゃな値下がりにも心が動くなぁ・・・。
2005年01月25日
全国制覇を目指して!~佐賀編の序章~
「日本全国、もう隅々まで行ったんでしょ?」と、よく言われる。どうもワタシは人から見ると、水戸黄門のように日本の隅から隅まで、 津々浦々を旅しているような印象を与えているのである。しかし実態はどうか。まぁ、平均的なレベルよりは出かけているのは確かだと思うが、 まだまだ行っていないところがたくさんある。さしあたって日本全都道府県に一泊以上の旅をするという目標を数年前に掲げたのだが、 沖縄や奄美に繰り返して行ってしまって、ぜんぜん進んでいないのだ。
その、まだ行っていない県があちこちにあって、今年はそれを少しずつ制覇していくことにした。それを思い立ったのは先週のことで、 「あー、どこか遠くに行きたいなぁ」と思いながらWebサーフィン。辿り着いたJALトラベルのホームページを見ていたら九州への往復航空券込み1泊5日の旅がなんと24,800円だったのだ! さしあったって九州で唯一未踏の「佐賀県」を来月行くことにした。ホントは佐賀空港を使いたかったのだが、残念ながらその設定がなく、 福岡空港から、佐賀県を抜けて長崎空港から帰京するコース。ツアーに含まれていない、残り3泊分の宿を探すのに苦労したのだが、 何とか今日までに全日程の宿をキープ。いくぜっ!待ってろよ、佐賀っ!
2005年01月24日
のだめカンタービレ
このホームページのアクセスログを解析して、リンク元をたどっていくとこのブログに行き当たった。 「のだめ?・・・なに?」という感じだったのだが、都響の1月定期のプログラムに二ノ宮知子と、 都響次期常任デプリーストの新春特別対談が6ページにもわたって掲載されていて、「ふぅむ、このことかぁ」と初めてわかった次第である。 「のだめカンタービレ」なんていう漫画があること、ぜんぜん知らなかった(^_^;)。
もともと漫画はキライじゃないし、少女漫画系も「ガラスの仮面」や「エロイカより愛をこめて」なんかを愛読していたのだが、 最近はすっかり縁遠くなっている。この漫画、対談によると300万部も売れているということは、かなりメジャーな漫画なんだな。 久しぶりに買ってみるかな、・・・「のだめカンタービレ」。
2005年01月23日
コンサートのチラシ
地方によって多少の違いはあると思うけど、コンサートに行くと入り口でたくさんのチラシを配っている。 東京圏でオーケストラのコンサートになると、ビニール袋に入った厚さ1.5cmものチラシの束になる。これが結構重くて、 コンサート後に持って帰るのも大変だが、東京ではこれだけの数のコンサートが行われているんだ・・・ということを、 いやでも実感させられる重さなのだ。
このチラシ、以前は毎回、受け取っていたんだけど、最近はその受け取る頻度が減ってきた。理由としては、持って帰るのに重いし、 どうせほとんどは行かないコンサートなのだから紙の無駄になってしまうのだ。中には最新の情報を知る上で必要なチラシもあるんだろうけど、 コンサートに行く回数が多い人ほど、同じチラシを何回も受け取ることになってしまう。だから私は、チラシを受け取るのは月に1~2回程度。 最近はコンサート会場で要らないチラシを回収する箱を用意しているところもあるけれど、あの回収したチラシはどうなってしまうのだろうか?
コンサートの情報を得る上で、いまだにチラシが果たしている役割は大きいんだろうけど、 いかにも前近代的な方法という感じがしないでもない。個人的には 「ぶらあぼ」のような小冊子が一冊あって、 チラシが必要ならインターネット上にあるpdfファイルをとりにいけるようなシステムが一番合理的な気がするのだが、 この方法だけでは万人に通用するとも思えない。これだけネット社会が進んでいると言われていても、まだまだ紙メディアが主流なのだ。 このチラシ問題、以前からいろいろと言われているような気がするけれど、いざ解決の方法を考えると実に難しい問題である。
2005年01月22日
40年の軌跡・・・小泉和裕=ジャン・フルネ&都響
1965年に始まった都響の軌跡は40年を迎え、 定期演奏会もちょうど600回を1月26日の文化会館定期は、それを記念する特別のプログラムが組まれた。都響の首席指揮者・ 小泉和裕と名誉指揮者ジャン・フルネの両名が登場し、それぞれ得意のプログラムが演奏されたのである。この日の会場は、 座席数の多い文化会館であるにも関わらず、9割以上の座席に客が入る盛況だった。
- R・シュトラウス:家庭交響曲(小泉和裕)
- デュカス:舞踊詩「ペリ」からファンファーレ(以下、ジャン・フルネ)
- デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
- ラヴェル:ダフニスとクロエ」第二組曲
まず前半の「家庭交響曲」だが、R・シュトラウスが好きな私でも、実はよくわからない曲である。 私はこれまでに実演で聴いた記憶があるのは、たったの1回だけ。実際、演奏される回数も少ないのは、単に編成が巨大であるという以上に、 それほど人気のある曲ではないというのも理由の一つなのだと思うが、この都響定期で改めて聴いても、どこが面白い曲なのか、 よくわからなかった。確かに、R・シュトラウスらしい美しい宝石のような旋律がちりばめられているが、全体を通してみると、 変化に乏しく単調な音楽に聞こえてしまうのである。演奏した都響のコンディションは悪くなかったと思うが、 この45分に及ぶ大曲を集中して聞かせるには、音の大きさやダイナミックさではなく、 むしろ室内楽的な透明感や豊かな色彩感が必要なのではないだろうか。
後半は、現役最高齢指揮者ジャン・フルネの登場で、さらに客席の拍手が大きくなる。足取りはさすがに重たいし、 衰えた視力を補うためだと思うが譜面台に置かれた楽譜は特大版である。しかし、そのタクトから醸し出される音楽から、 その年齢を感じさせることはない。むしろ瑞々しく、ふわっと湧き立つフランス的なエッセンス、上品な色彩感で溢れている。 日本のオーケストラで、これだけ香り豊かな「魔法使いの弟子」や「ダフニスとクロエ」が聴けるのは、まさにフルネ& 都響のコンビだけではないだろうか。一夜のコンサートで、二人の指揮者を聴いたのは、実は初めてなのだが、 こういう演奏会だと指揮者の個性が際立ってくる。たまにはこういう演奏会も面白い。そして、26日の都響定期(サントリーホール) も楽しみになった。今度はデュカスの交響曲を、どのように聴かせてくれるのだろうか。
2005年01月18日
へそまがり~オリンパスとパナソニックのデジタル一眼レフ共同開発~
私は人と違うものを使うことが好きなのかもしれない。私が使ってきたコンピュータを見ると、そのへそ曲がりぶりが良くわかるのだが、 NECの9800シリーズが全盛だった頃には、EPSONの互換機を使っていたし、 その後はアメリカのGATEWAY2000から個人輸入して、黎明期のDOS/Vと呼ばれるOSを導入した。 意地でもNECのコンピュータは使わなかったのである。現在はWINDOWSのマシンを使っているが、 これは時代がワタシに追いついてきたのだ・・・とっくに追い越しているけど(^_^;)・・・と思っている。 野球ではスワローズのファンだったし、ケータイはau。決して意識しているわけではないが、常にトップ・ シェアのものから一歩離れているのだ。
そんな私が使っているメインのデジタル・カメラはオリンパスである。すでに発表から数日経過しているが、オリンパスとパナソニックのデジタル一眼レフ共同開発の発表は、 デジタルカメラ・ユーザーのみならず、一般紙の経済欄にも大きく掲載されるほど、大きな注目を集めた。ワタシ的に、 今年最初のビッグニュースである。
オリンパスという会社、非常にマジメにカメラを開発するのは良いのだが、宣伝は下手だし、 ユーザーのニーズから大きく外れた商品を開発することが多い。FourThirds最初のデジタル一眼レフE-1も一部のユーザー (←ワタシも含む)には評価されたものの、オリンパスの見込みどおりには売れることはなかった。実際、 一昨年の10月の発売当時238,000円程度だった値段も、現在は147,000円。いくらデジタル商品の値下がりが激しいといっても、 ここまで下がった最近の例はNikonのD2HとオリンパスのE-1くらいなものである。
こんなものだからFourThirds規格の将来性に不安を感じたユーザーも少なくなかったけど、 昨年12月に発売したE-300は非常に良いカメラで、ワタシ的にも安心してオススメできるカメラである。実際に、 カメラ店の店頭でも多く売れているらしい。その好調の上に、パナソニックとの提携と来れば、 FourThirds規格の将来性も拓けてきた感じがする。パナソニックはデジタルカメラでは最後発のメーカーだが、 手ぶれ防止機構と薄型大画面ボディ、そして浜崎あゆみのCMで、いまやコンパクト・デジカメの分野ではトップメーカーである。
私はFourThirdsのシェアが多かろうが少なかろうが、ジブン的に使いやすいカメラが提供されていればそれで良いのだが、 今後の商品展開に不安が感じられるようなシェアであっても困る。その意味ではオリンパスとパナソニックの提携は、今後、 FourThirdsのカメラを安心して使い続けられるという意味でも良かったと思う。そして、現在のカメラ市場での、 キャノンの一人勝ちの状態を突破する可能性という意味でも面白い提携ではないだろうか。商品化されるのは2年後とのことだが、この先、 楽しみなニュースである。
2005年01月15日
新春かくし芸大会~プレトニョフ&東京フィル
昨日(1/14)はサントリーホールで行われた東京フィル定期演奏会。指揮者のプレトニョフは、 もともとピアニストとして名を馳せた人だけど、その後、ロシア・ナショナル管弦楽団を組織して指揮者としても活動を開始した。 加えて、プレトニョフは曲も書くらしい。プレトニョフは、今回の定期のプログラムに自作のヴィオラ協奏曲を組み込んだ。 これでヴィオラも自分で弾いたら、新春かくし芸大会だが、さすがにそれは無理らしい(^_^;)。ソリストには、ベルリン・ フィル首席で活躍する清水直子を起用した。玄人好みのプログラムのせいか、空席が目立ったのが残念。
- チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」からポロネーズ
- プレトニョフ:ヴィオラ協奏曲(Va:清水直子)
- ショスタコーヴィチ:交響曲第15番
プレトニョフが指揮台に上り、タクトを下ろす。まずポロネーズの第一音からしていつもの東フィルと違う。華やかで色彩感豊かな音だ。 豪華な舞踏会を連想させる音楽に、この先のプログラムへの期待が膨らむ。2曲目は、プレトニョフ自作のヴィオラ協奏曲で、 3楽章45分に及ぶ大作である。1997年の作曲だが、聞きやすい旋律が折り重なる様子は、ロマン派の作品に近い。ただ、 一つひとつの主題は美しいのだが、その発展性が乏しく、統一感・求心力が少ないため、45分がいささか長く感じられたのが残念だ。 もう少しコンパクトにまとめれば随分と印象が変わると思うのだが。
それにしてもこの曲、ソリストにとっては気を抜けるところがまったくなく、45分弾き通しである。 清水直子は初めて聴くヴィオリストだが、豊かな美しい音色だし、集中力あふれる演奏を聞かせてくれた。また機会があれば、 バルトークあたりを聴いてみたいものである。
休憩後はショスタコの15番。最近、定期演奏会でも少しずつ演奏される機会が増えてきている曲である。「ポロネーズ」同様、 非常に音色のパレットが豊かな演奏である。アンサンブルの精度は向上の余地はあるものの、 まるで子どもの頃のオモチャ箱を回想しているような音楽・演奏は聴いていてとても面白い。1月の東フィル定期は、 両方とも充実した演奏を聴かせて頂いた。
2005年01月13日
コンサートに行くためのコスト
コンサートやオペラに行くためには、いくらかのコストがかかる。入場券となるチケット代はもちろん、 ホールまでの交通費、アフターであれビフォーであれ食事をすればそれなりのお札が消えていく。私の場合、 年間の平均チケット代は4,000円以下。交通費も片道だけタクシーを使うこともあるけど、基本料金660円を超えることはない。 コンサートが日常化してしまっているためか、食事にも気張ることはないので、一回のコンサートにかかるコストは6,000円以下。 それを超えることは滅多にない。
しかし、コストというと金銭的なコストだけではない。コンサートに行き始めた頃は、 金銭的なコストだけしか障壁は無かったのだが(^_^;)、 現在はそれよりも時間的コストのほうがはるかに大きな問題である。 仕事や他の用事があったりすればもちろんだが、用事が無くても疲れていたりするとコンサートへの興味と天秤をかけて、 「行くのどうしようかなぁ・・・。」と考えてしまうことも多い。家で休んでいる時間とコンサートを聞いている時間と、 どちらが自分にとって有意義であるかどうかを天秤にかけていることになる。最近は、こういうことが多い。
コンサートに行こうという動機で、一番大事なのはやはり興味をひく内容であることだ。もちろん人によって様々な「興味」があるので、 一概に興味をひくコンサートといっても、指揮者やソリストに有名人を起用するか、名曲シリーズにするか、それとも話題性のある選曲にするか、 いろいろなアプローチがあるだろう。一方で、コンサートのチケット代が高すぎるという意見がある。 人によってチケット代の感じ方もいろいろだろうけど、単にチケット代を下げればコンサートに行くかというと、それは違うと思う。 いくらチケット代が下がっても、時間的なコストは下げようが無いからだ。時間的なコストという障壁を越えて、 コンサートのチケットを買わせるには、聴衆の興味をひくコンサートを企画することだ。
来シーズンの定期演奏会の案内が、各オーケストラから送られてきている。各オケとも興味をそそる企画をそろえてきているけど、 さすがに来シーズンからはいくつかのシリーズを整理せざるを得ない。やっぱり時間的なコストを考えて、 自分の家から遠い会場は敬遠することになる。
※写真は、松本のせともの屋さんにあった古時計。時は金なり。
2005年01月11日
好奇心をくすぐる?
今日は、電話でチケットを予約した。定期演奏会以外のチケットを買うのは、 ちょっと久しぶりだったりするのだが、この先は少しは時間が出来そうなので、聞きにいてみようかと。 そんな気を私に起こさせたのは、トリフォニーホールの企画で、フィリップ・ ヘレヴェッヘ指揮ロイヤル・フランダース・フィルのベートーヴェン交響曲チクルスである。
実は、私はこのオーケストラのことを良く知っているわけではない。 ヘレヴェッヘといえば古楽の世界で名を馳せた指揮者なのは知っているけど、 ベートーヴェンでどのような演奏を聞かせるのかは見当がつかないし、ロイヤル・フランダース・ フィルも前回の来日時に評価が高かったのを耳にした程度である。それでも、このコンサートに行こうと思ったのは、 トリフォニーホールの企画だからである。以前にこのホールが呼んだヴァンスカ&ラハティ交響楽団のシベリウス、プラッソン&トゥールーズ・ キャピトル管弦楽団ともに、素晴らしい演奏を聞かせてくれたからである。
このホールの自主公演は、「地方」というコンセプトにこだわっているみたいで、日本の「地方」 オケを定期的に招聘してコンサートを行っているほか、海外からオケを呼ぶ場合も徹底的に「地方」=個性的なオーケストラを招いているのだ。 いま、世界的にオケが育んできたオーケストラの個性が失われてつつあると言われている。これは交通手段の発達にともなって、 オーケストラ奏者の入れ替わりが国際的な規模で行われていることに原因の一端があるのだろうけど、そういう中でトリフォニーホールが地方性=個性にこだわり、 他では聞けないオーケストラを日本に紹介しているのはとても素晴らしいことである。
今回、ヘレヴェッヘ&RFPのチケットを買ったのも、その慧眼を信じてのことである。こういうチケットの買い方は、 かつてのカザルスホールの企画以来である。カザルスホールも、あのホールの自主公演だったら、・・・という信頼にきちんと応えてくれたが、 今回のトリフォニーの企画もきっと面白い演奏会になるだろう。ついでに、この秋に来日するキエフ国立フィルのチャイコフスキー・ チクルスも買ってしまったのだが、これは何となくキワモノ的な匂いがする。気のせいか(^_^;)。
2005年01月10日
秋葉原・今日の買い物
三連休最後の今日は、ひさしぶりに秋葉原へ。家電やオーディオ系の店はすでに絶滅寸前、 コンピューター系の店も栄枯盛衰が激しく、最近はエロ系、オタク系の店が急伸中(^_^;)の街である。変化の激しい東京でも、 ここほど移り変わりが激しい街はないだろう。今日も、市場の跡地に工事中のビル群の大きさに驚いた。
今日、買ったものは、モバイルに使っているコンピュータの予備のACアダプタと、 シリアルATAのハードディスクを接続するケーブル。いずれも近所の量販店でも売っているものなのだが、 この手のものは秋葉原で買ったほうが圧倒的に安いのである。ACアダプタは、 近所の店で聞いたときには同じ品でも六千円くらいといわれたのだが、今日買った店だと3,780円。シリアルATAのケーブルも、 近所の値段の1/3程度だ。
さて、私は旅先にも常にコンピュータを携帯している。別に数日ならインターネットに接続する必要もないし、 メールだったら携帯なりAirH"でもOKなのだが、デジタルカメラのデータ保存用ストレージとして絶対に必要なのだ。それに加えて、 旅の日記を記録するのにもコンピュータは必要である。コンピュータ本体とACアダプタ、外付けHDDで1.5kgと少々重たいが、 これは絶対に必要なアイテムなのだ。今日買った予備のACアダプタは、とりあえず職場に置いとくことにしよう。
あと、デジタルカメラの撮影したデータを保存するのは、自宅のコンピュータのHDDである。昨年撮影した枚数は1万枚以上。 いつもRAWで撮影するので、一年で約100GBの容量が必要になる計算である。HDDの値段も安くなっているので、 決して大きな出費ではないが、HDDはいつ飛んでも(=壊れても)おかしくない物である。HDDは消耗品なのだ。 一時期はDVD-Rに保存しようと思っていたのだが、これでは枚数が多くなって、必ず紛失するだろうなぁ・・・と思って、 現在は二台のHDDにデータを重複して保存することにした。シリアルATAのケーブルは、そのためのHDD接続用として買ったものである。
ひととおりの買い物が終わって、街の様子をもう一度眺めてみた。写真は、中央通の交差点から眺める秋葉原のシンボル的な風景だが、 背後には高層ビルがそびえている。これからも果てしなく、時代に合わせて変化を続けていくんだろうなぁ・・・この街は。
2005年01月09日
チョン・ミョンフン&東京フィル:マーラー交響曲第3番
今日は今年最初のコンサートで、東京フィルのBunkamura定期である。チョン・ ミョンフンの登場とあって、オーチャードホールはほぼ満員。曲目は、 チョンがコダワリを持ってとりあげ続けているマーラーの交響曲から、第3番が選ばれた。
マーラーというと、楽想が分裂的で、それをひとつの曲としてどのようにまとめるのかが指揮者としての力量の見せどころだ。 マーラー指揮者と呼ばれるマエストロは、様々な楽想が混在し、交錯する曲を、つながりよく、自然に聞かせることに長けている。その点、 チョン・ミョンフンは、・・・すでに数回のマーラーの演奏を聞いてきたけど・・・マーラー指揮者と呼ぶにはためらいを感じる。 今日の演奏の第一楽章は音楽の起伏が激しく、緩急の入れ替わりも激しい。そういう意味で指揮者の力量が一番問われる楽章かもしれないが、 楽想が入れ替わるたびに音楽の流れが途切れてしまうような感じになってしまったのが残念だ。
しかし、そういうマイナス点も考慮しても、今日の演奏はなかなか良かったと思う。チョンの演奏で一番の聞きどころは、 アッチェランド・クレッシェンドしながら音楽の頂点を築き上げるスピード感だと、個人的には思っている。そういう意味では、 今日の曲はチョンの美点を生かしやすい曲だったし、東京フィルもチョンのタクトに敏感に反応して気合の入った演奏を聞かせてくれた。
そしてこの曲の一番の聞きどころは、やっぱり第6楽章だ。この楽章の始まりは、緩やかで叙情的な音楽から始まり、 主題を繰り返しながらオーケストラは熱くなり、音楽の頂点を目指していく。こういう曲の盛り上げ方、やっぱりチョンは巧い。 なかなか感動的だが、・・・でも、まだ、マーラー指揮者としては物足りない(^_^;)。
長い曲だけに無傷の演奏ではなかったが、オーケストラは大健闘と言って良いと思うし、ソリストの寺谷千枝子、東京オペラシンガーズ、 東京少年少女合唱隊も含めて、満足度の高い演奏だった。
※写真は、東京文化村。
2005年01月07日
旅 --2004年を振り返って--
昨年は、全部あわせると28日間、旅に出ていた計算になる。その中で、一番印象に残っているのは、 やっぱり7~8月に行った奄美諸島だ。
ここ数年、いろいろなところへ旅をしてきたけど、奄美は独特だ。沖縄的でもあり日本的でもある。 それを中途半端と評価する人もいるとおもうが、私は奄美のそんなクロスオーバー的なところが独自性ではないかと思う。「旅のアルバム」 の奄美旅行記も中断しているが(^_^;)、奄美の自然の魅力の一端はそこに掲載した写真から一端が伝わると思う。青い空、きれいな海、亜熱帯の森、 それらは奄美の魅力のひとつである。しかし、奄美の一番の魅力は「自然」だけだろうか? 私は違うと思っている。
私が思う奄美一番の魅力は「人」である。あの八重山以上に、人懐っこく、そして旅人に優しいのが奄美の人たちだ。もちろん、 私が旅の中で知り合ったのは一部の人に過ぎないので、その経験を一般化することは出来ないと思うけど、 見知らぬ旅人に警戒感を抱かずにいろいろな話をしてくれて、打ちとけあえるところは、そう多くないのではないか。旅の魅力は、 歴史や自然や観光名所を巡る楽しみもあるけど、やっぱり一番はその土地の人と話すところにある。その土地で育った人は、 その歴史や社会を必ず背負って生きている。そういう話の中から、歴史や社会や生き方を感じ取ることが旅の一番の楽しみだ。
今年は、しばらくはいろいろと仕事がありそうなので、どこにも行けそうもない。でも夏になったら、またカメラを持って、 ふらりと南の島に行ってみたい。時間も仕事も忘れて・・・。
※写真は、奄美大島・名瀬市の島唄「吟亭」にて(2004年7月)。
2005年01月05日
写真 --2004年を振り返って--
「2004年を振り返って」シリーズの写真編です(^_^;)。
昔から写真が好きだったんだけど、就職してからは自分で現像も出来なくなり、 思い通りの仕上がりが出来なくなってしばらく写真からは興味が遠ざかっていたんだけど、ここ数年、デジタルカメラの進歩が著しく、 フィルムカメラに劣らない性能を獲得するにいたって、俄然と興味が復活してきた。デジタルカメラの良さは、 (1)その場で写りが確認できること、(2)フィルム代・現像代がかからないこと、(3)そして何よりも、自分で最後まで仕上げられること、 である。2003年の春にはデジタル一眼レフ(Canon EOS10D→すでに売却済み)をはじめて購入して、その冬にはOLYMPUS E-1の乗り換え、さらに2004年12月には同じOLYMPUS E-300を追加した。 この間のデジタルカメラの進歩と値下がりは著しくばかり。E-300なんて、 これだけの性能のカメラがレンズ付で実質8万円ちょっとというのは信じられないほどである。
昨年、写した枚数は、1万ショット以上。これはフィルムに換算すると、300本程度になる。これをフィルムで写していたら、 50万円以上かかっていただろうし、それを収納する場所だって大変だ。さらに一度ネガやポジを収納したら、 あとから必要なショットを探し出すのは大変だろう。その辺、デジタルは楽である。コンピュータにある程度の費用はかかるが、 PCはデジカメが無くても必要なものだし、撮影データは日付ごとに自動的に整理されるから楽々。 とにかく費用を気にしないでシャッターを押せるので、写真の上達が早い。
市場ではすでにデジタルカメラは飽和状態になっていて、買い替えの需要も一段落という感じなんだろうけど、 カメラの性能はまだまだ進歩する余地が多くある。でも、すでに今あるカメラだって十二分の性能を持っているので、 これをどのように使いこなすかが問題だ。デジタルカメラはもともと旅の記録用に買ったものなんだけど、 だんだんと目的が写真を撮るために旅に出ているように変わってきているような気がする(^_^;)。写真をやっていて良かったと思うのは、 旅先の町並みを眺めるとき、時間帯ごとにいろいろな表情に気がつくようになったことだ。朝・昼・夕・晩・・・ それぞれ違う光の時間に町並みを歩く楽しみが出来た。こういう楽しみがあると、なーんにも無い南の島でも、決して飽きることはない。 カメラのレンズは、私のもうひとつの眼になりつつある。
※写真は、竹富島のカイジ浜。猫がたくさんいる(2004年秋に撮影)。
2005年01月04日
「あっ!」という間の
うー、明日から、つーか今日から仕事かぁ。今年の正月休みはあっという間だったなぁ。
結局、この年末年始に出来たのはMovableTypeの導入と、 今後の検討を兼ねてXOOPSをインストールした程度で終わってしまった。XOOPSは多機能で奥が深そうだけど、基本的にはコミュニティ・ サイト向きのシステム。このページのコンセプトとはちょっと違うかも。
今月のコンサートのチケットは7枚あるんだが、そのうち3枚が同じ14日のコンサート。あと21日のチケットも2枚ある。どうしよ・ ・・(^_^;)。
2005年01月02日
新しいコンサートホール--2004年を振り返って--
昨年、残念ながらコンサート・オペラにはそれほど多くは行けなかったのだが、 新しくできたコンサートホール、劇場のオープニングには2回立ち会った。 ひとつは7月にオープンしたMUZA川崎シンフォニーホールだ。 スパイラル構造で左右非対称のホールは国内に前例がないものだが、 ステージを客席が取り囲む感じはなんとなくベルリンのフィルハーモニーホールを髣髴させる(←写真でしか見たことないが・・・)。 JR川崎駅からも徒歩2分と近く、駅からの近さでは東京文化会館や新国立劇場に匹敵するし、 ホールまでは屋根があるデッキでつながっているので雨にぬれる心配も少ない。
音響的には、残響が少な目なので、サントリーホールなどの柔らかい音に慣れたリスナーがどのように評価するのか、 微妙な感じはするけれど、現代のオケの機能性を考えたらこういう傾向のホールの方が好ましいかもしれない。ホールとは、 その中で演奏するオケによっても変わっていくべきものである。モダン楽器で演奏されることがほとんどの現代において、 古典楽器の時代のホールと同じような残響時間が必要だとも思えない。大阪のシンフォニーホールが出来た80年代後半は「残響2秒」 ということが必要以上にPRされてしまった感じだが、 これからは現在のオケの巧さを正確に伝えるホールというように設計の志向性が変わってきているのだろうと思う。
もうひとつは8月にオープンしたまつもと市民芸術館。 松本駅から歩くには15分以上かかるのでちょっと遠いし、車を停めるところも近くにはないのでちょっと不便だが、 少なくとも松本文化会館よりは近くなった。小澤征爾指揮サイトウキネン・オケの「ヴォツェック」で杮落としを迎えたが、 このホールの心配点は、はたして稼働率がどうなのか?という点だ。はっきり言って、 松本ではサイトウキネン以外に魅力的なソフトがあるわけではない。東京からソフトを持ってくるにしても、 それで客席が埋まるとは思えないので、そもそものコンセプトからしてオカシイと思わざるを得ない。
しかし劇場が完成してしまった現在、そんなことを言ってもしかたがない。それにしても思うのは、川崎にしろ松本にしろ、 音響のレベルが極めて高いというところである。以前は、ホールの音響は開館して数年待たないと評価が出来ないといわれてきたが、 この両ホールはオープン直後から評価してもかまわないほど優れたホールである。これはひとえに、 ホールの音響設計技術の向上にあるのだろうと思う。バブル期の後半には日本国内にさまざまなコンサートホール、劇場が生まれた。 多目的ホールも加えれば3ケタの数のホールがうまれたに違いない。さすがにそれだけのサンプルがあれば、ホールの設計技術は向上する。 90年代前半に完成したホールの音響には???がつくものも少なくなかったが、新国立劇場以降に完成したホールには、 私が知る限りハズレがない。
もう一点。川崎も松本も、客席からステージが見やすい。S席から見やすいのは当たり前だろうけど、 最も安いランクの席からでもステージが見やすい点は、両方のホールとも特筆に価する。たとえば、 新国立劇場の4階席やすみだトリフォニーホールの3階席後部に座ったことがある人ならわかると思うが、この座席は前の人の頭が邪魔になって、 ステージのど真ん中の視界が遮られることが多く、とてもストレスがたまる。しかし、川崎や松本のホールは、若干の制限はあるものの、 安い席でも安いなりにステージを見て楽しめるのはうれしい。二千席の大ホールで、音響的にも視覚的にも満足できるホールというのは、 意外と少ない。その意味では、川崎も松本もとても優れたホールである。まだ、どちらのホールも行った事のない人は、 ぜひ新しいホールのよさを体験してみてはいかが?
※写真は、まつもと市民芸術館のオーケストラピット
2005年01月01日
新年を迎えて--ブログ導入!--
大晦日から雪が降り始め、窓の外は銀世界。いよいよ2005年を迎えました。
新年を迎えて、このページも大きく模様替えをしました。かねてより懸案だったブログの導入です。このページのコンテンツは、まさにブログにぴったりの内容だったのですが、ブロバイダお仕着せのブログは使いたくないし、かといって自分でインストールしてカストマイズする時間も取れなくて、なかなか導入まで踏み切れなかったのですが、この正月休みの時間を使ってブログの定番ソフトMovableTypeの導入を行いました。
それにしてもMovableTypeの導入は簡単になったのでびっくり。Ver.2.xの頃は何ヶ所もソースを編集しないとうまく動かなかったのに、Ver.3.1になってからは編集したのは1ヶ所のみ。それでパーミッションの変更さえすれば動くんだから、ブログ導入の敷居も低くなったものだと思いました。たぶん普通の掲示板やアクセスカウンターの設置と比べても、MovableTypeの方が簡単なのでは、と思うほどです。
さて、今回のブログ導入にあたり、大きく変更した点があります。このDiaryは、「Tokyo Classic」と「旅のアルバム」の両方の日記を兼ねるという点です。片やクラシック音楽のページであり、もうひとつは旅と写真のページというように、コンテンツの内容は大幅に違うのですが、作成している「私」という人格はひとつなので(^_^;)、Diaryは一緒にしたほうが管理しやすいのです。幸いなことに、ブログにはカテゴリーによって管理する機能が備わっているので、その意味では統合しても問題は少ないのではないかと思っています。まだカストマイズも途上ですが、少しずつ改良していきたいと思います。
昨年は台風や地震、津波などの自然災害が頻発し、イラク戦争も終結の見通しが立っていません。不安がぬぐえない社会状況が続いていますが、今年が皆様にとって良い一年でありますように。そして、良い音楽と、良い旅にめぐり会えますように。
※ 写真は昨年7月にオープンしたMUZA川崎シンフォニーホール。