2008年02月17日

ウィーン国立歌劇場(2008来日公演) 萌えません。。。

NBSからウィーン国立歌劇場のDMが届いた。2010年からは音楽監督にフランツ・ウェルザー=メストが就任することが決まっているので、小澤征爾音楽監督としての来日公演は今回が最初で最後となるハズ。そんなワケで世間的な注目度は高いのかもしれない。

でもなぁ~。演目がムーティが指揮する「コシ・ファントゥッテ」と小澤の「フィデリオ」って何?これは極めて個人的な趣味なんだけど、モーツァルトってそんなに好きなわけじゃないし、「フィデリオ」だってオペラとしての完成度低すぎでしょ。正直、どちらにも食指が動かない。

消去法的にどちらか片方を選ぶとしたら、ムーティが指揮する「コシ・ファン・トゥッテ」でしょうね。ムーティをウィーン国立歌劇場で聴いたことはないし、登場する歌手も素晴らしそう。でも完璧主義者ムーティの指揮って、聴いていて息がつまりそうになるんだよなぁ・・・・。対して「フィデリオ」は、「小澤のウィーンでの最後の来日公演」というバリュー以外に魅力を感じない・・・・(歌手の是非は別として)。

しかし消去法でしか選択できない公演にS席65,000円を払うかっていうと・・・・。せいぜいE席20,000円~F席15,000円が買えれば、一演目くらい行ってもいいかな・・・という程度。正直、これまでで一番「萌えない」ウィーン国立歌劇場来日公演なのです。

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2008年02月13日

ABT & ボリショイ・バレエ

もうすぐアメリカン・バレエ・シアター(ABT)とボリショイバレエの東京公演の一般発売(2/17)。どちらもジャパンアーツの主催だ。ABTは7月の公演だから、この時期に発売というのはわかる。しかしボリショイは12月公演だぞ(爆)。10ヵ月前というとオペラの公演でも早い発売に属するのではないか。なぜ、あえて10ヵ月も前に、しかもABTの発売日に合わせるのかっ!

正直言ってバレエのことはよくわからないので、職場でバレエに詳しい人に聞いたり、ネットで情報を集めたりすると、どうも今回はABTの人気が低めで、ボリショイの方が注目らしい。特にアレクサンドワ、ルンキナ、オーシポワあたりが注目らしいし、得意の演目である「ドン・キホーテ」を始め、バレエの代名詞たる「白鳥の湖」、個人的に注目なショスタコの「明るい小川」、・・・さらに今回は、ボリショイ劇場管弦楽団が伴奏を行うとのコト。ボリショイの「精鋭メンバー」のオケが演奏するとは限らないのだが、そこそこマトモな演奏が聴けることが期待できそう。そんなワケで優先発売で3演目全部を買ってしまった。なお、個人的に好みのザハロワは、新国立劇場で観ることができるので、あえて外したのだ。

一方、ABTは、どうしようかなぁ・・・と迷った結果、1演目だけ。こっちは伴奏するオケも公表されいない(爆)。ま、ほとんどのバレエ・ファンにとっては、伴奏のオケなんてどこでも良いんだろうけど。

今回のチケット代は、E席(5,000円)が4枚。NBS主催のロイヤルバレエだと、一番安い席が8,000円、・・・比較するとジャパンアーツの方が良心的な値段に感じられる。すでに発売が始まっているのでロイヤルバレエのチケットの売れ行き=e+の残券状況を見る限り、コジョカルが出演する日は売れ行きが良いものの、その他の日はたくさん売れ残っている。きっと公演日が近くなってくるとバーゲンチケットが出回りそうな勢いだ。

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2008年01月21日

新国立劇場 2008-2009プログラム発表!

えーと、このサイト・ブログは、そもそもクラシック音楽系のサイトです(爆)。

家に帰ったら新国の会報誌「The Atre」が届いていて、新国立劇場2008-2009のラインナップが掲載されていた。新国のHPも更新されているので、詳しくはココを参照のこと。

で、いちばんの注目は何といっても「リング」の再演! 今シーズンは「ラインの黄金」と「ワルキューレ」だけだが、新国史上、最大の成果と思われる作品だけに必見だと思う。ダン・エッティンガーのタクトにも注目したい。

次いで、新制作の「トゥーランドット」も面白そう。例のフィギュアスケートで注目を集めた「誰も寝てはならぬ」以来、人気を集めている演目だ。個人的にも、プッチーニは最も好きな作曲家なので、ぜひとも聴きに行きたい。料金も最も高い「1」に設定されているので、かなり豪華な舞台装置になるのでは?

さらに、これも新制作のショスタコーヴィチの「ムツェンスク郡のマクベス夫人」。キャスティングの良し悪しはわからないが、これもぜひ聴きにいきたい演目だ。私はゲルギエフ=キーロフ歌劇場で聴いて以来の演目だけに、この機会を逃したくない。

そしてダメ押しの新制作は、ロッシーニの「チェネレントラ」だ。正直言えば、ロッシーニはあまり得意ではないのだが、登場する歌手がよさげ。カサロヴァとシラグーサでしょ。かなり注目度高し。

個人的な注目は上記の5演目だけど、その他もなかなか力が入っていそう。いっそのこと全演目のセット券を買ってしまおうかと思ったけど、以前と比べると値段が高いなぁ。ウィークデーなら、15~20%くらいは値引きしてほしいと思うが・・・。せいぜいヴァリエーションで買うしかないか。

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2008年01月08日

バーミンガム ロイヤル バレエ 「美女と野獣」

今年初めてのクラシック系公演は、1月8日の英国バーミンガム・ロイヤルバレエの公演で、ミュージカルで有名なタイトルである「美女と野獣」である。当初、主役ベル役で出演が予定されていたエリシャ・ウィリスは、来日直前に足を負傷し、3日連続で佐久間奈緒が出演というアクシデントはあったが、その他は変更なし。会場の東京文化会館は、開演10分前まで客席の半分も埋まっていなかったが、開演間際にどわっ増えて9割以上の入りになった。女子率90%。

音楽:グレン・ビュアー
振付:デヴィッド・ビントリー
装置・衣裳:フィリップ・プロウズ
照明:マーク・ジョナサン
ベル:佐久間奈緒
野獣:イアン・マッケイ
ベルの父親(商人):デヴィッド・モース
ベルの姉(フィエール):ヴィクトリア・マール
ベルの姉(ヴァニテ):シルヴィア・ヒメネス
ムッシュー・コション:ドミニク・アントヌッチ
ワイルド・ガール:アンブラ・ヴァッロ
雌狐:平田桃子
カラス:山本康介
管弦楽:バリー・ワーズワース指揮=東京シティフィル

で、・・・・・日本初演のこの舞台、面白かったかといえば、うーんと考え込まざるを得ない。バレエとしては異例ともいえる手の込んだ舞台装置、演劇的な振付に関しては面白かったし、おとぎ話的な「美女と野獣」というモチーフもバレエ向きの作品だと思う。佐久間奈緒の情感あふれるダンス、イアン・マッケイの演技も良かった。

しかし、決定的にダメなのが音楽だ。特に第一幕なんて退屈の極み。単純な旋律に編曲、そして単調なリズム感、何だこりゃ。それでも部分的には奇麗な旋律もあったわけだから管弦楽が良ければ救いはあったんだけど、オーケストラも管楽器の不調だし、弦楽器も音色がイマイチ。さらにバレエファンとしては、テクニック的な見せ場が少ないというのも不満点になるだろう。

救いは第二幕。ここはまぁ、良かった。特に冒頭の舞踏会とラストシーンのメルヘンチックな音楽は美しかった。しかし逆にいえば、それ以外は見どころ、聴きどころに乏しい。「美女と野獣」という、せっかくの良い素材を得ながら、料理の仕方でダメにしてしまった感じだ。ちと残念な公演だった。

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2007年06月25日

新国立劇場「ファルスタッフ」

 書こうかどうか迷っていたのだが、一応、記録として残すために書いとくことにした。19日の火曜日、19時開演の新国立劇場主催の 「ファルスタッフ」を見に行った。

 すでにご承知の方もいるとは思うけど(^_^;)、私はヴェルディと相性が悪い。ヴェルディで唯一好きなのは「椿姫」 だけという変わり者である。そんな私のことだ。もちろん「ファルスタッフ」と相性が良いとは思えないが、なぜか過去に2度ほど見た 「ファルスタッフ」はそれなりに楽しめた記憶がある。そして、今回の新国版「ファルスタッフ」の出演者を見れば、アラン・タイトス、 ウォルフガング・ブレンデル、カラン・アームストロングというビッグネームが並んでいる。かなりの期待を持たせるキャスティングだ。

【指揮】ダン・エッティンガー
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照明】ペーター・ペッチニック
【再演演出】田尾下 哲
【舞台監督】大仁田 雅彦

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

【ファルスタッフ】アラン・タイタス
【フォード】ヴォルフガング・ブレンデル
【フェントン】樋口 達哉
【医師カイウス】大野 光彦
【バルドルフォ】大槻 孝志
【ピストーラ】妻屋 秀和
【フォード夫人アリーチェ】セレーナ・ファルノッキア
【ナンネッタ】中村 恵理
【クイックリー夫人】カラン・アームストロング
【ページ夫人メグ】大林 智子

 で、結果的にどうだったのかというと、・・・・ぜんぜん面白くなかったのである。管弦楽も歌も、・・・・ぜんぜん面白くない。 それも・・・・・何が悪いのか、イマイチ良くわからない。少なくともスピーディなテンポが非常に窮屈な感じがしたのだが、 それが原因かどうかがハッキリしない。もしかしたら、・・・いや、きっと、私とヴェルディは相性が悪いだけなのだと思うしかないのである。 ワタシ的には、無駄な時間を過ごしただけになってしまったが、終演後のカーテンコールは大いに盛り上がっていた。ヴェルディ好きの人なら、 私と正反対の感想を書くかもしれない。

投稿者 kom : 22:24

2007年06月17日

新国立劇場「ばらの騎士」

 6月15日の金曜日、新国立劇場の「ばらの騎士」 を見た。午後6時開演というのを新国立劇場に向かう電車の中で気が付いたときには時すでに遅し、・・・ もちろん仕事が微妙に長引いてしまったのも原因なのだが・・・・開演時間に間に合わなかった。劇場側も遅れてくる人のために、 3階席後方に途中入場をさせてくれて立ち見はできたんだけど、冒頭部分は見逃してしまった。

【指揮】ペーター・シュナイダー
【演出】ジョナサン・ミラー
【美術・衣裳】イザベラ・バイウォーター
【照明】磯野 睦
【舞台監督】大澤 裕

【元帥夫人】カミッラ・ニールント
【オックス男爵】ペーター・ローゼ
【オクタヴィアン】エレナ・ツィトコーワ
【ファーニナル】ゲオルグ・ティッヒ
【ゾフィー】オフェリア・サラ
【マリアンネ】田中 三佐代
【ヴァルツァッキ】高橋 淳
【アンニーナ】背戸 裕子
【警部】妻屋 秀和
【元帥夫人の執事】秋谷 直之
【ファーニナル家の執事】経種 廉彦
【公証人】晴 雅彦
【料理屋の主人】加茂下 稔
【テノール歌手】水口 聡
【帽子屋】木下 周子
【動物商】青地 英幸
【レオポルド】三戸 大久

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

 ワタシ的には、この「ばらの騎士」は、最も好きなオペラの一つである。好きになったきっかけは、かれこれ15年くらい前だろうか、 あの伝説となったカルロス・クライバーが振ったウィーン国立歌劇場の「ばらの騎士」を衛星放送で見たときだ。 ライヴ系リスナーを自称する私ですら、その放送を見て感動し、その来日公演を見に行ったのを鮮明に覚えている。 当時の私としては大枚だった4万円のC券を買って、東京文化会館の4階右サイドの席から、その実演に接することができた。 第3幕ラストの三重唱は、あらゆるオペラ・アリアの中でも最も美しいアリアだろうと思う。

 こんな「ばらの騎士」体験をしてきた私だから、やっぱり比較対照はクライバーになってしまうのだが・・・・結論から言うと、 今回の新国立劇場の公演は実にレベルが高くて大満足。クライバー体験を持つ者にとっても充分に満足のいく公演になったのではないだろうか。

 まず素晴らしかったのは、何といっても歌手。特に元帥夫人、オクタヴィアン、オックス男爵の3人は非のつけどころがない歌唱だった。 元帥夫人は、凛として芯の強い女性と同時に、オクタヴィアンを想うがゆえに身を引く決心をする過程の揺れる心を表現は見事だった。 オクタヴィアンの少年らしい身のこなし、中性的な演唱がかもし出す不思議な雰囲気が官能的だった。そしてオックス男爵の、適度に「軽薄」 な低音は、退廃した貴族社会の象徴としてぴったり。ゾフィーに関しては、もしかしたらちょっと不調だったのかもしれないが、 もっと透明感のある歌唱が欲しかったが、全体としてみれば、これほど水準の高い歌手が集まった「ばらの騎士」を見る機会は、 さほど多くはないのではないだろうか。

 そして、ペーター・シュナイダーの振った東京フィルも大健闘だと思う。ウィーン的な色彩感も十分に出していて、R・ シュトラウス特有の重層的な音をスケルトンに見せる透明感も美しかった。もっと上を望めばキリはないとは思うが、是だけの演奏であれば、 世界のどこに出しても恥ずかしくないレベルだろうと思う。

 演出については、オーソドックスな路線だ。ワタシ的には「ばらの騎士」については、 あまり冒険的な演出はなじまないと思っているので、このような正統的な演出は望ましいのだが、 第1幕から3幕にいたるまでの舞台装置に変化に乏しく、もう少し豪華な雰囲気が欲しかった。

 終演後のカーテンコールも、ブラボーの声が飛び交い、 新国立劇場のプロダクションの中でも特筆すべき成功を収めたのではないかと思う。私は、スケジュールさえ合えば、 もう一度見に行きたいくらいである。

投稿者 kom : 00:04

2007年03月11日

新国立劇場「さまよえるオランダ人」

 実は今シーズンから、ワタシは新国立劇場のオペラの年間会員になっている。平日公演限定のチケットだけど、振り替えが自由にできて、 しかも3階席正面のB席が9,450円なら入会してもいいかな・・・と思った次第なのだ。すでに来シーズンの継続の案内も来ているんだけど、 来シーズンは大幅に値上げ(@11,000円)されていて、しかも見たい演目が少ないというのもあり、継続は断念したんだけど、 今シーズンはできるだけ新国のレポをしていきたいと思っている。で、・・・「さまよえるオランダ人」の公演は、 3月7日の水曜日に見に行った。

【指揮】ミヒャエル・ボーダー
【演出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美術】堀尾 幸男
【衣裳】ひびの こづえ
【照明】磯野 睦
【舞台監督】菅原 多敢弘

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

【ダーラント】松位 浩
【ゼンタ】アニヤ・カンペ
【エリック】エンドリック・ヴォトリッヒ
【マリー】竹本 節子
【舵手】高橋 淳
【オランダ人】ユハ・ウーシタロ

 見終わって、相当の脱力感があった上演だった。まず問題だったのが管弦楽。たしかに音楽のタテの線はあっているようだけど、 音にワーグナーらしい厚みが乏しく、芯がない。ワーグナーを聴くうえで最も大事なのは、やっぱりオケである。さらに演出も面白くない。 なんかうまく表現できないけど、学芸会チックで、緊迫感がない。ダーラントの船はイカダみたいだし、群集の動かし方も変。ゼンタの死も、 オランダ人の船を乗っ取って沈没させる設定で、「これが救済なの?」って感じなのだ。総じて言えば、やっぱりオケと演出が面白くないと、 この演目は楽しめない。

 収穫は、歌手と合唱は全体的に素晴らしかったこと。知名度の高い歌手は少ないような感じだったので、 あまり期待しないで聴きに行ったんだけど、これは文句なしにレベルが高い。特にアニヤ・カンベのテンションの高い声には感心した。

投稿者 kom : 23:42

2007年02月03日

一喜一憂 ~ドレスデン歌劇場とベルリン国立歌劇場

 今日はドレスデン国立歌劇場のネットでの優先発売日。ドレスデンは日本に来る機会がマレで、私もまだ見たことはない。 旧東ドイツでは最強の歌劇場だっただけに、この機会を逃すことはできない。9時半前からPCの前にスタンバイして準備万端! 3台のPCを駆使して、「タンホイザー」「サロメ」「薔薇の騎士」の3つとも、土日公演のF席をゲットして、「やったぜ」 と喜んでいたんだが、・・・・・・あれ、今日はベルリン国立歌劇場のE・F席の一般発売日だったっけ。思い出したときには、ベルリンのE・ Fともすべて売り切れ。あぁ、なんで発売日が重なるんだ。

 まぁ、ベルリン国立歌劇場はもう何回も見たことがあるし、まだエコノミー席の発売も残っているから「果報は寝て待て」 と行くことにしよう。

投稿者 kom : 23:32

2006年09月02日

SKF メンデルスゾーン「エリア」

 いまサイトウキネンから帰ってきました。
 初めて見聞きする「エリア」、正直言ってよくわからない演目で、音楽的には最後の盛り上がりを除くと集中力を欠いてしまった面もあったけど、全体的には、それなりに楽しめたと言ったところか。
 何よりも良かったのは、東京オペラシンガーズの合唱。ホールを満たすパワー、声の均質感、ドラマ性、どれをとっても申し分なし。ソリストは、不満のない出来栄え。シュトゥッツマンなんかはネームバリューを考えるともう少し上の水準を期待したんだけど、いま一つ声の深さを感じさせてくれなかったのが残念。演目的によくわからないので評価はしにくいんだけど、オケもそつなくまとめたと思う。
 舞台装置は、いたってシンプルなもので、舞台上の動きも見る人のイマジネーションにゆだねる部分が多い。工夫すればセミステージ形式でも上演できそう。
 カーテンコールはそこそこ盛り上がったけど、個人的には「カルメル会修道女の対話」の水準を考えると、・・・・もうちょっと頑張ってほしかった。

 終演後は、中町まで歩き、蔵西庵という店で長野の地酒(千曲錦、七笑、舞姫)とサンマの塩焼き、蕎麦などを食べて帰ってきた。ちょっと酔った(^^;)。

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2006年02月05日

ゲルギエフの「指輪」

 先月のコンサート&オペラの中で、一番の注目モノだったのはゲルギエフ&マリンスキー歌劇場の来日公演で、「ニーベルングの指輪」 だったろうと思う。ずいぶんと間の開いた更新になってしまったが、ちょっと一言残しておきたいと思う。私が行ったのは全部、第一チクルスで、 初日「ラインの黄金」がF席、残る3演目がE席だった。この4日間、すべてを見られたわけではなく、残念ながら「ワルキューレ」の第一幕、 「神々の黄昏」第一幕は、もろもろの都合で見逃している。

 で、見た感想はどうだったかというと、・・・・何が言いたいのか、よく解らない公演だったということだ。 舞台写真を見た人ならわかると思うけど、ナウシカにお出てくる4つの「巨神兵」みたいな像が舞台装置の中心で、それ以外の動きは乏しい。 外貨獲得のための海外引越し公演を前提とした舞台装置という気もしてくるほどシンプルで、神々の世界も、ニーベルングの世界も、 基本的には同一の舞台装置である。照明などで工夫の跡は見られるものの、東京文化会館程度の一面だけの舞台でも十分なのだ。

 もちろん、シンプルな舞台装置でも良い演出はたくさんある訳で、それだけで評価をきめるのは早計だ。しかし、この舞台装置、衣装、 演出から伝わってくる「哲学」みたいなものは、「神々の黄昏」を見終わっても、まったく伝わってこなかった。「は? 何が言いたいの?」 という感じ。この公演のチラシなどに書かれていたキャッチコピーは「衝撃のリング」というものだったと思うが、正直言って「衝撃」 など何もなく、ただの拍子抜けだったのである。もちろん、私の読みの浅さなどもあるだろうし、 見る人が見れば違う感想もあるのかもしれないが、ワーグナーのオペラを見終わった後に特有の「カーテンコールの熱烈さ」も、 あまり見られなかったところから察すると、私と同じような感想を抱いた人も多かったのではないだろうか。

 あと、ゲルギエフの指揮も、「拍子抜け」の原因のひとつである。オケはそれほど下手なオケではないし、 まずまずの演奏だったと思うが、何よりも不満だったのはワーグナー特有のうねりが感じられなかったこと。 もっとねちっこく演奏してほしいと思うところでも、意外なほどあっさりと演奏してしまうのである。 歌手ではミーメを歌った人が素晴らしかった記憶があるほかは、飛びぬけた存在はいない。でも、 日替わりで登場する歌手たちはそれぞれ一定の水準をキープしており、ロシア圏だけでこれだけの層の厚さを誇れるのはうらやましいと思う。

 そんなわけで、特別の感慨もなく「リング」を見終わってしまったわけだけど、それにしても「リング」の上演が「日常」 の一部になってしまったなぁ・・・というのが一番の感慨かもしれない。十数年前だったら、リングのチクルス上演と聞いたら、 それはひとつの事件だったのに。これは喜ぶべきことなのか、それとも・・・(^_^;)。

 

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2005年11月14日

MET vs ボローニャ

 来年6月にメトロポリタン・オペラとボローニャ歌劇場が来日する。前者はレヴァインを音楽監督に仰ぎ、 世界三大歌劇場のひとつに数える人も多いし、後者はオペラ王国イタリアで屈指の歌劇場として知られている。 チケットの発売は先月あたりから始まっていて、私自身もすでに入手済み。最初はどうしようかなぁ・・・と思っていたんだけど、 結局のところ全演目を買ってしまったのだ。F券(一演目だけE券)ばっかりだけど(^_^;)。

 今日、チケットぴあのホームページで残券の状況を確認したら、METのチケットの売れ行きが芳しくないようだ。 特にドミンゴが登場する「ワルキューレ」は、チケットがかなり残っている。それに対してボローニャは順調な売れ行きで、 一部の演目ではチケットが少なくなってきている。半年後の公演だから、演目によっては売り切れになる勢いだ。 この売れ行きの差はどこから生じたのか?言うまでもないことだけれど、METは明らかに魅力に不足している。

 まずはオケが下手。過去の来日公演を聞いても、音がでかいのは立派だが、アンサンブルの精度は国内の中堅オケを下回る水準である。 しかも「椿姫」と「ワルキューレ」の公演会場がNHKホールとくれば、音楽的に楽しむのは難しい。なおかつ、旬を過ぎた看板歌手。 それでS席64,000円とくれば、売れるほうがオカシイ。個人的にはF席15,000円ですら高いと思う(勢いで買ってしまったけど・・・ )。唯一聴いみたいなと思ったのは「ドン・ジョバンニ」だけ。フレミングの椿姫も悪くないだろうけど、NHKホールではなぁ・・・・。

 対してボローニャ歌劇場のオケは一流である。過去の来日公演を聞いたけど、METとは比べ物にならないくらい巧い。歌手だって「旬」 を揃えている。ホールは、音響的にも評価の高い東京文化会館と、オーチャードホール。 オマケにMETよりも1割くらいチケットが安いとくれば、誰でもボローニャを選ぶだろうと思う。個人的にも、 圧倒的にボローニャのほうが期待値が高い。

 まぁ、公演の結果は、ふたを開けてみるまで分からないけど、少なくとも前哨戦はボローニャの勝ちである。今後、 METの巻き返しはなるのだろうか。

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2005年11月05日

新国立劇場バレエ「カルミナ・ブラーナ」

 秋深く、早くも11月5日。今日は新国立劇場バレエの「カルミナ・ブラーナ」に行ってきた。「カルミナ・ブラーナ」は、 もちろんカール・オルフ作曲の世俗的カンタータで、独唱+合唱団が必要な大作だ。これがバレエになるの? という興味から久々に新国立劇場のチケットを買ったというワケ。一般発売から随分と時間が経過してから買ったんだけど、 それでも4階3列目の通路側のF席が取れる。やっぱり、この位ゆったりとチケットを取れるとうれしい。客席はやっぱり空席が目立つけど・・・ ・。

 まずは前座的(時間調整的?)な位置づけで、「ライモンダ」第一幕より夢の場が上演された。 ステージは何もないシンプルな舞台だけど、踊りは結構楽しめた。なによりも良かったのはバリー・ワーズワース&東フィルの奏でる管弦楽だ。 叙情的な香りを携えた音楽は魅力的。しっとり、うっとりとした30分だった。

 30分の休憩を挟んで、後半はメインの「カルミナ・ブラーナ」だ。ところが開演予定時間になってもなかなか始まらない。10分後、 突然、アナウンスがあって、舞台装置のトラブルによる点検で、さらに開演が10分遅れるとのこと。結局、 タクトが下りたのは予定よりも30分ほど過ぎた16時半になってしまった。東フィルの管弦楽は、重量感や迫力は欠けるものの、 とても整ったアンサンブル、美しい音色が素晴らしい。ピットに入った新国立劇場合唱団も素晴らしいし、ソリストの佐藤美枝子、ブライアン・ アサワ、河野克典も申し分のないできばえである。バレエ抜きのふつーのコンサートとしても、非常に高いレベルの仕上がりだったろうと思う。

 さて、この手のモダンバレエは、ほとんど見たことがないので、批評めいたことは書けないけど、 全く飽きることなく過ごせた1時間だった。特に「運命の女神」を演じたシルヴィア・ヒメネスは舞台栄えする容姿の持ち主で、 官能性と強靭さをあわせもったキャラクターを見事に演じきった。音楽良し、振り付け良し、ダンサー良しと三拍子そろった舞台。 これで3,000円程度とは安い。このレベル、さらには土曜のマチネで満席にならないとは、どうしたことか?

投稿者 kom : 22:04 | コメント (1)

2005年09月26日

新国立劇場の「マイスタージンガー」

 いや、それにしても3日連続ワーグナーというのはツライ。特に「マイスタージンガー」 の2日連続というのは拷問に近いものがある(^_^;)。もともと、それほど好きな演目じゃないし、聴きどころの第3幕だけで十分じゃん (暴言)。そんな私がなんで久しぶりの新国立劇場に、それも「マイスタージンガー」に半日の休暇までとって出かけたのかというと、・・・・ 単にチケットを貰ったからなのである。そうでもなけりゃ、バイエルンの翌日に聴きに行こうとは思わない。そんなワケで、 期待値は低いまま初台に向かったんだけど、いま、聞き終えて一言、・・・・「意外とイイ」。 音楽や演出の志向性はバイエルンと正反対なんだけど、新国立劇場は繊細さの勝利というべきか、 ザックスやエヴァなどの登場人物の心理が上手に描かれていたのである。見終わって感心したのはバイエルンのほうかもしれないけど、 感動したのは新国立劇場のほうかもしれない。

 とはいっても、歌手、オケとも、地力は圧倒的にバイエルンのほうに分がある。音楽のスケール感、豊かな音色、そして歌手の声量、 存在感、舞台装置の豪華さ、いずれもバイエルン国立歌劇場の方が素晴らしい。ひとつのエンターテイメントとしては、 コンピュータやプロジェクターを駆使し、インターネットやデジタルカメラやカメラクルーを登場させ、夜警はホームレス、 群集にネオナチを登場させた政治的なメッセージも含めて、バイエルンのマイスタージンガーは面白い。しかしながら、その素晴らしさが、 登場人物の心理に結びついていたかというと、実は疑問が残る。

 新国立劇場の歌手は、バイエルンを聞いた後だと正直言って小粒に感じる。第一幕なんかは声が飛んでこないので「あれっ?」 と感じたほどだ。しかし幕が進むにつれて声がとどきはじめる。そして、聞かせどころのひとつである第3幕の五重唱の美しさはどうだろうか。 繊細で美しかった新国立劇場のほうが、ワタシ的には感動的だった。バイエルンの年老いたザックスに比べ、 壮年のザックスを演じさせた新国立劇場のほうが、物語的に遥かに説得力があるし、舞台栄えする可憐なエヴァの容姿・歌唱も良かった。 そういったエンターテイメント以外の部分では、新国立劇場のほうが好ましいと思った。演出や舞台装置に疑問が残るものの、 第三幕前半のこじんまりとした部屋の舞台は、歌手の声を最重視した演出、舞台装置だったろうと思う。

 この新国立劇場とバイエルン国立歌劇場、故意か偶然かは知らないけど、同一時期に同じ都市の中で「マイスタージンガー」 という超重量級の演目が同一時期に上演されるというのはひとつの「事件」だったのかもしれない。 この演目がこんなかたちで聴き比べができる機会は、もう二度と来ないと思う。「マイスタージンガー」は、ちょっと苦手な演目だったんだけど、 この2日聞き続けて、ちょっと好きになってきたかもしれない(^_^;)。

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2005年09月25日

ミュンヘン・オペラ

 一昨日はミュンヘンオペラの「タンホイザー」、今日は「マイスタージンガー」に行ってきた。 東京文化会館も神奈川県民ホールも満員の大盛況で、初日公演ということもあって着飾った人も多かった。華やかな雰囲気である。

 でも、やっぱりオケが巧いなぁ。このバイエルン国立歌劇場を聞くのは久しぶりなんだけど、さすがにドイツ・ オペラの最高峰に挙げられるだけあって、実に巧い。日本のオケも悪くないけど、この歌劇場のオケと比べるとスケールの違いに驚かされる。 メータが紡ぎだすアンサンブルはところどころでバラバラになりそうなところもあったけど、危うさに至らなかったのはオケの力量だろうと思う。 重厚さと、しなやかさを併せ持ったワーグナーの世界はキキモノである。

 歌手もイイ! 全体的に水準が揃っていて、穴がないのである。タンホイザーが知性的過ぎるとか、 エリーザベトが清純さが足りないとか、ザックスが老けすぎとか、キャスティングの好みの問題はあるけど、 これは今の日本の歌劇場では実現しえない水準だろうと思う。タンホイザーの演出は小細工が過ぎて好きにはなれなかったけど、 マイスタージンガーのモダンな演出は素晴らしいと思う。どちらかを見るなら、ぜひ「マイスタージンガー」をオススメしたい (NHKホールはオススメできないけど)。

 さて、明日は新国立劇場の「マイスタージンガー」である。これで3日連続ワーグナー漬けである。 さすがにマイスタージンガーの連続は・・・・マジでツライ(^_^;)。

※今日のマイスタージンガー第3幕では、ハウリング音が煩かったゾ。

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2005年07月11日

英国ロイヤルバレエ「シンデレラ」

 日曜日の今日は久しぶりのバレエ。e+で、売れ残ったチケット?をペアで半額!というメールが来たので、 貧乏性の私はついつい買ってしまったという次第である。それでもB席で17,000円÷2=8,500円だから、 決して安いというわけではないのだが、バレエの場合は何よりも視覚的な条件が優先される。さすがにB席だけあって、 東京文化会館の2階サイド。なかんか見やすい席だった。

 シンデレラを踊ったのはベンジャミンという人。ロイヤルバレエの中では、ちょっと地味めな感じはするけれど、 テクニック的には堅実だし、表現力もある。ただ、この演目だと、 どうしても義理姉の面白おかしいコミカルな動きばかりが印象に残ってしまって、どうしてもベンジャミンの印象がちょっと薄めになってしまう。 王子もイマイチだったし、・・・でもまぁ、全体的に見ても、とても面白い演目で、ひと時の御伽噺の世界を楽しませてもらった。

 さて、このところ高額のチケットをかなり買っている。バイエルンは3演目とも買ってしまったし、ゲルギエフ&キーロフの「リング」 も第一チクルスを買ってしまった。今月のロイヤル・バレエも、さらに「マノン」を見に行くし、ABTのガラ公演も予定に入っている。 かなりの出費だ。すこし節約しないと・・・。

 

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2005年03月14日

バイエルン国立歌劇場、チケット発売開始!

 3月12日の土曜日、NBSが招聘するバイエルン国立歌劇場のチケットが発売になった。 あまり乗り気ではなかったのだが、友人と共同参戦して「タンホイザー」「マイスタージンガー」「アリオダンテ」の3演目ともE・ F席をゲット。・・・とは言っても、3枚で59,000円かぁ。たけぇぜ!振り込んでから溜息・・・。

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