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2007年12月16日

OLYMPUS E-3

この秋、デジタル一眼レフの中上級機の新発売が続いた。SONY α700、Nikon D300、D3、Canon EOS 1Ds Mark3などなど、目移りがするほどの状況の中で、私が買ったのは、もちろん(?)OLYMPUS E-3。ま、この秋に発売された一眼レフであれば完成度は高く、どれを買ってもそれほど後悔することはないと思うけど、このOLYMPUS E-3も同様だ。これまでOLYMPUSの弱点と言われていた部分のほとんどが、このE-3では解消されているのだ。

まずは世界最速をうたうオートフォーカス。新開発の超音波モーター搭載のレンズであれば、文字通り世界最速らしく、11月初めのオリンパスの発表会でも触ったけど、マジに速い! 今回はレンズまで買うお金がなかったので、私は従来のレンズを使っているけど、それでも旧機種と比べて雲泥の差である。今の私の用途なら、旧レンズの14-54mmで十分の速さだ。特殊な光源、人工照明であっても、フォーカスの正確さは揺るがず、その信頼性は飛躍的に向上している。フォーカスポイントも11点に増えて、どれも同等のクロスセンサーを使っている。以前は、フォーカスポイントは中央一点で十分だと思っていたけど、どのポイントもすべて正確だと、積極的にいろいろなポイントを使ってみたくなる。

ホワイトバランスも、かなり良くなっている。少なくともE-1やE-300の頃のような、同一光源でもころころ変わるような不正確さは解消され、新たに採用された外光センサー(?)が役立っているのか、かなり正確なホワイトバランスが確保できるようになっている。ま、盤石と言われるキャノンのホワイトバランスの正確さと比べると、まだ差があるような気がするけど、もともとホワイトバランスには「正解」はない。白熱電球の光源を太陽光のように完全補正するのが正解の場合もあれば、白熱灯の赤い雰囲気を残すのも正解なのだ。オリンパスの指向性は、後者の赤い雰囲気を残す方向性だが、これはこれで決して間違いではない。

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そして、前代未聞の1.15倍の高倍率ファインダー。もともとフォーサーズは、撮像素子が小さいのでファインダーの大きさでは不利だったのだが、これでAPS-C中級機と肩を並べるファインダーの大きさになった。視野率はプロフェッショナル機の条件である100%を確保。視野率100%の光学ファインダーを持つデジタルカメラとしては、このE-3は最も安いカメラである。

以上、オートフォーカス、ホワイトバランス、ファインダーの3点が、従来機種の弱点だったが、これが見事に解消されている。強力無比な防塵防滴も従来通りで、高剛性のマグネシウム合金ボディも質感が高い。

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しかし弱点もある。一番の問題点は、大きさと重さだ。これだけの高倍率ファインダーとボディ内蔵式手ぶれ補正を搭載したら、E-1(660g)よりも軽くなるわけはないのだが、このE-3は810gと、APS-C中級機と比較しても・・・・重いほうに分類される。もちろんスペックを考えれば仕方がないのだが、フォーサーズ=小型軽量というイメージは、この機種に関して言えば当てはまらない。次に、スリープから復帰の時間の長さだ。電源ONの時であっても、操作がないと電池保持のためにスリープモードに入る。シャッターボタンなど押すとスリープから復帰するんだけど、その時間が意外と長く、1.5秒くらいはかかる感じ。瞬間復帰じゃないと、シャッターチャンスを逃してしまう。さらに一点だけ。まだちゃんと検証はしていないけど、電池の持ちが意外と良くないかも。ま、電池はいつも予備を持っているから、いいんだけど。

多少の欠点はあるけど、これは久々に満足度が高いカメラだ。私が買った値段は、発売日に店頭で164,000円。この性能であれば、コストパフォーマンスは高い。

なお、写真は、シンガーソングライターのフジモトタカコさん。彼女のワンマンライヴが、このE-3の初めての実戦投入になった。ライヴハウス特有のカラフルな光源でも全く問題がなく、ISO800でも十分にきれいな画質である。

投稿者 kom : 2007年12月16日 01:16

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