サントリーホール (赤坂)


 東京での最初に誕生したコンサート専用ホール。ワインヤード形式(アリーナ型)の座席配置に、正面にはパイプオルガン(レーガー社・74ストップ・パイプ数5928)を配した構造は、ベルリンのフィルハーモニーホールを手本にしたもの。ステージを取り囲むように配置された座席は、どの位置に座ってもステージをさえぎるものがなく、視覚的に優れているホールである。木をふんだんに使った豪華な装飾や重厚な椅子、素敵なレセプショニストのもてなし、東京で最初に出来たコンサート専用ホールであるにもかかわらず、最も観客動員力があるホールと言えるだろう。

 音響は、長めの豊かな残響音は柔らかくて非常に美しいけど、音の密度が薄くなり芯が乏しくなる傾向がある。そのため絃楽器は美しく聴かせてくれるが、半面、ピアノや声楽には残響音が長すぎる傾向がある。やはりオーケストラや弦楽合奏に向いたホールといえるだろう。お勧めの座席はホール正面の2階席で、Cブロック、もしくはLC、LD、RC、RDブロックが良い。LB・RBも悪くはないけれど、ステージに近すぎて直接音が強すぎる。そのため必要以上にオケの音程のバラつきやざらつきが気になってしまう。さらにステージ裏手のPブロックやステージ横のLA・RAブロックは、間接音しか聴こえてこないので注意!特に声楽のように指向性が強い「楽器」はほとんど聞き取れないし、その他の楽器でも周波数の高い音ののびがが感じられなくなる。ただし、アマオケ経験者などステージ上で音楽を聴くことになれている人や、ステージの動きが一望できるため視覚を重視する人には好評の座席のようである。

 サントリーホールメンバーズという会員制度(年間3,000円)があり、ホール主催公演の優先発売や、ホール内売店の割引が受けられる。ホールまでの交通は、97年に「溜池山王駅」が開業して、かなり身近になった。 定期演奏会は都響(Bシリーズ)、東響、読響、日フィル、新星日響が使用している。さらに98年度よりN響定期のBチクルスがサントリーホールで定期演奏会を開始した。

 座席表はここをクリック