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2007年12月30日
パケづまり・・au遅すぎじゃない?
今月からイーモバイルの定額の高速パケット通信サービスに加入したのは、このブログに書いたけど、auの定額サービスも今月から始まった。auは下り3.1Mbpsが公称値だが、はたしてそんなスピードが出るんだろうか? この前、ヨドバシの店頭にデモ機が置いてあったので計測サイトに接続して試してみた。そうしたら、かなり絶望的な数値が、・・・多少の変動があるんだけど、最高で0.1Mbps程度、最低で0.01Mbps。これはWillcomのPHS並の遅さ・・・・。もちろんベストエフォートだから公称値通りの速度が出ないのはわかっているけど、せめて0.5Mbps程度は出てほしい。
聞くところによると、パケット通信の制限上、ベンチマークサイトのように大きなファイルをダウンロードする場合は速度が遅くなる仕組みというウワサも聞くので、もしかしたら通常のWebサーフィン程度なら体感上の速度はそれなりに速いのかもしれないけど、このベンチマークの遅さには正直萎えた。やっぱイーモバイルのエリア内に住んでいるのであれば、イーモバイルを選択するのが賢明。そして2年度に改めて新規格の通信への乗り換えを検討するべきだと思った。
やっぱネコでしょ!
やっぱネコも魅力的な被写体だな~。アメショはカワイイ。
E-3 14-54mm F2.8-3.5 ISO1600
2007年12月29日
E-3から1ヶ月 ~瀬尾由布子ポートレート~
11月23日の発売日にOLYMPUS E-3を購入してから、おおむね1ヶ月が経った。フジモトタカコさんのライヴで本格投入して以来、持ち出す一眼レフは完全にE-3だけになってしまった。ワタシの写真のメインフィールドはやはり「風景」であることは変わりはないけれど、この一年は頻繁に旅に出ることがままならなくなってしまって、この年末年始も自宅で過ごすことになってしまった。したがって、E-3も旅に出ることはできないのである。
そんな中、4月にポートレートを写したことがある瀬尾由布子さんを、ふたたび写すことができる機会が訪れた。これはラッキー! ポートレートは、(スポーツ写真ほどではないものの)カメラ本体の性能がシビアに問われるジャンルである。フォーカスのスピードと正確さ、シャッターのレスポンス、肌の色を整えるための正確なホワイトバランスと露出など・・・・、風景写真以上のシビアさが求められる。
で、今回のカメラはもちろんOLYMPUS E-3で、レンズはZuiko Digital 14-54mm F2.8-3.5と、Leica Sumillux 25mm F1.4を使った。どちらも開放から信頼して使うことができるレンズである。フォーサーズならではの正確なフォーカスに加え、E-3では従来のレンズでも十二分に高速だ。フォーカスポイントも11点に増え、そのすべてにクロスセンサーを採用している。その効果は抜群で、従来のオリンパスのカメラと比較することはできない。
↑撮影地は横浜。25mm 1.4開放だが、背景は思ったほどボケない。そのかわりフォーカスは正確でシャープ、開放から安心して使える。
閉店になった写真スタジオ?の前にて。
↑これはISO250で、F1.6に絞りました。キテいるところはシャープなのにカリカリにならない描写がポートレート向きです。
↑これは撮影距離の関係で、背景はかなりボケていますね。25mm F1.4開放です。
↑これは14-54mmの絞り開放。デジタル専用とはいえ、開放だとちょっと甘めですが、むしろこの方がポトレ向きかも。
全部RAWで写して、Photoshop Elements 5.0で現像しています。肌色を整えるために露出の微調整を行っていますが、ホワイトバランスは一枚を除いてすべてオートで写しています。曇天でしたが、ホワイトバランスはかなり正確です。曇天程度のならJpegでも安心して使えそう。
このモデルの瀬尾由布子さんは、単にキレイなだけでなく、カメラマンの意図を汲み取ってポージングや表情に表してくれます。ふつう、ポートレートの写真では使えないカットがかなりの確立で発生するのですが、由布子さんの場合はそういうカットの比率がかなり少ない。 表情も多彩で、いろいろなシチュエーションで撮ってみたくなります。
曇天のため、レフ板なしでも光がきれいにまわっています。晴れている日よりも、むしろ撮影はしやすいかもしれません。
最後は教会前にて。なんとなく自分のカメラの腕が上がったような錯覚を覚えますけど錯覚はあくまでも錯覚。今回はモデルの良さ、ロケーションと光線のよさに助けられた感じです。横浜は、やっぱり撮影のポイントがたくさんあって楽しいです。
今回の撮影で実感したけど、E-3はホントに素晴らしいカメラに仕上がったと思う。いくつかの問題点を指摘するとしたら、フォーカスポイントの選択が方向キーでダイレクトに行えないこと、大きさと重さ、スリープからの復帰がもたつくこと、電池のもちがイマイチ、といったところ。もしかしたら電池がマンタンじゃなかったのかもしれないけど、バッテリに黄色信号が出て撮影の中盤くらいに交換したのに、後半にはまた黄色信号が・・・。もしかしたらファームウエアのバージョンアップで改善される項目もあるかもしれないけど、決定的な問題はない。このカメラがあれば、他のカメラは要らない、・・・マジでそう思います。
2007年12月25日
メリクリ!
台場のデックス東京ビーチのクリスマス・イルミネーション。
いくら丼・・・知床のオモヒデ
知床に行ったのは10月上旬で、全部で4泊5日。でも出発が平日の仕事が終わってからの夜だったので、網走に着いたのは夜遅く。だから実質的には3泊4日程度の旅だった。ご存知のとおり知床は世界自然遺産に登録されて、訪れる観光客も増えている。10月上旬だと観光シーズンも最終盤という感じで、やや観光客も少な目という感じだった。
で、知床の感想というと、・・・・たぶん見所は盛りだくさんにあるんだろうけど、自然保護のため、もしくは熊出没などの理由から、自然に恵まれたゾーンにはほとんど入ることができない。知床五湖もふつーの湖だし、オシンコシンの滝も秋には行くことができない。クルーザーに乗って半島巡りは、まぁそれなりに良かったけど、海から眺めるというよりは、もっともっと陸から知床半島を実感したかった。
ウトロは温泉郷もあるけれど、そこの多くは循環らしく、泊まった民宿に薦められて行ったのが市街地から30分ほど歩いたところにある「しれとこ自然村」の温泉だ。ここは間違いなく源泉かけ流しの温泉で、乳白色の温泉感たっぷりだ。高台にあるため、知床の海を眺めながら楽しむことができる。
それに北海道の味覚を忘れちゃいけない。いくら丼は旨かったし、3泊もお世話になった民宿知床ペレケの食事も美味しかった(ただし贅沢感は少ないので期待しすぎは禁物)。それにこの民宿の良さは、親切で旅のアドバイスも親身にしてくれること。ペレケ川からも近くて鮭の遡上も間近に見られるし、バス停も目の前だ。この宿もオススメだ。
今度、知床に行くときは、反対側の羅臼側から行ってみたい。
2007年12月24日
鮭の遡上
引き続き、10月に行った知床のハナシ。ウトロの町のど真ん中には、ペレケ川という川が流れている。河口あたりでも川幅7mくらいの小さな川なんだけど、そこには鮭(マス?)の大群が押し寄せていた。手で捕まえられるくらいの目の前を泳いでいて、これにはちょっとびっくりした。
ご承知のとおり、鮭の遡上は自らの子孫を残すため。そして、その役割を終えたら最期となる。川面には、鮭の死骸もたくさん浮かんでいた。
河口からちょっと離れた堤防のあたりには釣り人がたくさんいて、鮭を釣っていた。しかし、川には誰も釣り人がいないのである。不思議に思っていたんだけど、そうやら川に入った鮭は釣ったり捕まえてはいけない決まりになっているらしい。そりゃそうだなー。
2007年12月23日
雨上がり
これは10月に知床ウトロに行った時に写真。ぜんぜん北海道っぽくないけど、このとき持って行ったのは前述のRicoh GX100だ。
さすがに1000万画素だけに、風景写真でもぜんぜん問題はないし、24mm相当の超広角レンズに加えて手ぶれ補正も搭載している。ワタシ的には最強の旅カメラだと思う。さらにRicohのカメラは伝統的にマクロに強い。なにげない水滴だけど、ちょっと心引かれて写してみた。
コンパクトデジカメだと、液晶画面がファインダーを兼ねていることがほとんどだけど、ピーカンの屋外だと液晶がぜんぜん見えないことがある。でもこのGX-100は外付けのEVF(電子ビューファインダー)も付属していて、日中の野外撮影だとこれが使いやすい。しかも視野率100%。フレーミングも正確にできる。
あとは水中ハウジングがあれば最強なんだけどなぁ。
Ricoh GX-100
9月ごろに買ったコンパクトカメラのこと。すでに発売から久しいけど、RicohのGX-100を手に入れた。値段は某大手カメラ店で66,800円から壊れたコンパクトカメラを下取りしてもらって63,800円。さらに23%ポイント還元だったかな?だから、実質5万円以下で買えたことになる。コンパクトカメラにしては高いけど、このカメラにはそれだけの価値がある。
このカメラの特徴は、現時点で発売しているコンパクトカメラとしては唯一の24mm相当からの広角3倍ズームを搭載していること。私が買った理由も、それに尽きる。CCDシフト式の手ぶれ補正もそれなりに効果があるし、レンズの解像度も高い。このカメラがあれば、重たいデジタル一眼レフを持ち歩く必要はないんじゃないかと思うほどだ。
実際、秋に北海道の知床に行った時、このカメラを持っていった。デジ一眼を持っていかないため、30L程度のリュックひとつという身軽な旅になった。実際には、シャッターレスポンスなどではデジタル一眼レフに遠く及ばない部分があるので、やはりその代わりにはならないけど、このカメラを手に入れてから、他のコンパクトカメラに目が移らなくなった。
掲載の写真は、11月に城ヶ島に行ったときに写した猫。陽だまりで気持ちよさそうにしている。正方形フォーマットにしてモノクロモードで撮影。これも味があっていいものだ。
2007年12月22日
ちょっと早いけど、メリクリ!
今日は朝から天候不順で、午後から雨。明日も午前中は雨かな。それでも世間はクリスマスムード一色。
このところ台場で仕事をすることも多くなって、その帰り道に写した一枚。デックス東京の前には、イルミネーションで作られたクリスマスツリーがあって、その背景にはレインボーブリッジがある。夜になるとカップルが、よく記念写真を写している。
台場は、基本的に観光客の町だ。ランチタイムだけはビジネスマン(ウーマン)の姿も目立つけど、それ以外の時間帯は中国系の観光客と、シーズンにもよるけど修学旅行の学生の姿が目立つ。夜になると、カップルが増えてくるけど、・・・最近の台場はちょっと廃れ気味なのかなぁ。飲食店の閉店時間も意外と早いし、テナントの入れ替わりも多い。
明後日はクリスマス・イブ。きっと、いつもよりはたくさんの人が訪れるんだろうな。
2007年12月20日
インバル&都響 「悲劇的」
事実上のインバル披露演奏会(笑)となった12月の都響定期。19日のサントリーホールでは、Aシリーズの交響曲第7番「夜の歌」に引き続き、マーラー交響曲第6番「悲劇的」が演奏された。チケットはもちろん完売となり、会場は満員となった。
インバルと言えば、エポックメーキングとなったデンオンのマーラー交響曲全集が有名だ。おりしのマーラーブームに、高音質の録音とあいまって、インバルの名は一躍有名になった。フランクフルト放送響とのコンビで来日した講演も語り草になっており、私も「復活」などを聞いたけど、その完全主義的な演奏に舌を巻いた記憶がある。しかし、彼の実演のマーラーは、録音のそれとは一味違う。インバルの実演によるマーラーは、アグレッシブであり、実にダイナミックだ。そして、マーラーの分裂的な音楽を、より強調するかのように分裂的に描き出す。
一方、インバルの後に都響でマーラー全曲を振ったベルティーニの場合、マーラーの分裂的な部分がまるで一人の人間の感情を描き出すかのように、説得力をもって、統一的に描かれるのとは対照的だ。インバルは、分裂を分裂としてあぶりだし、それをも強調するのだ。昨日の「悲劇的」を聞いて、その思いを新たにした。インバルのタクトから描き出されるマーラーは、ありのままのマーラーの姿なのかもしれないが、やはり分裂的だ。
都響とのコンビネーションは、「夜の歌」を聞いた時よりも進化していて、ハイテンポなインバルのタクトに喰らいついていく。音場の透明感に欠ける部分があったのはちょっと残念だったけど、都響ならではのハイレベルな演奏を聞けたと思う。インバル&都響の最強の演奏と言えば、あのCDにもなったマーラーの交響曲第5番の演奏だ。まだまだあのレベルには到達していないと思う。あのような演奏を、またこのコンビから聞いてみたいものだ。
2007年12月17日
ねこ鍋
ねこ鍋がブームになって久しい。某所で猫が鍋に入るところをナマでみたのだが、おおっ!!やっぱ鍋の形がまぁるくて心地いいんだ。でも、ちょっと窮屈そうな感じだ。
写真はOLYMPUS E-3で、ISO1600の高感度撮影。E-1やE-300の頃だったら、ISO1600なんて使えたもんじゃなかったけど、E-410以降はかなり改善し、このE-3からはJPEGでもソコソコ実用的な画質が得られるようになってきた。そして、かなり暗くてもフォーカスが素早く正確なのがうれしい。手ぶれ補正もかなり効いている。
2007年12月16日
eMobile
ずっと迷っていたんだけど、ブロードバンド時代の進展とともに我慢できなくなって、WILLCOMを解約してeMobileに切り替えた。以前はPHSだったので64Kbpsだったが、新しいのは7.2Mbps。規格だけで考えると100倍以上速くなったわけだ。実際には都心で3Mbps程度、私の家では時間帯にもよるけど1Mbpsくらい。自宅の光回線の27Mbps程度の速度と比べると、体感的にも大きな差があるけど、実際には1Mbpsでも相当に快適な通信ができる。地下鉄で使えなかったり、地方ではまだまだ県庁所在地程度だったりと、通信エリア上の制限が多いけど、そこさえクリアーできればおススメ。
今月末にはAUも定額の高速通信専用端末を発売する。通信エリアは抜群に広けど、音声通話に影響を与えたらまずいので都心での回線速度はそれほど速くならないと思うし、定額料金がちょっとだけ高い。これからドコモやソフトバンクも参入してくれば、いろいろな選択肢が増えてくるだろう。もう少し早くなれば、自宅の光回線もいらなくなるかも・・・。
写真は、多摩川の土手。実はいま、パソコンとデジカメをもって、バイクでお散歩中である。
OLYMPUS E-3
この秋、デジタル一眼レフの中上級機の新発売が続いた。SONY α700、Nikon D300、D3、Canon EOS 1Ds Mark3などなど、目移りがするほどの状況の中で、私が買ったのは、もちろん(?)OLYMPUS E-3。ま、この秋に発売された一眼レフであれば完成度は高く、どれを買ってもそれほど後悔することはないと思うけど、このOLYMPUS E-3も同様だ。これまでOLYMPUSの弱点と言われていた部分のほとんどが、このE-3では解消されているのだ。
まずは世界最速をうたうオートフォーカス。新開発の超音波モーター搭載のレンズであれば、文字通り世界最速らしく、11月初めのオリンパスの発表会でも触ったけど、マジに速い! 今回はレンズまで買うお金がなかったので、私は従来のレンズを使っているけど、それでも旧機種と比べて雲泥の差である。今の私の用途なら、旧レンズの14-54mmで十分の速さだ。特殊な光源、人工照明であっても、フォーカスの正確さは揺るがず、その信頼性は飛躍的に向上している。フォーカスポイントも11点に増えて、どれも同等のクロスセンサーを使っている。以前は、フォーカスポイントは中央一点で十分だと思っていたけど、どのポイントもすべて正確だと、積極的にいろいろなポイントを使ってみたくなる。
ホワイトバランスも、かなり良くなっている。少なくともE-1やE-300の頃のような、同一光源でもころころ変わるような不正確さは解消され、新たに採用された外光センサー(?)が役立っているのか、かなり正確なホワイトバランスが確保できるようになっている。ま、盤石と言われるキャノンのホワイトバランスの正確さと比べると、まだ差があるような気がするけど、もともとホワイトバランスには「正解」はない。白熱電球の光源を太陽光のように完全補正するのが正解の場合もあれば、白熱灯の赤い雰囲気を残すのも正解なのだ。オリンパスの指向性は、後者の赤い雰囲気を残す方向性だが、これはこれで決して間違いではない。
そして、前代未聞の1.15倍の高倍率ファインダー。もともとフォーサーズは、撮像素子が小さいのでファインダーの大きさでは不利だったのだが、これでAPS-C中級機と肩を並べるファインダーの大きさになった。視野率はプロフェッショナル機の条件である100%を確保。視野率100%の光学ファインダーを持つデジタルカメラとしては、このE-3は最も安いカメラである。
以上、オートフォーカス、ホワイトバランス、ファインダーの3点が、従来機種の弱点だったが、これが見事に解消されている。強力無比な防塵防滴も従来通りで、高剛性のマグネシウム合金ボディも質感が高い。
しかし弱点もある。一番の問題点は、大きさと重さだ。これだけの高倍率ファインダーとボディ内蔵式手ぶれ補正を搭載したら、E-1(660g)よりも軽くなるわけはないのだが、このE-3は810gと、APS-C中級機と比較しても・・・・重いほうに分類される。もちろんスペックを考えれば仕方がないのだが、フォーサーズ=小型軽量というイメージは、この機種に関して言えば当てはまらない。次に、スリープから復帰の時間の長さだ。電源ONの時であっても、操作がないと電池保持のためにスリープモードに入る。シャッターボタンなど押すとスリープから復帰するんだけど、その時間が意外と長く、1.5秒くらいはかかる感じ。瞬間復帰じゃないと、シャッターチャンスを逃してしまう。さらに一点だけ。まだちゃんと検証はしていないけど、電池の持ちが意外と良くないかも。ま、電池はいつも予備を持っているから、いいんだけど。
多少の欠点はあるけど、これは久々に満足度が高いカメラだ。私が買った値段は、発売日に店頭で164,000円。この性能であれば、コストパフォーマンスは高い。
なお、写真は、シンガーソングライターのフジモトタカコさん。彼女のワンマンライヴが、このE-3の初めての実戦投入になった。ライヴハウス特有のカラフルな光源でも全く問題がなく、ISO800でも十分にきれいな画質である。
2007年12月15日
インバル&都響 「夜の歌」
12月14日の金曜日、来シーズンから都響のプリンシパル・コンダクターに就任するインバルのコンサート。かつては毎年1回の頻度で都響を振っていたインバルも、都響には久しぶりの登場となる。すでに都響のカオになることが発表されているので、なんとなく「事実上の就任披露演奏会」みたいな雰囲気が漂い、東京文化会館にも関わらずチケットはソールドアウト! 5階のサイドまで聴衆でいっぱいになった。
曲目は、インバルの代名詞ともいうべきマーラー、そのレパートリーの中から最もマニアック?とも言える交響曲第7番「夜の歌」をセレクトしてきた。演奏のほうは、全体的にはかなり元気な感じの演奏。ピアニッシモも磨きこむ演奏というよりも、フォルテ方向を拡大してダイナミックな演奏を目指した感じだが、各パートのつながりや音量のバランスの齟齬がチラホラと露呈してしまった感じだ。たぶん、もう一度、同曲の演奏の機会があれば改善されるんだろうけど、この日に限ってはマーラー独自の緊迫感はあまり感じられなかった。
もちろん、熱演だったことには間違いなく、都響の特徴である弦の美しさはもちろん、トランペットをはじめとする金管も良かった。迫力ある5楽章の演奏が派手に終わって、終演後には盛大なブラボーの声が飛んでいたけど、インバル=都響のコンビが、あの黄金期のフランクフルト放送響のような・・・・そこまで高いレベルに到達できるのかは別にして、そういったコンビネーションの成果を現すまでにはもう少しの時間が必要だと思う。