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2005年04月29日

奄美から徳之島へ(第一日目)

 朝、いつもの出勤の時間に合わせていつものようにラジオが鳴り始める。起きてカーテンを開けると快晴の天気。 奄美行きの飛行機の時間を考えると、いつもの出勤時刻に家を出れば間に合うはずだけど、今日は世間的にはウィークデイ。 満員電車の中に大きなボストンバックを持ち込むのは憂鬱だが、羽田空港までガマンだ。でも、それ以上に憂鬱だったのが、 朝からめまいがすること。単なる睡眠不足かと思っていたんだけど、ちょっと違う感覚。平衡感覚がとれない。 軽い脳溢血でも起こしたのかと思って一瞬マジで心配になったが、とりあえず空港まで行くことにした。

 玄関を出ると日差しが強く、初夏を思わせる気候だ。歩いているうちにめまいのことは気にならなくなって、 体調面では単なる杞憂に過ぎなかったが、昨日は急に持って行こうと思っていたLOOX が壊れるし、ちょっと不吉だ。

 

 羽田空港には820 分に到着。搭乗手続きや手荷物を預けていたら、思っていたより時間が切迫していて、90 番のゲートに行ってみるとすでに搭乗が始まっていた。奄美行きの飛行機は、まだボーディングブリッジではなく、 バスで飛行機のタラップまで送迎される。羽田空港の中では、ローカル路線の扱いだ。飛行機は、 羽田空港の中でもひときわ小さいMD-81 。客席は左2 列、右3 列で、通路は中央に一本あるだけだ。

 滑走路の順番待ちで離陸は遅れたけど、空では揺れることも少なく、約1 時間半後には高度を下げ始めて窓から喜界島が見えてきた。いよいよ奄美大島だ。昨年7~8 月に訪れて以来の奄美空港には定刻の1115 分に着陸。飛行機から降りて、ボーディングブリッジを歩いていくと、南国の暑さを感じる。気温は東京とそれほど差はないはずなんだけど、 ジワッと来るまとわりつくような暑さは亜熱帯の空気感だ。

 とりあえず預けていた荷物を受け取ってから、午後の徳之島行きの搭乗手続きをして、再び手荷物を預ける。 午後の飛行機の時間まで約2 時間、その間を空港近くの奄美パークで過ごすことにした。空港からバスに乗って5 分で奄美パークに到着(¥200)

 

 奄美パークでは、まず2 階のレストラン「阿麻弥姑(あまみこ)」で阿麻弥姑御膳(¥1,600) を注文して、久しぶりの鶏飯の味を楽しんだ。そして奄美パークの展示を見てから、田中一村記念美術館(¥200) に入る。この美術館に入るのは3 回目だけど、生命感への憧れにあふれ、日本画の技法を駆使した明快なわかりやすい構図の絵は、やっぱりいい。奄美に来たら、 田中一村記念美術館に、一度は寄るべきだ。

 奄美パークでの時間は過ぎて、1322 分の空港行きのバスに乗る。奄美空港に戻ると、修学旅行と思しき制服姿の学生がたくさんいる。2 階の搭乗口には三線を持ったオジサンと大島紬の歌い手が花を配っている。これから大阪に帰る修学旅行の学生を見送りする趣向らしい。 私にも花をと奨められたけど、これから徳之島に渡る身として辞退した。

 

 さて、奄美から徳之島に渡る飛行機は一段と小さい。スウェーデン製の36 人乗りプロペラ機SAAB340B である。空港の待合室から飛行機までは歩いて行く。 すれ違うことが出来ない狭いタラップを登ると客席は左1 列、右2 列。操縦士が1 名と乗務員が1 名、そして乗客は20 人前後だった。プロペラ機に乗ったのは初めてだけど、乗り心地はジェット機とはちょっと違う。エンジンの振動音の伝わり方は、 自動車のそれに近い。思っていたよりも煩くはなかったし、大気の状態も安定していたためか、徳之島までの行程でもほとんど揺れはなく、 1420 分離陸のSAAB340B は定刻より早い1450 分ごろに徳之島空港に着陸した。

 

 空港を出て、外で待っていた路線バスに乗り込む。「発車は、鹿児島からの便が到着してから」とのことで、しばらく運転手と雑談する。 すぐ目の前の寝姿山のこと、闘牛のこと、町の合併のこと、最近出来たホテルのことなど、いろいろと話を聞いた。 このように南の島の一番の魅力は、島人の人懐こさだ。その運転手さんは、最近出来たホテルを盛んに薦めていたけど、 私は島に来たときはなるべく民宿や小さな旅館に泊まるようにしている。その土地のことを知るには、その土地の人柄に触れるのが一番だ。 それには民宿や旅館が最も適している。この徳之島の宿の情報はインターネット上で調べても、ほとんど情報がなかったけど、今回は亀津にある 「日の出旅館」に泊まることにした。空港から亀津に向かうバスの運転はかなりのスピードで、先行の軽自動車などを次々と追い越していく。 そして亀津の市街地に入り、「そこを右に曲がると日の出旅館だよ」と言われたところでバスを降りた。 午後4 時に近づき、陽も大きく傾いている。運転手の行ったとおり、通りを渡って右に曲がったところに「日の出旅館」の看板を見つけた。

 

 日の出旅館の扉を開けると宿のご主人、おかみさんが出迎えてくれた。部屋は、1階奥の百合の間に案内してくれた。 建物は少々古さを感じさせるが、家庭的な雰囲気で、部屋の手入れも行き届いている。部屋に入ると、急に眠くなってきた。 眠れなかった昨晩のツケがまわってきたようだ。しばらくゆっくりして時計を見たら午後5時半。宿の周りをちょっと散歩したら、 町役場近くの公園でメーデーの集会をやっていた。

宿のもどると夕食の準備が出来ていた。私のほかは一人しか泊まっていないみたい。メニューはとんかつ、カレイのフライ、 カレーライスというボリュームたっぷり。このメニューを見ると、建設関係で働く人がとまることが多いのかと思ってしまったのだが、 実際はいかに。缶ビールを飲みながら、宿のおかみさんと話をしていると、カメラの話、写真の話になった。なんでも宿のおかみさんは、 写真を始めて一年とのことで、島の名所の話が弾んでいるうちに、ちょうど泊まっている人も少ないので明日は車で案内してくれることになった。 やはり泊まるなら、地元の小さな宿に限る。

投稿者 kom : 2005年04月29日 23:29

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