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2006年02月07日
トゥルトリエ&東京都交響楽団
今日はサントリーホールで行われたトゥルトリエ&都響の定期演奏会に行ってきた。リストのプレリュードとバルトークのVa協奏曲 (独奏:ブルーノ・パスキエ)、オーケストラのための協奏曲というプログラム。客席はちょっと空席が目立って、7割弱といった感じ。
演奏順とは関係なく書くけど、良かったのはオケコン。ワタシ的に苦手なバルトークの中では、 比較的聞きやすい曲ということもあるんだけど、聞き終えて満足。ダイナミックレンジの広さ、寒色系の音、切れ味の良い弦楽器、 金管ではトランペットとホルンが健闘して、なかなか良い演奏だった。終演後のカーテンコールもおおいに盛り上がった。 トゥルトリエを聞くのは3年ぶりだけど、色彩感豊かなプログラムを演奏させたら、面白い指揮者である。ぜひ、 定期的に都響の指揮台に立ってほしいものだ。
反面、前半のプレリュードは、ちょっと退屈な演奏。ヴィオラ協奏曲の独奏は、音色はきれいなんだけど、 音程などにちょっと難がありそう。決して悪い演奏じゃないんだけど、欝っぽくて個人的に好きな曲じゃやないんだよね~。
2006年02月06日
ヘッドフォンを買いました。
オーディオ業界は不況が叫ばれて久しい中、活況を呈しているのはiPodなどのシリコン・オーディオの世界。 とは言ってもAppleの一人勝ちみたいな感じだが、私もそのiPodのユーザーである。 その影響でにぎわっているのはヘッドフォンの市場らしい。なるほど、 検索エンジンで調べてみてもヘッドフォンに関する個人サイトがたくさんある。 こんなサイトのオーナーは何個のヘッドフォンを持っているんだよっ・・・と突っ込みたくなる気もするが、 私も何回コンサートに行っているんだよと言われていたのかもしれない(^_^;)。
さて、近所の量販店で、生産中止になったヘッドフォンを安く売っていたので、ついつい買ってしまった。 ゼンハイザーのHD575という機種で、定価は3万円、実売2万円くらいだったヤツ。 ヘッドフォンとしては中級機という位置づけだろうと思うけど、生産中止の型落ち品ということで買った値段は1万円ちょっと。まぁ、 オーディオの世界はそんなに進歩の激しいワケではないので、型落ち品でも問題はなかろう。箱にはRecommended for CLASSICAL & JAZZと書かれている。
ご存知の人もいると思うけど、ゼンハイザーのヘッドフォンは、見た目がチープだ。このHD575もプラスチックが安っぽく、 知らない人が見たら1,980円の安物ヘッドフォンに見てしまうかもしれない。しかし、軽量で装着感もよく、 長時間の使用でも圧迫感が少ない。早速、iPodに接続して聞いてみた。 さすがにこれまで使っていたAKGの2000円くらいのヘッドフォントは格が違う。ゼンハイザーらしく繊細な音で、 国産ヘッドフォンとは違って音に立体感がある。なかなか前方定位とまでは行かないけど、左右の広がりも十分に感じられる。 確かにポップスよりもクラシックのほうが良い。室内楽でもオケでも、なかなかイイ。
それにしても、iPodはなかなか音質が良い。もちろん、CDからリッピングする際に情報量は大幅に間引きされているんだろうけど、 256kbpsでリッピングすればクラシックでもほとんど問題なく聞ける。ポータブル・オーディオでもこれだけの水準であれば、 ヘッドフォンが流行るのはわかる気がするなぁ。最高級オーディオを揃えると数百万円かかるけど、 最高級ヘッドフォンなら数万~十万円程度で互角の音質なのだから。
2006年02月05日
山形への旅・・・雪を眺めて温泉はサイコー!
さらに先月の話題を続ける(^_^;)。
私事ながら12月からめちゃくちゃに立て込んでいた一件があり、それが一段落したのが1月末。その休養もかねて、 1月28~31日まで山形に行ってきた。実は山形に行くのは初めてで、これで東北は全県「制覇」したことになる。
行きは、JALで山形空港に降り立ち、そこからバスで天童に向かって将棋の駒作りなどを見学してから山寺の「山寺ペンション」 という宿に泊まった。2日目は、山寺=立石寺に上ろうと思ったんだけど、階段が凍結していたため危険と判断して断念。 山形経由で蔵王温泉に向かい、「つるやホテル」に泊まった。この日にロープウェーで上った蔵王の樹氷の美しかったこと! 真っ青な深い色の青空に、真っ白な樹氷が映えて、この世にこんなに美しいものがあるとは思わなかった。3日目は南下して米沢に向かい、 そこからバスで30分ほどの小野川温泉「ホテル山川」に泊まった。雪深い山すそにあって、温泉以外は何もないところ。中規模なホテルなのに、 泊まっているのは私だけ(^_^;)。そんな温泉でゆったりまったりと過ごして、4日目に帰ってきました。
今回の旅で良かったのは、何と言っても「蔵王」だ。樹氷の美しさはもとより、かけ流しの強酸性の温泉も素晴らしい。 つるやホテルの人はとても親切で、夕食は部屋食。良かった~。小野川温泉も湯量は豊富みたいで、 シャワーの蛇口をひねると硫黄臭の温泉が出てくる。これで頭を洗うと、かなり温泉くさくなるのが玉にキズ(^_^;)。泉質は良いんだけど、 部屋に運ばれてきた食事が冷めているものが多く、ちょっとがっかり。山寺ペンションは、ちょっと建物が古くなってきているような感じだ。 ドアは閉まらないし、トイレの水もタイミングが悪いと止まらない。食事は美味しかったけどね。
いずれにしても、山形の旅には癒されました。雪を眺めながらの温泉はサイコーです。
ゲルギエフの「指輪」
先月のコンサート&オペラの中で、一番の注目モノだったのはゲルギエフ&マリンスキー歌劇場の来日公演で、「ニーベルングの指輪」 だったろうと思う。ずいぶんと間の開いた更新になってしまったが、ちょっと一言残しておきたいと思う。私が行ったのは全部、第一チクルスで、 初日「ラインの黄金」がF席、残る3演目がE席だった。この4日間、すべてを見られたわけではなく、残念ながら「ワルキューレ」の第一幕、 「神々の黄昏」第一幕は、もろもろの都合で見逃している。
で、見た感想はどうだったかというと、・・・・何が言いたいのか、よく解らない公演だったということだ。 舞台写真を見た人ならわかると思うけど、ナウシカにお出てくる4つの「巨神兵」みたいな像が舞台装置の中心で、それ以外の動きは乏しい。 外貨獲得のための海外引越し公演を前提とした舞台装置という気もしてくるほどシンプルで、神々の世界も、ニーベルングの世界も、 基本的には同一の舞台装置である。照明などで工夫の跡は見られるものの、東京文化会館程度の一面だけの舞台でも十分なのだ。
もちろん、シンプルな舞台装置でも良い演出はたくさんある訳で、それだけで評価をきめるのは早計だ。しかし、この舞台装置、衣装、 演出から伝わってくる「哲学」みたいなものは、「神々の黄昏」を見終わっても、まったく伝わってこなかった。「は? 何が言いたいの?」 という感じ。この公演のチラシなどに書かれていたキャッチコピーは「衝撃のリング」というものだったと思うが、正直言って「衝撃」 など何もなく、ただの拍子抜けだったのである。もちろん、私の読みの浅さなどもあるだろうし、 見る人が見れば違う感想もあるのかもしれないが、ワーグナーのオペラを見終わった後に特有の「カーテンコールの熱烈さ」も、 あまり見られなかったところから察すると、私と同じような感想を抱いた人も多かったのではないだろうか。
あと、ゲルギエフの指揮も、「拍子抜け」の原因のひとつである。オケはそれほど下手なオケではないし、 まずまずの演奏だったと思うが、何よりも不満だったのはワーグナー特有のうねりが感じられなかったこと。 もっとねちっこく演奏してほしいと思うところでも、意外なほどあっさりと演奏してしまうのである。 歌手ではミーメを歌った人が素晴らしかった記憶があるほかは、飛びぬけた存在はいない。でも、 日替わりで登場する歌手たちはそれぞれ一定の水準をキープしており、ロシア圏だけでこれだけの層の厚さを誇れるのはうらやましいと思う。
そんなわけで、特別の感慨もなく「リング」を見終わってしまったわけだけど、それにしても「リング」の上演が「日常」 の一部になってしまったなぁ・・・というのが一番の感慨かもしれない。十数年前だったら、リングのチクルス上演と聞いたら、 それはひとつの事件だったのに。これは喜ぶべきことなのか、それとも・・・(^_^;)。