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2005年03月13日
「のだめカンタービレ」を読む その3
最近はバレンタインの義理チョコの風習も廃れてきたのだが、一部では未だに生き残っている。そんなワケで、何の因果か、 職場代表で義理チョコのお返しを買う担当になってしまった私は、近くのデパートに行ったのである。そこでは、 いろいろな有名店が並んでいて目移りする。クッキーやチョコレート、さらには和菓子屋さんもホワイトデーに便乗しているのだ。 義理返しなんだからテキトーに買ってしまえばいいんだけど、いざ店頭に行くとひとひねりしようと考えてしまう私はデパートで買うのをやめて、 ワインショップで買うことにした。しかし、買ってから後悔した。これは、・・・重いっ。
さて、「のだめカンタービレ」の話である。あれにはSオケとか、R☆Sオケ(ライジング・スター・オーケストラ)などが登場する。 いずれも主人公(?)の千秋真一が常任を務めるオケだ。いずれも音楽大学の学生によって組織されたオケで、 特に後者はオーデションで選抜された音楽祭のマスタークラスの参加者が中心となっているオケである。そのR☆Sオケは、 千秋の厳格なトレーニングによって、音楽評論家やベルリンSQのメンバーを唸らせる演奏をしたことになっている。 なかなか痛快なストーリーだが、しかし、現実にこーゆーことは起こりえるのだろうか?
私はアマオケの演奏を聞くことはマレだけど、それでも何回かは聴いたことがあるし、 音大の学生によって組織されたオケを聞いたことも数回ある。アマオケの場合、 年に1~2回の演奏のために半年くらいの練習時間をとって本番に備える。さすがに半年近い練習を重ねれば、実力のあるアマオケだったら、 かなり良い演奏を聴かせてくれるし、音楽大学の学生だったらそれ以上かもしれない。でも、 やっぱり3日間の練習で本番に挑むプロオケとは比較するのは可哀相だ。
実際、2001年4月に「小澤征爾音楽塾」という名称で組織されたオケの演奏で、「コシ・ファン・トゥッテ」を聴いたことがある。 オーデションで選抜された若手演奏家で組織され、文字通り小澤征爾の指揮で演奏されたオペラだけど、やはりプロオケとの差は歴然としていて、 特に弦楽器の音はガサガサだった。アンサンブルを整えることにかけては定評のある小澤征爾の指揮でもこれである。当時のConcert Diaryにも書いたが、この演奏を聴いて「アンサンブルは一日にして成らず」ということを実感した。
現実には、国際コンクールで上位に入賞しても、ステージできちんとした演奏を聞かせてくれるソリストは少ない。 例外はヴァイオリンくらいで、これは神童と呼ばれるヴァイオリニストが数年に一度は登場して、 びっくりするような演奏を聞かせてくれることがあるけど、それ以外の楽器では難しい。コンクールの優勝記念演奏会なんかに行っても、 やっぱりプロの演奏家としてやっとスタートラインに着いた程度の実力に過ぎないのだ。クラシック音楽の世界は、ホントに奥が深いのである。
でも、実際にR☆Sオケみたいなのがあると良いのになぁ。清良タンの「カルメン幻想曲」を聴いてみたい(^_^;)。
投稿者 kom : 2005年03月13日 23:49