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2005年01月09日
チョン・ミョンフン&東京フィル:マーラー交響曲第3番
今日は今年最初のコンサートで、東京フィルのBunkamura定期である。チョン・ ミョンフンの登場とあって、オーチャードホールはほぼ満員。曲目は、 チョンがコダワリを持ってとりあげ続けているマーラーの交響曲から、第3番が選ばれた。
マーラーというと、楽想が分裂的で、それをひとつの曲としてどのようにまとめるのかが指揮者としての力量の見せどころだ。 マーラー指揮者と呼ばれるマエストロは、様々な楽想が混在し、交錯する曲を、つながりよく、自然に聞かせることに長けている。その点、 チョン・ミョンフンは、・・・すでに数回のマーラーの演奏を聞いてきたけど・・・マーラー指揮者と呼ぶにはためらいを感じる。 今日の演奏の第一楽章は音楽の起伏が激しく、緩急の入れ替わりも激しい。そういう意味で指揮者の力量が一番問われる楽章かもしれないが、 楽想が入れ替わるたびに音楽の流れが途切れてしまうような感じになってしまったのが残念だ。
しかし、そういうマイナス点も考慮しても、今日の演奏はなかなか良かったと思う。チョンの演奏で一番の聞きどころは、 アッチェランド・クレッシェンドしながら音楽の頂点を築き上げるスピード感だと、個人的には思っている。そういう意味では、 今日の曲はチョンの美点を生かしやすい曲だったし、東京フィルもチョンのタクトに敏感に反応して気合の入った演奏を聞かせてくれた。
そしてこの曲の一番の聞きどころは、やっぱり第6楽章だ。この楽章の始まりは、緩やかで叙情的な音楽から始まり、 主題を繰り返しながらオーケストラは熱くなり、音楽の頂点を目指していく。こういう曲の盛り上げ方、やっぱりチョンは巧い。 なかなか感動的だが、・・・でも、まだ、マーラー指揮者としては物足りない(^_^;)。
長い曲だけに無傷の演奏ではなかったが、オーケストラは大健闘と言って良いと思うし、ソリストの寺谷千枝子、東京オペラシンガーズ、 東京少年少女合唱隊も含めて、満足度の高い演奏だった。
※写真は、東京文化村。
投稿者 kom : 2005年01月09日 22:21