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2007年07月08日

与那国・西表の旅(Vol.3)

 与那国ゲストハウスADANでは、結局何もやる気が起きず、ブログの原稿づくりに専念することになった。 さすがにこれだけ暑いと疲れるし、地元の人は基本的に昼間は出歩かないのである。亜熱帯を上手に過ごすには、 中一日くらいエアコンの効いた部屋の中で過ごすのも悪くない。

 7月3日の午前11時20分発のJTAで与那国を離れ、30分ほどの飛行で石垣空港に到着した。 飛行機の窓から見える西表島は巨大で、島の中心部は亜熱帯のジャングルに覆いつくされている。この島では、 人々は海岸線に沿ったごく一部の地域に住んでいるに過ぎない。石垣空港に到着して荷物を受け取り、バスに乗ってターミナルで降りる。まずは 「新」離島桟橋に行って上原に向かう船のチケットを買った。そして荷物を預けようとしたら、有料で300円とのこと。 前の桟橋のときはタダだったのになぁ・・・とも思ったが、 以前は荷物の受け渡しのときにホントに預けていた人かどうかの確認は皆無だっただけに、 有料化してキチンと管理責任を負うことは良いことなのかも。荷物の受け渡しのナンバープレートを受け取って、昼食に向かった。

 昼食で目指したのは美崎町にある「さつき」」という店で、観光客は少なく地元の人がほとんど。日替わりのランチは何と500円で、 この日はゴーヤチャンプル(ワタシ的には3日連続だ・・・・泣。)で、さらにセルフサービスながらご飯や味噌汁、サラダなどは食べ放題だ。 味は、観光客相手の店よりも美味いくらいで、安いし量は多いし、この店はオススメである。その後、公設市場などを見て時間をつぶし、 14:30の安栄観光の高速船で西表島西部の上原に向かった。海は穏やかで、ほとんど揺れることはなかった。

 さて、西表に渡ったら通信環境が途絶えてしまい、全く更新ができなかった。そんなワケで、与那国同様にまとめて書くことにする。

■宿:  上原港から宿泊先のパインアップル館までは安栄観光の送迎バスで向かい、 到着したのは7月3日の15:30ごろ。宿の玄関は電気が消えていて、声をかけても誰もいない。 石垣島を出向する前に来る時間は伝えておいたのに・・・・、宿の外に出て裏にまわってみるとパインの収穫・出荷作業をしている人がいた。 声をかけると、やっとチェックインすることができた。通された部屋は、新館2階の角部屋で、とても綺麗で新しい。 ベッドが二つある洋室である。ツインではあるけど部屋は狭く、広さは6畳ちょっと・・・。ベッドだけで部屋がいっぱいという感じ。 共用の洗濯機(洗剤は50円)とエアコンは無料だが、テレビは100円/h。部屋には冷蔵庫はない。以降、このパイン館に4泊5日したが、 食事はこれまで泊まった民宿の中でも1・2を争うほどの美味さ。これで2食付6,500円なら納得の内容だと思う。ただし、問題点が二つ。 ひとつめは、基本的に伝えられるべき事項が全く伝えてくれないことが多すぎる。レンタバイクやナイトツアーがあるのにその案内がなかったり、 そもそも、部屋には「宿のご案内」みたいなものがない。小さな民宿ならそれでもいいが、キャパシティが大きい宿なので、 気軽にスタッフに声をかける感じではない。各部屋に案内くらいは必要だろうと思う。二つ目は、宿のキャパが大きすぎて、 夕食時にゆんたくがほとんどできない点である。多くの民宿では夕食時に無料で泡盛が出るけど、この宿では出ない。各自、となりのスナック? 「パイン館のとなり」で飲むような感じになる。もちろん有料だ(^_^;)。客層もグループが多く、一人旅の率はとても少ない。 グループで行くなら是非ともオススメしたい宿だが、一人旅だとすると話し相手を探すのに苦労しそうな感じだ。いっぽう、この旅の最後、 7月7日に泊まった竹盛旅館は、西表東部の老舗旅館だ。今年の年末年始にも3泊ほどお世話になった宿で、 その時に気に入ったので今回も旅の最後に泊まることにした。前回は新館のバス・トイレつきの部屋(2食付8,400円)だったが、 今回は旧館のアウトバス・アウトトイレの部屋(2食付6,800円)。夕食は相変わらず豪華で美味しいが、 部屋の設備は価格差以上に旧館の古さを感じさせる。短期だったら新館のほうがオススメ。適度な距離感をもったサービスのよさ、 気が利くところは私のお気に入りのポイント。西表東部で泊まるなら、ワタシ的には竹盛旅館で決まりである。

■バラス島・鳩間島ツアー:  7月4日は、いるもて丸のシュノーケリング・ツアーに参加した。たぶん「いるもて荘」 という民宿が所有する船だと思う・・・その民宿からの参加者が多かったけど参加者は全部で10人くらいと少なめ。 宿まで迎えに来てくれて上原港を出航したのは9:30ごろ。シュノーケリングは全部で4回で、まずバラス島に上陸し、そこで1回目、 鳩間島と西表島の間でポイントを変えて3回。バラス島は白い珊瑚の残骸が積み重なってできた島で、 シュノーケリングのポイントとしては変化がなく、面白くはない。ただ餌付けされている魚が多く、 魚肉ソーセージを目指して30cmくらいの大きな魚も集まってくる。他のポイントは、 テーブル珊瑚や枝珊瑚が生きていてとてもカラフルな海中の世界が広がっている。昼食は鳩間島に上陸して、 民宿いだふにの前にある広場で食べる。内容は、おにぎり2個とおかず少々と、いたってシンプル(^_^;)。 たぶんスーパーで売っているものと同じだろう。まぁ、まる一日楽しめて昼食付きで6,000円なら納得の内容だろうけど、ライバルの 「しげた丸」は6,300円でもう少しよいお弁当が付くし、付き添いのヘルパーさんも美人(というウワサ) なのでトータルではそっちのほうが良いかも(^_^;)。

■サガリバナ:  7月5日は念願だったサガリバナのツアーに参加した。ショップは「good out door」 というところ。オーナーの出戸さんはアメリカンフットボールの元選手で、立派な体格とヒゲが印象的だ。 数多いカヌーのツアーショップの中からなぜここを選んだかというと、サガリバナで10時間という長時間メニューがあるのは、 ここだけだったからである。多くのサガリバナツアーは3~4時間で、朝5時半に出発すると9時には終了というパターンなのだが、 これだとそのあとの時間をもてあましてしまう。せっかくならまる一日、カヌーで楽しんでしまおうというのが、今回の目的だ。 夜も明けきらぬ朝4時30分に迎えの車が来て、カヤックを車から降ろし、荷物を積み込み、 準備やストレッチを経て白浜港から出発したのは日の出過ぎの6時ごろ。白浜港から仲良川に入り、太陽が昇り始め、上流に進む。 それにつれて川に落ちたサガリバナが増えてきて、甘い香りが漂い始める。そして7:30ごろ、 ガイドの出戸さんは仲良川から少し外れたところにあるサガリバナの群生地に案内してくれた。そこはまさしく桃源郷のよう。 水面にはサガリバナがびっしりと漂っていて、ホントに美しい。

とりあえず、これで目的は達したが、そこからさらに1時間ほどカヌーを漕いで船着場に到着。 そこから細い道を歩いて40分ほどのところにあるナーラの滝(幻の滝)に到着。ここも以前から行ってみたいところだったので満足。 さらにそこで特製の八重山そばを作って食べて大満足。12時には滝を出発して、白浜港に戻ったのは14時ごろ。 正味8時間ほどのツアーだったが、程よい疲れを感じさせるものだった。

投稿者 kom : 21:55

2007年07月03日

与那国・西表の旅(Vol.2)

 6月29日から3泊4日を過ごした宿は、与那国島の中でも最西端の集落=久部良にある「民宿もすら」である。 空港から黒いワゴン車が10分ほど走り、民宿もすらに到着。宿はかなり新しく、手入れも行き届いている。 1泊素泊まりで3,000円の宿だけに過度な期待は禁物だが、個室でエアコン無料、洗濯機無料なのはありがたい。「もすら」 ではレンタカーやレンタバイク、海中遺跡観光のグラスボートも行っているので、早速原付バイクを借りて、島一周にでかけた。

 その後のことをつらつらと書いても仕方がないので、与那国のことをまとめて書いておくことにする(^_^;)。

■宿:最初の3泊した 「民宿もすら」は良かった。部屋は6畳程度の洋室で、家具はカラーボックスとガラスのテーブルだけ。 ベッドもテレビもなく殺風景だし、部屋からの眺めも期待できない。だけど、旅の宿ならこれで充分だという人も多いだろう。 クーラーや洗濯機が無料で使えるし、共用ながらトイレもウォシュレット付き。それに何と、無線LANで高速ブロードバンド通信が可能なのだ。 こんな離島で、ストレスのない通信がタダで可能なのはオドロキである。共用の居間もあって、旅人同士のゆんたくもしやすい。 これで3,000円なら納得の値段である。欠点としては、集落の中心からはちょっと外れていること(徒歩3分くらい?)、 壁が薄くて話し声が筒抜けになってしまうことくらいか。最後に一泊したゲストハウスADANは、 与那国で一番大きい祖内の集落の高台にある。値段は素泊まりで3,000円。「別館」に案内されたが、 ホームページの情報に別館なんて書いてあったかなぁ?古い2階建てのアパートみたいな感じで、部屋は和室で6畳。エアコン、テレビ、 冷蔵庫が個室にあり、もちろん無料だ。高台にあるので、2階の部屋からの眺めは悪くないが、民宿もすらに泊まった後だと悪い面が目立つ。 シャワー室のカーテンやトイレのドアがうまく閉まらないし、旅人同士が交流できるスペースがない。決して悪くはないが、 私ならまよわず民宿もすらを選択する。

■国際カジキ釣り大会:毎年、 7月の第一土日に開催しているらしい国際カジキ釣り大会だが、 参加者の顔ぶれを見ても「これのどこが国際なの?」とツッコミを入れたくなる(^_^;)。ハッキリと確認したわけではないが、 ほとんどは八重山や沖縄県内の参加者ではないだろうか。私は釣りはしないので、大会そのものにはあまり興味はないのだが、 港の広場には特設ステージが設けられて、大会前日の前夜祭の夜19:00から3日間にわたって大演芸大会?が開催され、 多くの島民がここに集まってくる。この島出身の歌手やダンサーも集まり、21時過ぎまで賑わう。露店も5~6くらい出て、与那国そば、 カジキの天ぷら、カキ氷、ビールなどなど、食べるものには事欠かない。最終日にはカジキマグロの丸焼き(写真下)が振舞われる。 ただし内容的には、釣り好きではない私にとっては、あえてこの時期を選んで行く必要はなさそうな感じだし、この時期は休みの店も多くて、 かえって困ってしまうこともある。

■食事:国際カジキ釣り大会の間、 ちょっと困ったのが食事だ。お目当てだった久部良の「海響(いすん)」が休みになり、選択肢がなくなってしまったのである。そんな 「海響」も、カジキ大会の終了翌日にお昼に入った。カジキのバター焼き定食はデザートも付いて700円。 美味しいし、手入れが行き届いた漁師風の店の雰囲気も良い。ココはオススメ。同じ久部良の「ゆきさんち」 は、有名なカレー屋さん。日替わりでいろいろな具材のカレーを出してくれて、私が行った日は「金時豆と絹サヤ」だったかな? 翌日は 「ソーキとヘチマ」のカレーだった。島唐辛子でお好みの辛さに調節が可能。小麦粉を使っていないさらっとしたカレーソースに、 独特のスパイスが美味しい。クーラーはないけど、風通しがいいのでキモチ良い。ココもオススメ。 さらにカジキ大会中も休まずに営業していたのが「(ひこ)」。夜に2回入ったけど、 オススメ度はちょっと低い。看板メニューに「彦そば」は、私が得意ではない卵が入っていたし、 ゴーヤチャンプル定食も800円の割には良が少なめ。味はそんなに悪くないけど、店の内装がふつーの民家そのままで、 テーブルも一般家庭のダイニングテーブル。なんか雰囲気もイマイチ。ビールを一杯だけ注文しても、お通し250円が付加され、 ゴーヤチャンプル定食とあわせて1,650円は高い。ちょっと損した感じになった(^_^;)。祖内の 「どんぐりと山猫」は、以前から行ってみたかったお店で、与那国最終日の夜に行くことができた。 店の中はコトーの収録中に訪れた出演者のオフショット写真やサインが壁一杯に張られていて、ファンにはたまらないだろう。 メニューの品数も多いのだが、私は白菜のキムチ、島豆腐の冷奴、ゴーヤチャンプル、シラスのおにぎり、オリオン生を注文。美味しかったし、 会計も全部で1,500円とめっちゃ安い。難点は、店が狭いためすぐにいっぱいになってしまうこと。今度行ったら、 是非とも山猫ラーメンを注文したい!

■見どころ: Dr.コトー診療所を見ていれば、この島の魅力はだいたい分かるはず。ワタシ的に一番好きなのは、ダイナミックな南海岸沿いの風景だ。 ここを朝早く(8時前後)にバイクで走ると涼しくてすごく気持ちいい。今回は素泊まりの宿だったので、朝早くに出発することができたけど、 2食付だと難しい。またこの時期の日没は19時半前後。この島に来たら、日本で最後に沈む夕陽を見たいと思うのが人情だ。しかし、 宿の夕食の時間は早くても18時半くらいで、日没の一番良い時間と重なってしまう。この島の魅力を味わうには、 素泊まりの宿のほうが時間を自由に使えて良いと思う。

 余談かもしれないが、この島は世界最大の蛾=ヨナグニサンが生息している。この蛾は、あの怪獣モスラのモデルになったことは、 ちょっと有名な話で、民宿もすらの名前も、このエピソードから取られている。 私が7月1日の朝にバイクで比川集落の先の道を走っていると測量のあんちゃんが私を呼び寄せて、 行ってみると道路に停まっていたヨナグニサンを見せてくれた。・・・・やはりデカイ。羽は私の両手を広げたくらいの大きさがあり、 羽を広げると幅20cmはゆうに超える。そして胴体は大きなイモムシそのもの。あまり気持ちの良いものではないが、 野生のものを見られたのはラッキー!

投稿者 kom : 13:37