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2007年03月11日

新国立劇場「さまよえるオランダ人」

 実は今シーズンから、ワタシは新国立劇場のオペラの年間会員になっている。平日公演限定のチケットだけど、振り替えが自由にできて、 しかも3階席正面のB席が9,450円なら入会してもいいかな・・・と思った次第なのだ。すでに来シーズンの継続の案内も来ているんだけど、 来シーズンは大幅に値上げ(@11,000円)されていて、しかも見たい演目が少ないというのもあり、継続は断念したんだけど、 今シーズンはできるだけ新国のレポをしていきたいと思っている。で、・・・「さまよえるオランダ人」の公演は、 3月7日の水曜日に見に行った。

【指揮】ミヒャエル・ボーダー
【演出】マティアス・フォン・シュテークマン
【美術】堀尾 幸男
【衣裳】ひびの こづえ
【照明】磯野 睦
【舞台監督】菅原 多敢弘

【合唱指揮】三澤 洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【管弦楽】東京交響楽団

【ダーラント】松位 浩
【ゼンタ】アニヤ・カンペ
【エリック】エンドリック・ヴォトリッヒ
【マリー】竹本 節子
【舵手】高橋 淳
【オランダ人】ユハ・ウーシタロ

 見終わって、相当の脱力感があった上演だった。まず問題だったのが管弦楽。たしかに音楽のタテの線はあっているようだけど、 音にワーグナーらしい厚みが乏しく、芯がない。ワーグナーを聴くうえで最も大事なのは、やっぱりオケである。さらに演出も面白くない。 なんかうまく表現できないけど、学芸会チックで、緊迫感がない。ダーラントの船はイカダみたいだし、群集の動かし方も変。ゼンタの死も、 オランダ人の船を乗っ取って沈没させる設定で、「これが救済なの?」って感じなのだ。総じて言えば、やっぱりオケと演出が面白くないと、 この演目は楽しめない。

 収穫は、歌手と合唱は全体的に素晴らしかったこと。知名度の高い歌手は少ないような感じだったので、 あまり期待しないで聴きに行ったんだけど、これは文句なしにレベルが高い。特にアニヤ・カンベのテンションの高い声には感心した。

投稿者 kom : 2007年03月11日 23:42