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2005年01月22日

40年の軌跡・・・小泉和裕=ジャン・フルネ&都響

 1965年に始まった都響の軌跡は40年を迎え、 定期演奏会もちょうど600回を1月26日の文化会館定期は、それを記念する特別のプログラムが組まれた。都響の首席指揮者・ 小泉和裕と名誉指揮者ジャン・フルネの両名が登場し、それぞれ得意のプログラムが演奏されたのである。この日の会場は、 座席数の多い文化会館であるにも関わらず、9割以上の座席に客が入る盛況だった。

 まず前半の「家庭交響曲」だが、R・シュトラウスが好きな私でも、実はよくわからない曲である。 私はこれまでに実演で聴いた記憶があるのは、たったの1回だけ。実際、演奏される回数も少ないのは、単に編成が巨大であるという以上に、 それほど人気のある曲ではないというのも理由の一つなのだと思うが、この都響定期で改めて聴いても、どこが面白い曲なのか、 よくわからなかった。確かに、R・シュトラウスらしい美しい宝石のような旋律がちりばめられているが、全体を通してみると、 変化に乏しく単調な音楽に聞こえてしまうのである。演奏した都響のコンディションは悪くなかったと思うが、 この45分に及ぶ大曲を集中して聞かせるには、音の大きさやダイナミックさではなく、 むしろ室内楽的な透明感や豊かな色彩感が必要なのではないだろうか。

 後半は、現役最高齢指揮者ジャン・フルネの登場で、さらに客席の拍手が大きくなる。足取りはさすがに重たいし、 衰えた視力を補うためだと思うが譜面台に置かれた楽譜は特大版である。しかし、そのタクトから醸し出される音楽から、 その年齢を感じさせることはない。むしろ瑞々しく、ふわっと湧き立つフランス的なエッセンス、上品な色彩感で溢れている。 日本のオーケストラで、これだけ香り豊かな「魔法使いの弟子」や「ダフニスとクロエ」が聴けるのは、まさにフルネ& 都響のコンビだけではないだろうか。一夜のコンサートで、二人の指揮者を聴いたのは、実は初めてなのだが、 こういう演奏会だと指揮者の個性が際立ってくる。たまにはこういう演奏会も面白い。そして、26日の都響定期(サントリーホール) も楽しみになった。今度はデュカスの交響曲を、どのように聴かせてくれるのだろうか。

投稿者 kom : 2005年01月22日 23:20

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