カザルスホール(御茶ノ水)

 主婦の友社が中心となって創った本格的な室内楽ホール名前は、あの有名なチェリスト、パブロ・カザルスの名である。東京で初めての室内楽専用ホールで、開設当初は「ゼフィルスSQ」「ハレーSQ」の2つのレジデント・カルテットの定期演奏会を開催し、新日本フィルのハイドン交響曲全曲演奏会、チェロの連続演奏会、新進演奏家の年間を通した連続演奏会、海外のまだ無名に近いカルテットや演奏家を招聘するなど、実に積極的な自主公演企画を続けている。このホールの企画は、東京の室内楽ファンの最大の注目の的だろうと思う。さらに97年秋にはバロック以前の音楽を主目的にしたオルガンを設置し、和田純子を専属オルガニストに据えた。

 ホール内部は白を基調にした明るめの雰囲気。1階席は前後の高低差が少ないので、前の人の頭が邪魔になるけど、ステージがとても身近に感じられる。椅子は、他のホールに比べて前後が広いのは良い。残念ながらロビーが狭いのが問題で、休憩時間に煙草のにおいが立ちこめるのはどうにかして欲しい。音響は、暖かく、長めの残響なので弦楽器は美しいが、ピアノにはやや不向き。一階席後部では、最高に艶やかでしっとりとした弦楽器の音を楽しめる。バルコニー席は自主公演での料金は高いが、視覚的に問題がある上に音響的にもメリットがあるわけではないのであまりお勧めはしない。

 年会費3,000円の「カザルスホールフレンズ」という会員制度があり、ホール主催公演の優先発売、チケットの割引などが受けられる。

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