Concert Diary in January

■文中の敬称は省略しています
■各タイトルの日付は、掲載日を表しています


来間島で迎えるお正月

 12月28日11時、黒島から石垣離島桟橋に着いた私は、すぐにタクシーに乗って石垣空港に向かった。10分ほどでに空港に到着し、すぐに予約済みだった宮古空港行きのチケットを決済して購入。わずかな距離なのに年末のため一切の割引がないので、料金は10,300円!まぁ、仕方がない。12:05に定刻どおりに離陸したJTA074便は、12:35に宮古空港に着陸。預けていた手荷物を受け取ってゲートを出ると、ペンションたきなかの仲松さんが迎えに来てくれていた。この宿は、来間島で唯一の宿泊施設なのだが、この6月末にも一泊したばかりの宿である。私はこの正月をこの宿で迎えることにした。全11泊の行程中、4泊をこの宿で過ごすことになる。

 その来間島で過ごした5日間、私は何をしたのかというと、・・・・来間大橋を眼下に望む遊歩道(写真上は来間港と来間大橋)を散歩して、美しい来間島の海岸(写真中は来間島のムスヌン浜)を歩いたり、自転車でドイツ文化村に行ったり、宮古島東急ホテル前の前浜ビーチを歩いたり、三線を弾いたり唄ったり、・・・まぁ、何というか、あらかじめ予定を立てて行動するということは一切なく、その日にしたいと思ったことをする、そんな日々を送っていたのだ。1月1日の朝には初日の出の名所・東平安名崎(ひがしへんなざき)に車で連れて行ってもらったんだけど、残念ながら厚い雲に覆われていて日の出を垣間見ることすら出来なかった。残念だったのは、この5日間で晴れ間が広がったのはわずか一日だけだったことだろうか。これも、この季節に南の島を旅する以上、やむをえないことなのだが。

 さて、この宮古島(来間島)には昨年9月10日に風速70mを超える巨大な台風が襲ったことを記憶している方もいらっしゃるかもしれない。その傷跡は随所に残っていて、海岸線に近い木々は根こそぎ折れていたり、枝がすべて吹き飛んでズタズタ(写真下は前浜ビーチ)。東平安名崎にほど近い風力発電所の羽根は吹き飛んで、支柱ごと折れていたりと、その被害の甚大さを感じさせた。もちろん島の生活は、台風以前と変わらないほど復旧しているし、観光する限りにおいて不便は全く感じることはない。枝が折れた木も、生命力たくましく若い枝を伸ばし、青い葉を芽吹いているものも多い。宮古島(来間島)は、あの台風から確実に立ち直りつつああることを感じさせた。

 そして、今、私は宮古空港から羽田空港に向かう機中の人である。この12日間の旅は私にとって最長の旅だったんだけど、過ぎてみればあっという間だった。どの民宿も、家族の暖かく迎えてくれたし、泡盛を傾けながら同宿した人や宿の人との「ゆんたく(おしゃべり)」は本当に楽しかった。いま、八重山や宮古は、私にとって故郷に近い存在になりつつある。今年は残念ながら、南の島を訪れる回数は減るかもしれないけれど、いつまでも変わらぬ島の姿を留めて欲しい、そう願わずにはいられない。

 申し遅れましたが、みなさん、あけましておめでとうございます。このホームページの本分は、あくまでもライヴ系のクラシック音楽です(^_^;)。まぁ、時々は旅のことも書きますが、今年もよしなにお付き合いください。ことしも素敵な音楽にたくさん出会えますように!(03/01/01)



MUZA Kawasaki 一部オープン

 このサイトでも再三再四レポートしているMUZA Kawasakiが、今年7月のコンサートホールの開館に先立ち、1〜2階のショッピングゾーンが昨年12月19日にオープンした。リンク先をたどって行けばどんなショップが入っているかわかると思うけど、実際に行ってみた感想としては、うーん(^_^;)、いわゆるクラシック音楽のホールを取り巻くショッピングゾーンとしては庶民的と言うべきか、はっきり言ってチープかなぁ・・・。

 サントリーホールや横浜みなとみらいのように、イタリア料理やフランス料理、中華の高級なレストランが選べるような環境ではなく、ファーストフード系の店がメインだ。個人的には380円で長崎ちゃんぽんが食べられるリンガーハットは大好きだし、コンサート前にはエクセルシオールカフェかスターバックスでゆっくり出来る。コンサートが終わってから40番街の飲み屋で一杯というのも良いかもしれない。ワタシ的には、別にクラシック音楽はステイタスが高い音楽だとは思っていないし、普段着でコンサートに行っているので、おしゃれな雰囲気はそれほど求めるわけではないのだが、その一方でクラシック音楽に付随してゴージャスなムードを求めている人にとってMUZA Kawasakiは物足りない存在になるだろうと思う。

 でも、いい雰囲気を味わいたければ、MUZAから直結した通路を渡って駅の反対側にあるチッタデッラ川崎に行けば、おしゃれな店があるし、街角全体がイタリア風の雰囲気。夜ならさらにムード抜群なところなので、オススメかも。それにMUZAの中に入っている牛タンの「杉作」はその筋では有名な店で、牛タンが美味いのはもちろん、透明に澄み切った牛尾(テール)スープも絶品。ここから先はMUZAの外になるけど、近くにはペルー料理の店が2軒あって、ワタシ的には「インティ・ライミ」が超オススメ。スペイン語が飛び交う店だけど、きちんと日本語で対応してくれるし、料理も日本人が食べても美味しいハズ。あと中華料理の「桂林」もいい。鶏煮込みそばは「どっちの料理ショー」でも紹介された一品だ。「MUZA Kawasaki周辺グルメマップ」でも作るか(^_^;)。

 さて、私は現在、旅の写真を集めたホームページを作成中。新たに契約したサーバーには300MBのホームページのスペースがあるんだけど、・・・・こんなにたくさんの容量、どう使ったらいいんや?(04/01/14)


「神々の黄昏」会員優先発売

 昨日は新国立劇場「神々の黄昏」の会員優先発売日。久しぶりに近所の「ぴあ」に朝9時前から並んだんだけど、初日、2日目(土曜日)、楽日(日曜日)と、3公演のチケットをゲット。初日はたまには良い席で見ようと思ってB席を申し込んだのだが、それ以前の郵送申し込みの段階で売り切れになったらしく、私はC席になってしまった。・・・もしかしたら一般発売日に再チャレンジするかもしれない。やっぱ演出が面白い演目は、視覚的な条件が良い席で見たいと思うのが心情ナノダ。

 さて、この1ヶ月ほど、ぜんぜんコンサートに行っていなかったのだが、来週は一気に4回ものコンサートがっ!全部いけるかどうかわからないのだが、アムランが登場する東フィル定期は特に注目している。(04/01/18)



「聴き初め」〜小泉和裕&都響〜

 今年初めてのコンサートは、年が明けてから随分と時間が経ってしまったが、昨日20日にサントリーホールで開催された小泉和裕指揮の都響定期である。プログラムは、小泉が得意とする後期ロマン派のオール・R・シュトラウスだ。会場はPブロックには空席が目立ったものの、その他はそこそこ入っていて、全体では7割強といった感じ。

 さて、前半の交響的断章「ダナエの愛」は、日本初演だったらしいが、ワタシ的には疲労で爆睡。ヴァイオリン協奏曲も、聴き手として集中力を欠いていたんだが、うーん、やっぱ曲自体の魅力はいまひとつかなぁ。それでもソリストの渡辺玲子はいつもながらの美しい音色と安定した技巧で、満場の拍手とブラボーを集めていた。彼女の演奏は、ソロやコンチェルトなど、これまで何回も聴いたけれど、彼女ほど安定して実力を発揮できるヴァイオリニストは少ないのではないか。

 後半は交響詩「ツァラトゥストラはこう言った」。小泉のタクトは、オケの自発性を尊重したもので、アンサンブルの精緻さよりも、スケールの大きい音楽を目指した感じ。冒頭のホールを鳴動させるオルガンから続くファンファーレのスケールも大きかったけれど、それ以降の微妙なR・シュトラウス独特のニュアンスも上手に表現できていたし、細かいニュアンスもそこそこ楽しめる演奏だったと思う。ただ、R・シュトラウスのホントにいい演奏を聴くと、何とも言えぬ美しい音色や細かいニュアンスで、それを聴くと鳥肌が立つくらい感動する。これは私が音楽を聴くときに「音色」を人並み以上に重視するからなのかも知れないが、いつか都響からそういう音を聴いてみたいものだ。

 さて、この日はホール入り口で、都響の組合関係がチラシを配布していた。先日の朝日新聞でも報道された「全楽員をいったん解雇→2年の有期契約制」にしようという動きに反対するチラシだが、石原知事になってからアジアに対するファシズムを想起させる排外主義的な発言などが発言が目立っているが、この都響を潰すための動きも実に酷いものである。音楽家だって、一人ひとり生活を背負って生きているのだ。これまでの労働条件を有無を言わせずに一方的に切り下げるようなやり方は、絶対に許されるべきではない。(04/01/21)



ワタシ的多忙な日々

 うーん、久しぶりの更新になってしまったなぁ。この間、徹夜だったり、夜10時過ぎまで残業だったりと、突発的にいろいろなことが重なってしまって、ホームページどころではなかったのだ。とは言っても、先週は東フィル定期2回に新日本フィル、今週は読響定期に行ったので、世間一般で言う忙しさとはちょっと違うのかもしれないけれど、仕事上の「量」的な忙しさというよりも「質」的なストレスが、目下のワタシ的頭痛の種である。たぶん5月くらいまでこんな日々が続く悪寒・・・いや、予感なのだ。

 さて、先週の土日は、日常的に使っているモバイル・パソコンのハードディスクを交換して、従来の30GBから60GBに倍増。4500rpmから5400rpmに速度も上がって、なかなか快適なのだが、それ以上に効果的だったのはWindowsXPをwindows2000にバージョンダウン、つまり古いWindowsに入れ替えたことなのである。私のモバイルコンピュータは、クルーソーというCPUを使っていて、遅いけれども省電力でバッテリが長持ちというタイプのヤツなのだが、従来のWindowsXPでは遅くてソフトの起動にイライラしていたのだが、Windows2000に換えてから満足とまでいかないまでも、かなり快適になった。そもそもOSの機能はWindows2000でいったん完成しているので、それ以上のバージョンは必要ないと思っている。それにしても、ハードディスクの交換そのものは10分で終わってしまうのだが、OSやソフトのインストール、環境の設定で1日半かかってしまった。まぁ、毎日お付き合いするコンピュータだから、このくらいの手間は仕方がないか。

 そして、皆さんのところ、ウィルス付メールは届いていますか?私のコンピュータはアンチ・ウィルスソフトが入っているし、定義ファイルのアップデートも頻繁に行っているのでまず感染することはないのだが、私のところには27日以降で200通以上のウィルス付メールが届いている。さらに私のメールアドレスを詐称してウィルスをばら撒いているヤツもいるみたいで(^_^;)、宛所不明でメールが戻ってきている。くれぐれも申し上げておきますが、私のコンピュータはウィルスには感染しておりません!メールのヘッダを見ると、たぶんケーブルテレビに加入している方のコンピュータが感染していると思われるのだが、お心当たりの方は確認してみてください。

 さて、この間のコンサートの感想を簡単に。まずオッコ・カム&東フィルの定期は、何と言ってもアムランの登場が注目。21日のオーチャード定期はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番だったんだけど、これは叙情性やロマンティシズムがほとんど削げ落ちてしまった演奏になってしまった。たしかに音色はきれいだし、テクニック的には完璧なんだが、音楽的に楽しめたかというと難しいところ。後半は客筋の悪さが原因で帰ってしまったので、演奏のほうは不明。続く23日はメトネルのピアノ協奏曲第2番。これはワタシ的にはじめて聴く曲だったのだが、これはいかにもアムランにぴったりの曲という感じ。もっと現代的な曲なのかな・・・という先入観があったんだけど、実際はロマンティックで美しい楽想が頻繁に登場する。アンコールのドビュッシーもすばらしい演奏で、この日は大満足。そして後半のシベリウスの交響曲第2番もすばらしい熱演で、これだったらオーチャード定期も帰らなければよかったなぁ・・・と、ちょっと後悔した。

 そして22日はアルミンク&新日本フィルのトリフォニー定期だ。ルジツカのハイドンの主題によるメタモルフォーゼンはワケのわからない曲だったのでパス。つづくモーツァルトのピアノ協奏曲第26番は、コルネリア・ヘルマンという若手の女性ソリストが登場。とても誠実そうな演奏だったが、音色の魅力が今ひとつで全体的に平板な印象になってしまったのがザンネン。そしてメインのツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」は久しぶりに聴いた曲だなぁ。なんとなくバラバラな楽想をまとめるのが難しそうな印象だったけど、爛熟した後期ロマン派の雰囲気も味わえてよかった。

 そして昨日(30日)は、サントリーホールでマンフレッド・ホーネック&読響の定期演奏会で、マーラーの交響曲第3番。これはすばらしい演奏だった。ホーネックはピアニッシモ方向へのダイナミックレンジを極めて広くとって、ライヴならでは壮大な演奏を聞かせてくれた。細かいキズは散見されたし、一部の金管の音色に不満はあるのだが、全体から見れば些細な問題に過ぎない。アンサンブルをまとめる力量もなかなかのもの。100分という演奏時間、飽きることなく聞かせてくれた。ホーネックという名前は、今後注目すべし。(04/01/31)