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2005年01月15日

新春かくし芸大会~プレトニョフ&東京フィル

 昨日(1/14)はサントリーホールで行われた東京フィル定期演奏会。指揮者のプレトニョフは、 もともとピアニストとして名を馳せた人だけど、その後、ロシア・ナショナル管弦楽団を組織して指揮者としても活動を開始した。 加えて、プレトニョフは曲も書くらしい。プレトニョフは、今回の定期のプログラムに自作のヴィオラ協奏曲を組み込んだ。 これでヴィオラも自分で弾いたら、新春かくし芸大会だが、さすがにそれは無理らしい(^_^;)。ソリストには、ベルリン・ フィル首席で活躍する清水直子を起用した。玄人好みのプログラムのせいか、空席が目立ったのが残念。

 プレトニョフが指揮台に上り、タクトを下ろす。まずポロネーズの第一音からしていつもの東フィルと違う。華やかで色彩感豊かな音だ。 豪華な舞踏会を連想させる音楽に、この先のプログラムへの期待が膨らむ。2曲目は、プレトニョフ自作のヴィオラ協奏曲で、 3楽章45分に及ぶ大作である。1997年の作曲だが、聞きやすい旋律が折り重なる様子は、ロマン派の作品に近い。ただ、 一つひとつの主題は美しいのだが、その発展性が乏しく、統一感・求心力が少ないため、45分がいささか長く感じられたのが残念だ。 もう少しコンパクトにまとめれば随分と印象が変わると思うのだが。

 それにしてもこの曲、ソリストにとっては気を抜けるところがまったくなく、45分弾き通しである。 清水直子は初めて聴くヴィオリストだが、豊かな美しい音色だし、集中力あふれる演奏を聞かせてくれた。また機会があれば、 バルトークあたりを聴いてみたいものである。

 休憩後はショスタコの15番。最近、定期演奏会でも少しずつ演奏される機会が増えてきている曲である。「ポロネーズ」同様、 非常に音色のパレットが豊かな演奏である。アンサンブルの精度は向上の余地はあるものの、 まるで子どもの頃のオモチャ箱を回想しているような音楽・演奏は聴いていてとても面白い。1月の東フィル定期は、 両方とも充実した演奏を聴かせて頂いた。

投稿者 kom : 2005年01月15日 23:04

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