紀尾井ホール(紀尾井町)


 ニッポン放送での「新日鉄コンサート」や「新日鉄音楽賞」などでクラシックに対して熱心なメセナ活動を続けてきた新日鉄が創った文化施設が「紀尾井ホール」。レジデント・オーケストラとして「紀尾井シンフォニエッタ東京」を誕生させたが、ソリスト級の首席メンバーと若手実力派奏者を組み合わせ、一回の定期演奏会に対してホール貸切で練習に5日!を確保するなど、ホールとオーケストラの本来あるべき関係を築き上げている。その他でも積極的な主催公演を行っている。ホールの内装は、木の落ち着いた雰囲気と豪華なシャンデリアが高級な雰囲気を醸し出している。

 この規模のホールで音が悪いものは少ないが、紀尾井ホールの場合はその水準は超えて、オープンしたばかりとは思えない完成度を確保。やや長めの残響はピアノなどには不向きだと思わせるが、音に芯(密度)があるので充分に鑑賞に堪えられるだろう。弦楽器には最適なホールのひとつ。座席は1階の後半か2階正面あたりがお勧め。2階バルコニー(特に2列目)は、ステージの3〜5割程度が見えなくなるので視覚的にはお勧めできない。

 4月はじめは四ッ谷駅からホールに向かう土手の桜が実に美しい。この時期には、四ッ谷駅の利用がオススメ。