Concert Diary in April-May

■文中の敬称は省略しています
■各タイトルの日付は、掲載日を表しています



チョン・ミョンフン=東フィル


 もう4月。桜の花も散ってしまったけど、うちの周りでは八重桜のつぼみがほころび始めている。暖かくなってきて、窓を開けていると気持ちいい。

 さて、昨日=4月11日の金曜日は東フィルのオーチャード定期。チョン・ミョンフンの登場とあって会場は概ね満員と大盛況。曲目はR・シュトラウスの「ティル〜」とブルッフのヴァイオリン協奏曲、メインはストラヴィンスキーの「春の祭典」というプログラムだ。

 「ティル」にしても「ハルサイ」にしてもステージ上はスゴイ数のオケ。もともと大編成の曲なんで100人以上はアタリマエなんだけど、これって全部自前の団員なのかなぁ。でも、どちらの曲も編成の大きさの割には音が響いてこない。「ティル」なんかは軽妙さも大事な曲の要素だと思うんだけど、編成の大きさのためなかちょっと重め。ハルサイはリズムの切れ込み、鋭さももうちょっとで、フォルテも意外と音圧が低め。このホールの3階席は、ステージ上の音がビンビンに響く席だと思うんだけど、このダイナミックレンジじゃ、これまで聴いたハルサイと比較して平均点レベル。もチョン・ミョンフンという指揮者に対する期待値からあ考えると、かなり不満な演奏だったというのが正直なところだ。

 さて、お目当てのひとりヒラリー・ハーンは風邪?のためにキャンセルになってしまったのが残念だったけど、かわりにマゼール=バイエルン放送響のソリストとして来日中だったジュリアン・ラクリンが代役として登場。ちょっと面白めなアプローチで、優柔な音色と、ちょっと抑え気味でしなやかな歌い回しが個性的。ブルッフのロマンチックな第2楽章は大好きなところだけど、そこは十分に堪能できました。(03/04/12)



満7歳〜人間なら小学2年生です〜


 1996年5月3日に開設したこのホームページも、満7歳を迎えた。昨日からもう8年目に突入したわけだ。GW前に酔った勢いで作った急造ホームページが、クラシック系では屈指の「老舗」ホームページになってしまったようなのだが、本人はそのような自覚はほとんどない(^_^;)。気が向いた時に更新するというスタイルは、今後とも継続する予定です。

 さて、4月はホームページに掲載したコンサートの他に、4月15日のフルネ=都響定期、4月19&29日の新国立劇場「ラ・ボエーム」、4月28日のアルブレヒト=読響定期に行った。最近、人気が急上昇しているフルネ、しかし、この15年くらいフルネを聞き続けているリスナーとして嬉しさを覚える反面、なぜ音楽的にもっと良かった時期に注目を集めなかったのか、ちょっと不思議な気もする。メインはフランクの交響曲で、オケは熱演だったけど、彼の指揮するフランクとしては決して突出した水準ではないように思えた。

 新国立劇場の「ラ・ボエーム」は、チェドリンスがちょっとミミっぽくなかったのが残念。歌的には傑出した存在の彼女だが、ミミはもっと初々しくないとなぁ・・・。ロドルフォは配役の変更があって、私が見に行った両日ともボルティーヤになったんだけど、これは可もなく不可もない出来。その他の役は19日のAキャストの方が総じて高水準。特にムゼッタの中嶋彰子は好演だった。指揮者のピロッリは、いつもながら手堅く高水準なタクトさばきで、東フィルを牽引。粟国淳の初演出は、手堅くまとめたようにも見えるが、チェドリンスが元気すぎてストーリーに感情移入できなかったのがちょっと残念だった。

 アルブレヒト=読響は、ブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」をメインにしたプログラム。楽想全体の統一感は今ひとつのように感じたけど、演奏総体としては熱演で、大きなスケール感を感じさせるもの。しかし確信的なフライング・ブラボー男が余韻を台無しにしたのは、今でも記憶に新しい(^_^;)。

 さて、今月は、今のところ7回のコンサートに行く予定だ。久しぶりにコンサート・スケジュールも書き換えておいたので(^_^;)、ご覧ください。今後とも、Tokyo Classicをよろしく!(03/05/05)



>
先週のコンサートは4回でした。

 さて、先週は日曜日から4回のコンサートに行った。最初は11日(日)のペンデレツキ=N響によるオーチャード定期。曲目は、ハイドンのsy.49「受難」、自作の「弦楽のための小交響曲」、そして「新世界より」だ。前半はよく聞いていなかったので分からないのだが、「新世界」は予想に反した演奏だった。これは明らかに偏見だと言うことはわかっているんだけど、ペンデレツキ=現代音楽作曲家=指揮者としてはへんてこりんな解釈をするに違いないという思いこみが、なぜか私にはある(^_^;)。しかしこうやって聞いてみると、普通の指揮者よりもむしろオーソドックスな解釈で、むしろ「新鮮」。そりゃそうだよね。作曲家は作曲という作業によって自己表現しているわけだから、演奏の段階では作曲者の意図に忠実に演奏しようと試みるものなのかもしれない。恰幅があってダイナミックレンジも深く、とても良い演奏。N響も、やはり巧いオケである。

 14日(水)は、サントリーホールで行われた飯守泰次郎=NJP定期で、お得意のワーグナー・プログラム。どの演奏も神経が行き届いた好演だったけど、ワタシ的にはNJPの柔らかい音色にちょっと違和感を感じた。もう少し骨格の太い演奏じゃないと、ワーグナーっぽくないような・・・。それでも、綺麗な演奏だったことは間違いなく、これは好みの問題だと思っていい。ただ、前半の「タンホイザー」序曲や「トリスタンとイゾルデ」はともかく、後半メインにすえられた「パルジファル」抜粋のプログラミングはワタシ的には拒絶反応。演出や歌手付きの上演ならともかく、管弦楽だけの演奏でパルジファルを聴かせるには、ちょっと無理があるのではないかと思った。

 15日(木)もサントリーホールで、トゥルトリエ=都響の定期。最初のプーランクからニュアンスに富んだ演奏だったけど、前半の白眉は何と言ってもトマジのトランペット協奏曲。今年30歳の若き首席奏者=高橋敦がソリストになったんだけど、これが凄く巧い。日本人は金管に向いていないなんて言うのはウソなんじゃないかと思うほど。乾いた音色で、音量のコントロールもキレも申し分なし。オケのサポートも、わが首席奏者を支えようという意識が強く伝わってくる好演で大満足。メインの「惑星」もダイナミックで、音色豊かな演奏。静寂の余韻を十分に味わってからの拍手も、この日の客筋の良さを物語っている。プログラムによると、いまやトゥルトリエという指揮者は、世界的に見ても注目度が高い指揮者になってしまったらしい。ぜひとも都響の常連指揮者になって欲しいのだが。

 16日(金)は、尾高忠明=紀尾井シンフォニエッタ東京の定期。演奏順が大きく入れ替わって、前半がシューマンの交響曲第2番になったのだが、不覚にも爆睡。後半のイベール:モーツァルトへのオマージュとフォーレのパヴァーヌの後で、この日のメインの登場である。アリシエ・デ・ラローチャによる日本での最後の「協奏曲」演奏となるモーツァルトのピアノ協奏曲第23番だ。実は私はラローチャを聴くのは初めてだったのだが、とっても小柄な人ですね。その指先から奏でられるピアノの音量も、ラローチャの体格と比例してかなり控えめである。音色は、まぁ、綺麗な方だろうと思うけど、キラキラしたような光沢感は乏しく、柔らかい木目の細かい木綿のような感触だ。テクニック的にもやや衰えを感じさせるところがあって、正直言って演奏としてはそれほど楽しめる内容ではなかったのだが、カーテンコール時の暖かい拍手は、長年の演奏活動へのねぎらいであろう。そうそう、忘れてはならないことがある。特筆すべきは協奏曲の時のKSTの見事なサポートだ。絹のような美しい音色の弦楽器、モーツァルトはこうでなくっちゃ!(03/05/19)




ケータイのお話

 今週はトゥルトリエ=都響の文化会館定期が予定に入っていたんだけど、有事法制関連の問題があってお流れ。ぜひ聴きたかった演奏会のひとつだったんだが残念。

 さて、そんな関係で今週は音楽関連のお話はなし(^_^;)で、最近買ったケータイのお話をひとつ。

 これまで私はずーっとDDIポケットのPHSを使っていた。通話エリアではドコモのケータイと比べてもそれほど遜色はないし、通話の音声品質はPHSのが上。オマケに通話料は圧倒的に安い。都市部なら電車や自動車で走行中でも問題なく使えるし、ケータイと比べても微弱な電波なので、満員電車の中であっても電源を入れてっぱなしでも医療機器への影響は問題ない(病院でも使われているし)・・・などなど。むしろケータイに比べてPHSの方がアドバンテージがあると思っていた。しかし、その考え方が崩れてきたのは昨年からで、日本各地に旅行に行くようになってからだ。

 旅先は、やはり電話を使いたいシーンが多い。そんなときに圏外だとがっかりするのだが、昨年はそんなことがとても多かった。特に昨年3月に行った瀬戸内海の大三島、鈍川温泉、10月の秋田県後生掛温泉などの秘湯、12月に行った西表島や竹富島、今年1月に行った高千穂町なんかは、ぜんぜんPHSが使えなかった。そんな関係もあって、ケータイに換えようかなぁ・・・と少しずつ思い始めていたんだけど、先日、近所の量販店でauのA5304Tをケータイを1円で売っていたので衝動的?に買ってしまった。普通の相場だと13,800円前後の新型機種である。

 auにした理由は消去法。ドコモは通話エリアが全国的に広そうだけど、新規でも電話機は高いし、通話料も高い。さらに高速データ通信は出来ない。J-PHONEは、無料通話分の繰り越しが出来るので月々の使用料は安いのだが、全国的に見ると通話エリアが狭い。特に沖縄の離島はことごとく通話エリアから外れているので、残念ながら選外。もちろん高速データ通信も不可。Tu-kaも同様だ。そんな感じで残ったのがauだ。

 auの通話エリアは、たぶんドコモ以上に広い。東京で使っていても、ドコモでエリア外になるような建物の中でも、auだったらかなりの確率で使える。全国的に見ても、沖縄のほとんどの離島で使えそうだし、64kか144kbpsの高速データ通信も可能だ。通話関係の料金は平均的だが、メール関係の通信料は安い。

 でも私のような用途なら、普段はPHSを使っていて、旅行時にはauのプリペイド・ケータイを使うというのが、もっともリーズナブルな使い方なんだろうけど、まぁいいや。そんなわけで、満員電車の中では、きちんと電源は切っていま〜す。(03/05/24)