2008年01月08日
バーミンガム ロイヤル バレエ 「美女と野獣」
今年初めてのクラシック系公演は、1月8日の英国バーミンガム・ロイヤルバレエの公演で、ミュージカルで有名なタイトルである「美女と野獣」である。当初、主役ベル役で出演が予定されていたエリシャ・ウィリスは、来日直前に足を負傷し、3日連続で佐久間奈緒が出演というアクシデントはあったが、その他は変更なし。会場の東京文化会館は、開演10分前まで客席の半分も埋まっていなかったが、開演間際にどわっ増えて9割以上の入りになった。女子率90%。
音楽:グレン・ビュアー
振付:デヴィッド・ビントリー
装置・衣裳:フィリップ・プロウズ
照明:マーク・ジョナサン
ベル:佐久間奈緒
野獣:イアン・マッケイ
ベルの父親(商人):デヴィッド・モース
ベルの姉(フィエール):ヴィクトリア・マール
ベルの姉(ヴァニテ):シルヴィア・ヒメネス
ムッシュー・コション:ドミニク・アントヌッチ
ワイルド・ガール:アンブラ・ヴァッロ
雌狐:平田桃子
カラス:山本康介
管弦楽:バリー・ワーズワース指揮=東京シティフィル
で、・・・・・日本初演のこの舞台、面白かったかといえば、うーんと考え込まざるを得ない。バレエとしては異例ともいえる手の込んだ舞台装置、演劇的な振付に関しては面白かったし、おとぎ話的な「美女と野獣」というモチーフもバレエ向きの作品だと思う。佐久間奈緒の情感あふれるダンス、イアン・マッケイの演技も良かった。
しかし、決定的にダメなのが音楽だ。特に第一幕なんて退屈の極み。単純な旋律に編曲、そして単調なリズム感、何だこりゃ。それでも部分的には奇麗な旋律もあったわけだから管弦楽が良ければ救いはあったんだけど、オーケストラも管楽器の不調だし、弦楽器も音色がイマイチ。さらにバレエファンとしては、テクニック的な見せ場が少ないというのも不満点になるだろう。
救いは第二幕。ここはまぁ、良かった。特に冒頭の舞踏会とラストシーンのメルヘンチックな音楽は美しかった。しかし逆にいえば、それ以外は見どころ、聴きどころに乏しい。「美女と野獣」という、せっかくの良い素材を得ながら、料理の仕方でダメにしてしまった感じだ。ちと残念な公演だった。
投稿者 kom : 2008年01月08日 21:59