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2007年12月15日

インバル&都響 「夜の歌」

12月14日の金曜日、来シーズンから都響のプリンシパル・コンダクターに就任するインバルのコンサート。かつては毎年1回の頻度で都響を振っていたインバルも、都響には久しぶりの登場となる。すでに都響のカオになることが発表されているので、なんとなく「事実上の就任披露演奏会」みたいな雰囲気が漂い、東京文化会館にも関わらずチケットはソールドアウト! 5階のサイドまで聴衆でいっぱいになった。

曲目は、インバルの代名詞ともいうべきマーラー、そのレパートリーの中から最もマニアック?とも言える交響曲第7番「夜の歌」をセレクトしてきた。演奏のほうは、全体的にはかなり元気な感じの演奏。ピアニッシモも磨きこむ演奏というよりも、フォルテ方向を拡大してダイナミックな演奏を目指した感じだが、各パートのつながりや音量のバランスの齟齬がチラホラと露呈してしまった感じだ。たぶん、もう一度、同曲の演奏の機会があれば改善されるんだろうけど、この日に限ってはマーラー独自の緊迫感はあまり感じられなかった。

もちろん、熱演だったことには間違いなく、都響の特徴である弦の美しさはもちろん、トランペットをはじめとする金管も良かった。迫力ある5楽章の演奏が派手に終わって、終演後には盛大なブラボーの声が飛んでいたけど、インバル=都響のコンビが、あの黄金期のフランクフルト放送響のような・・・・そこまで高いレベルに到達できるのかは別にして、そういったコンビネーションの成果を現すまでにはもう少しの時間が必要だと思う。

投稿者 kom : 2007年12月15日 19:32

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