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2007年02月25日

ノセダ=東京交響楽団(川崎定期演奏会)

 23日の金曜日、MUZA川崎シンフォニーホールで行われた東響川崎定期を聴いた。出演と曲目は下記のとおり。 人気のヴァイオリニスト=諏訪内晶子の登場と、ドラマの「のだめ」でも演奏されたブラ1が演奏されるとあってチケットは売り切れになり、 会場はほぼ満員になった。

 

・指揮=ジャナンドレア・ノセダ
・ヴァイオリン=諏訪内 晶子
・シューベルト:付随音楽「キプロスの女王ロザムンデ」序曲
・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47
・ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68

 

 それにしても諏訪内晶子を聴くのは久しぶり。彼女が18歳くらいの時からその演奏を聴き、ステージでの姿に接しているけど、・・・ そんな彼女もすでに30代、それも半ばくらいにさしかかるんだろうとと思う。一昨年だっけ?すでに結婚していたことも報道されていたけど、 ステージでの姿はやっぱり大人の女性だ。私の席からは遠くてよくは見えないけれど、知性的で凛とした雰囲気は相変わらずである。 淡いブルーノドレス姿も美しい。

 シベリウスのVn協奏曲は、ワタシも大好きな曲。以前の彼女ならジュリアード流に、蒸留水のようにあっさりととした音楽作りで、 いささか物足りない演奏になったのかもしれない。しかし金曜日の彼女の演奏は、音量も充分で、澄んだ音色も美しく、 微妙な感情表現も非常にバランスが取れている。そこから感じ取れるのは、北欧的に抑制された情熱だ。ヴァイオリン協奏曲は、 CDで聴くほうが音のバランスが良いと思うことが多いけど、この日の演奏は実演が上回った。満足。

 休憩後、後半はブラームス。これも良かった。ノセダはイタリア人指揮者らしく、旋律を歌わせるのが巧い。 テンポは微妙に速めなのだが、音楽の流れが自然でスムーズ。アンサンブル的にはもう少し向上の余地はあると思うけど、 これも満足度が高い演奏だった。ノセダという指揮者、これまで印象が薄かったけど、かなりの実力者である。

投稿者 kom : 2007年02月25日 23:02