Concert Diary in April

■文中の敬称は省略しています
■各タイトルの日付は、掲載日を表しています


●バイエルン国立歌劇場情報 ( 01/04/01) 

昨日の「トゥーランドット」の会場でバイエルン国立歌劇場のチラシを配っていた。まだチケットの値段を知らない人も多いと思うので、ちょっと情報を掲載しておく。

  フィガロの結婚 トリスタンと
イゾルデ
フィデリオ
  9/25、9/27、9/29、10/2 東京文化会館 9/26、9/30、10/4 NHKホール 10/5、10/7、10/10 神奈川県民ホール
54,000 48,000
48,000 43,000
42,000 38,000
36,000 33,000
30,000 28,000
20,000 19,000
14,000 13,000
  9/27は平日マチネ特割でD〜F席10,000円 10/4は平日マチネ特割でD〜F席10,000円  平日マチネなし

 プロモーターがジャパンアーツからNBSに代わった今回の来日公演だけど、うーん、前のバイエルンの来日公演のチケットの値段っていくらだったっけ? 他の公演もそうだけど、ずいぶんと値上がりしてしまったな、という感じ。はっきり言ってD席以上は手が出ません(^_^;)。平日マチネ特割というのが今回の特徴だけど、「トリスタン」の場合はマイヤーが出演しない日だし、C席以上はかなり苦戦しそう。「フィガロの結婚」は、他演目比でこれだけ値段が高いけど、人気のある演目なのでこれが一番売れるんだろうなと思う。「フィデリオ」は、はたしてどうなんだろう?ワタシ的にはあまり興味のある演目ではないのだが、本場モノの「フィデリオ」にふれる機会は多くはないだろうから(メータが本場モノかというツッコミはしないように!)、F席なら買ってもいいかも、というところか。

 バイエルンのセット券を買ったひとは、ベルリン国立歌劇場の「リング」チクルス券の優先発売を受けられるという「エサ」までちらつかせての、なりふり構わぬ戦略に出てきたし、これまでちょっと不透明な印象を与えていた学生券は、5月26日から全演目10,000円(ただし平日公演のみ)で発売というのがチラシに明記されるあたりは、ちょっと「世論」を意識しているのか、それとも売れ残りが出ることを相当覚悟しているのか・・・。たしかに「リング」は、神奈川県民ホールでのチクルスが争奪戦になる可能性が高いから、少しでも可能性を上げたいというひとは今回のバイエルンのB席2枚を買っておくというのも手かもしれないが、それにしてもオペラファンの足元を見た商売だと思うぞ。


新国立劇場「ラインの黄金」Aキャスト (01/04/02)
 

 昨日(4/1)は新国立劇場が4年がかりで挑むワーグナーの超大作「ニーベルングの指輪」チクルスの初年度、「ラインの黄金」を観に行った。言うまでもなく歌劇場にとって「指輪」のプロダクションを持つことは一つのステイタスであり、今年度の国内で上演されるオペラの中でも最大級の注目を集めている上演である。残念ながらフレンツェ歌劇場の関係で3/30の初日公演を見ることは出来なかったけど、Aキャスト2日目の公演を見ることが出来た。

 まず結論から言うと、この「ラインの黄金」は新国立劇場始まって以来、最高の成果を上げたといってよいのではないだろうか。昨年の「ドン・キショット」も新国の大きな成果に数えられることが多いけれども、あちらは輸入プロダクションという性格が強いので、私は新国の独自性の強い「ラインの黄金」に軍配を上げたい。
 その最も大きな功労者は演出家のキース・ウォーナーである。これまでビデオで見てきたシェローやレーンホフなどの演出と比しても見劣りすることのない、・・・いやむしろウォーナー演出の方がより「現代社会」で共感を呼ぶことの出来るタイムリーな演出であろうと思う。

第1場。映像を多用するのは最近の演出の流行なので、特に珍しいことではないけれど、最初っからヴォータンが映写機の横に座ってなにやら映画を投影しているというシーンから始まる。そしてライン川のシーンは映画館の中という設定。川の流れはいびつな四角形のスクリーンに映し出される。アルベリヒは猿人の仮面で登場したけど、どういう意味かは不明。
 ラインの乙女は最初、白くて小さなきぐるみの可愛い動きで笑わせてくれたけど、その後は白いミニのワンピースに変身。身をくゆらせたり、足を上げたりしてアルベリヒを誘惑し、ラインの黄金が映画のスクリーンに映し出されると白い競泳用の水着に水中メガネまでつけて登場。まるで競泳の表彰台で金メダルを受け取るか、シンクロナイズドスイミング風の動作が可笑しい。
 黄金が登場する際のスクリーンには、なにやら数式らしきものがたくさん映し出され、黄金はジグソーパズルとして登場してくるが、なにやら暗号化された指輪のや隠れ頭巾の製造法を書いた設計図を象徴しているのかもしれない。愛を諦めたものだけが、そのジグソーパズル化された設計図をを完成することができるという趣向なのだろう。そしてアルベリヒが水の中に飛び込むと、彼はスクリーンの中で遊泳しているという趣向で、ジグソーパズルのひとつを抱えて、ヴォータンとすれ違う。

第2場。舞台は第一場のスクリーンと同じ形に切り抜かれた舞台の中で展開する。つまり先ほどの映画の延長線上というわけだ。ヴォータンの部屋は、ワルハラ城への引っ越しに備えたダンボールで置かれたきれいな事務所風の部屋。ヴォータンは過去の栄光にすがる実業家といった感じで、新築したワルハラ城の図面を見ながら悦に入る。フリッカはヴォータンの会社の重役的なキャリアウーマンという趣向で、ヴォータンの現実逃避にあきれている。
 フライアは水色のフリフリ・ドレスを着ている原宿にいそうなねーちゃん。フローは、事ある毎にビデオをまわしている映画青年で、ドンナーも含めて3人とも定職を持っていないパラサイト・シングル風なところが面白い。
 サーチライトとともに窓から登場したファゾルト&[ファフナーは、さながらマフィアか巨大なブルース・ブラザーズみたいな感じで、黒のスーツを着込んでいる。ヴォータンへの債権取立てを依頼されたヤ○ザなのか、それともゼネコンなのか。
 閃光とともに引越し用ダンボールの中から登場したローゲは、手品師の衣装。実際にハンカチから花を出してフリッカに贈ったりするが、タバコをくわえてマッチを探すが見つからず、タバコを放り投げるシーンは、火の神であるにも関わらずなんとなくイカサマ師っぽい。このように、どの登場人物にも、現代社会と意識的にダブらせているのだが、それが意外なほどピッタリと指輪の登場人物と重なってしまうのだ。
 フライアが巨人族に連れ去られた後、神々はフライアだけが育てられる金の林檎を失って苦しむが、ヴォータンは最後にフライアが1個だけ残していった林檎を得て、ローゲと共にニーベルハイムへ向かう。

●第3場。「NIBELHEIM」の文字がさかさまなのは、天上界との対比を強調するためだろう。ステージ上はまず、失われた黄金を探すラインの乙女たちがさまよい歩く。アルベリヒの部屋は意外ときれいな事務所風。机の上には、「隠れ頭巾」(←この演出ではゴーグルみたい)の設計図らしきものと大きなナイフがが置かれている。アルベリヒはキンキラキンのジャケットに真っ赤なコメディアン風の衣装で、いかにも成り上がり者。この場面での特徴は、街の娼婦らしき女性が連れてこられ、アルベリヒに暴力的に犯されるようなシーンがあること。彼女はのちにハーゲンの母親になるんだろうけど、愛を諦めても、女は金で解決できるというセリフを実際の舞台で説明的に扱っている。
 アルベリヒの変身は、透明人間になるときには「e=mc~2」のアインシュタインの相対性理論の公式(何でだ?)が出され、大蛇の時にはゴジラ風の絵、蛙の時にはそのまま蛙の絵が黒板に書かれているのが妙に親切。大蛇はそれなりに大掛かりだが、尻尾と頭だけというのはなんか中途半端な感じ。
 蛙とになったアルベリヒがヴォータンに捕らえられた後、ミーメはアルベリヒのジャケットをまとい、彼の机に残された書類をむさぼるように読む。そこへ先ほどの娼婦が戻ってくるのだが、これは「ジークフリート」への伏線であることは言うまでもない。

第4場。ふたたびヴォータンの部屋だが、すでに荷物は運び出されている。蛙として捕らえられ、カバンに閉じ込められたアルベリヒが、その小さなカバンの中から登場するシーンはタネが解っていてもその流れが自然で、見事な仕掛けだと思う。アルベリヒが身代金を運ぶニーベルング族に嘲笑されるシーンは、暴力で支配する者の行く末を暗示している。アルベリヒの指輪が奪われるシーンでは、ヴォータンにナイフで指ごと切り落とされる設定となっていて、かなり恐ろしげ。(そのナイフはもともとアルベリヒの机にあったものである) そしてアルベリヒは指輪にのろいをかけた後、そのナイフを使って自害(「男性生殖器を自ら・・・」という演出の意図である、という指摘を頂きました)するところは新機軸。
 ファフナー&ファゾルトがフライアを連れて戻ってくる。フライアに未練を残すファゾルトと、権力志向の強いファフナーの対比は、これまでの演出以上に強調されているのではないだろうか。巨人族が仲違いし、ファゾルトがファフナーを殺すシーンでは、ローゲが先ほどのナイフをファゾルトに手渡し、それをファフナーに何回も突き刺す。この演出でローゲは、この舞台の狂言回しというとても重要な役回りにされているとともに、アルベリヒの血塗られたナイフは、のちにヴォータンがワルハラ上に入場するシーンではノートゥングのライトモチーフとともに剣に「変身?」している。
 ドンナーが雷を地面にたたきつけると舞台は奈落に落ち、背後に真っ白な舞台が登場する。これは城のエントランスか? そこには「WALHALL」の巨大なアルファベットが置かれ、壁の上にはなぜか番号付の黄色い番号の入った交通標識みたいなものがついている。色とりどりの風船が天上から降ってきて、それが虹の掛け橋というわけだ。
 ファフナーが殺されて、その血を浴びたフライアだけが放心状態の暗い顔でWALHALLのアルファベットに寄りかかるが、真っ白な衣装に着替えたヴォータン以下の神々たちは晴れやかな顔で入場を祝す。世界各地の神々も招待され、キリスト、仏陀、日本代表としてイザナミ&イザナギ、その他アジアやアフリカらしき神々も招待状持参でワルハラ城へ入城していく。ローゲは手のひらに火をつけてタバコを一服。ラインの乙女達はホームレスとなってさまよう。この辺りは新国立劇場の舞台機能は最大限に発揮されている締めくくりで確かに面白かったが、ちょっと盛り上がりに欠けたのが残念。

●「トーキョー・リング」と呼ばれているこのプロダクションだが、具体的に東京の特定の場所が登場するわけではなく、東京という「地域性」にこだわった演出ではない。むしろ東京の「都市性」に由来する「社会性」「人間性」をリングの登場人物に重ね合わせているといったほうが正確だろうと思うし、その狙いは多くの部分で成功を収めているのではないだろうか。また娼婦=ハーゲンの母親、ナイフ=ノートゥングなど、随所に「ワルキューレ」以降への布石が置かれ、今後への興味をそそる演出である。現代的な演出は解りにくいと思われがちだが、このウォーナーの演出に限っては現代的であるがゆえに解りやすくなっていると思うし、随所に従来はなかったような説明的なシーンも挿入して、旧来の演出よりストーリーは解りやすくなっているのではないかと思う。

●今日はメチャクチャに長くなってしまったので、歌手や演奏に関しては3日のBキャストを聴いてから書くことにしたい。しかし、一言だけ書くとすれば、Aキャストの歌手、指揮者、オケ、そのいずれをとっても満足のいく出来栄えであった。改めて書くけど、これは新国立劇場始まって以来の大成功だろう。この「ラインの黄金」は、オペラファン必見である。(01/04/05加筆修正)


●新国立劇場「ラインの黄金」Bキャスト (01/04/04) 
 

キャスト 4/1 4/3
ヴォータン アラン・タイトス ハリー・ピータース
ドンナー 青戸知 大島幾雄
フロー 永田峰雄 水口聡
ローゲ ヴォルフガング・
ミュッラー=ローレンツ
星洋二
ファゾルト ハンス・チャマー 長谷川顕
ファフナー フィリップ・カン 佐藤泰弘
アルベリヒ オスカー・ヒッレブラント 島村武男
ミーメ ゲルハルト・ジーゲル 松浦健
フリッカ 小山由美 藤村実穂子
フライア 田中三佐代 岩井理花
エルダ ビルギット・レンメント 黒木香保里
ヴォークリンデ クラウディア・
バラインスキー
森野由み
ヴェルグンデ 蔵野蘭子 白土'理香
フロスリンデ 大林智子 管有実子
管弦楽 準・メルクル=東京フィル
演出 キース・ウォーナー

 4月3日、「ラインの黄金」の「日本人中心キャスト」の初日公演を見た。家に帰ったのも遅かったので、簡単な報告になってしまうけど、ご勘弁を。
 このプロダクションの基本的な評価は、2回目を見た後でもいささかも変わらない。2時間半の休憩なしの公演にも関わらず、まったく飽きさせることのない舞台である。演出に関する解釈については、2日に書いたものを明日にでも修正を加えておきたいと思うが、アイデアと緊張感ある舞台づくりは演出家キース・ウォーナーの手腕、そして音楽面では準・メルクルの素晴らしいタクトさばきに応えた東京フィルの管弦楽も実に素晴らしかった。
 で、日本人が中心のキャストの出来だけど、こちらも実に高い水準にあると言って良いんじゃないだろうか。総合面ではAキャストに軍配が上がるかもしれないけど、Bキャストのチケットしか手に入らなかったからといって決して悲観する必要はないと思う。間違いなくAキャストに肉薄する水準だし、カーテンコール時の反応は1日のAキャストよりも良かったくらいである。まだBキャストのチケットは残券もあるようなので、まだ見ていない人は、ぜひとも見に行った方がいい。
 詳細に関しては、(気が向いたら(^_^;)だけど・・・)明日書くことにしたい。


●飯守泰次郎=シティ・フィルのブラームス(01/04/06) 

 昨日は演出の解釈について加筆修正を加えて、さらにA・B両キャストの比較を書こうと途中まで書きかけたんだが、力尽き断念(^_^;)。何とかしたかったんだが、演出については今日の更新でバックナンバーの方を直しておいたので、興味ある方はどうぞ。(誤字や解釈の相違点をメールでご指摘いただきましたが、その点も直しておきました) 歌手に関しては、たぶん書く時間がないのでご勘弁を。
 さて、昨日は飯守泰次郎=東京シティ・フィルのブラームス/ハイドン・シリーズ第一夜。やっぱり会場は空席が目立って、6割程度の入りだろうか。
 先月の定期でメインの「幻想交響曲」を聴いたとき、正直言って良いところを見つけるのに苦労する演奏だったので、今日は東京文化会館に向かう足取りも重かったのだが、結果的には主張のはっきりしたブラームスの交響曲第1番が聴けてなかなか満足度の高い演奏だった。まず弦楽器の音色がブラームスにぴったりの美しさで、先月の「幻想」の時はフォルテで音が歪んだことがウソみたいに解消されている。フレージングの表情も豊か。パート間での音色の差があったり、アタックが乱れたり、後半の演奏がちょっと雑になってしまった感じはあったんだけど、熱気に溢れ、遅いところはより遅く、速いところは情熱豊かなブラームスを演奏したんじゃないだろうか。先月も都響のブラ1を聴いたばかりで、機能的にはやっぱり都響の方が安心感があるのは事実なんだけど、飯守=シティ・フィルの主張の明晰さには共感が持てる。
 前半のハイドンの交響曲100番は、残念ながら仕事の疲れから爆睡したので、コメントはパス(^_^;)。



●ADSLの話 & アルミンク=新日本フィル (01/04/09)
 

速報 ペーター・マークは病気により5月の読響への客演は中止になり、代わってパイヤールがそのままのプログラムを振ることが読響のホームページで公表されている。大ショック!!!

 ケーブルモデムの品不足により5月になると思っていたADSLが、思っていたよりも早く、4月18日に開通予定!やったー!と思ってブロバイダのAIRNETにADSLの試験サービスの申し込みを使用としたら、「貴方の電話番号は、サービスの提供地域ではありません。サービス提供時期は未定です」などと返事がきた(-_-;)。一時、萎え萎え。仕方がないので、AIRNETのADSLサービス提供まで、今までほとんど使っていなかった@niftyのアカウントを使ってADSLを使用することにした。
 しかし、今回のADSL開通の関係で、電話回線がISDNからアナログ回線に逆戻りになり、電話番号も変わってしまうことになった。今までの番号は非常に覚えやすくて気に入っていたのだが、これが唯一の×なのだ。

 さて、6日はウィーン生まれで弱冠30歳の若手指揮者、クリスチャン・アルミンクがタクトを振る新日本フィルの定期演奏会。曲目がマイナーなせいか、トリフォニーには空席が目立った。
 ワタシ的にはシューベルトの交響曲は超苦手系(グレートは除く)で、4番なんて聴いたこともない食わず嫌いの曲なのだが、やっぱり爆睡してしまった。なんかなぁ、起伏がなくて平板で、何が言いたいんだかよくワカラン・・・どこが面白い曲なのかなぁ???
 後半のヤナーチェクの「グラゴル・ミサ」も初めて聴いた曲である。こちらは言いたいことが「これでもかっ!」と言うほど詰め込まれている曲ですね〜。敬虔な祈りとは程遠い楽想で、むしろ世俗カンタータに近い強烈なリズム感に支配されている曲である。非常にパワフルな曲だけど、うーん、私はこの日、こーゆー曲を聴く気分じゃなかったせいか、演奏の良し悪しを云々できるほど集中して聴けなかったのが正直なところ。破綻のない演奏であったことは確かなのだが、初めて聴く曲なので、指揮者の力量を計ることも出来ない。そんなワケで、この演奏会の報告はお粗末さまでした(_ _;)。


●01/04/10 今日から「昇格」  

 コンサートのシロウトの感想なんぞは、その時の聞き手の気分によってかなり左右されるものだけど、先週は新年度のごたごたが何かと慌しく、「ラインの黄金」コンサート2本に歓送迎会・・・。NJP定期は会場にはたどり着いたものの、な〜んか集中力欠如だったのだが、今週はそんなことがないようにしないと!
 とか何とか言って、このホームページの更新頻度は、開設以来、最高に高まりつつあって、今年はすでに55回目の更新なのであった。つまり2日に1回は更新している勘定で、内容的な良し悪しは別にして、トップページにConcert Diary的な記事を掲載するスタイルを変えてから更新意欲が高まりつつある。これまで、この部分は「今日のひとこと」という曖昧な位置付けだったけど、今日からこの部分は正式にConcert Diaryとして「昇格」させたいと思う(^_^;)。バックナンバーは随時、Concert Diaryに収蔵しているので、ご参照のほどを。
 明日は、小澤征爾音楽塾の「コシ・ファン・トゥッテ」だが、前に聴いたのはペーター・マーク=都響による演奏会形式の上演以来で、ナマの演出付上演に接するのは初めて。小澤とモーツァルトって私の頭の中ではどうにも結びつかない組み合わせなのだが、とにかくナマで観る機会は少ない演目なのでチケットを買った次第。このシリーズはもっぱらウィーン国立歌劇場に行く前の「予習」と言われていて、小澤の公演にも関わらずチケットのセールスにもかなり苦労したみたいである。歌手の知名度の割にはチケットの値段も高いので、この売れ行きは仕方のないところだろう。
 その一方で、今年のサイトウキネンは「イエヌーファ」らしいけど、これはアンチ小澤も含めて小澤向きの演目と認めるんだろうと思うし、サイトウキネンというブランドがくっつけば即売切れは間違いないところ。問題はまだ発表されていない歌手なんだけど、チェコ語というのがネックになるんだろうなぁ。この時期に来日するメゾというと・・もしかして・・・(^_^;)?



●01/04/11 久しぶりの秋葉原  

 昨日はお休みだったので、久しぶりの秋葉原探索。気候はすでに初夏って言う感じ。数ヶ月行かないうちに、店の看板が変わっていたり、老舗パソコンショップのシスペックが閉店になっていたりと、移り変わりがホントに激しいこと街であることを改めて実感した。駅の階段下の通路の狭さは相変わらずだが、改札周辺はちょっとした模様替えをしているし、平日の昼間であるにも関わらず人通りは多いし、オタク系のショップは増殖しているし・・・。
 今日はブロードバンド・ルータを買うことを主目的で行ったんだけど、お目当ての店ではメルコのAirStationは品切れ状態で、結局、USBケーブルとデジカメ用のニッケル水素電池など、ネット通販では割高になるものばかり買ってきた。しかし、いまではコンピュータ関連の買い物はほとんどネット上で済んでしまうし、私のような秋葉原好きな人でさえ、出かけるのは数ヶ月に一度となってしまうと、もしかしたら秋葉原という街もいずれはなくなってしまうのかもしれない。残るのは廃人ご用達のジャンク・ショップだけだったりして・・・(^_^;)。
 あと、行ったついでに石丸のソフトワンに行ってクラシックCD売り場も覗いてくるのだが、この店の奥のクラシックのレジだった辺りも改装中だった。クラシック系のディスプレイも、場所ばかりとって売上は少なそうだし、もしかしたらクラシック売り場縮小かっ、などと考えてみたりする。ちなみに本日のCDの収穫はナシ。


●01/04/13 小澤征爾音楽塾の「コシ・ファン・トゥッテ」  

 11日は「コジ」が終わって家に着いたら11時過ぎ。今日も予定外の残業。爆疲れ中で更新意欲減退中なのだ。ホントは明日に順延したのだが、きっと明日になったらベルティーニ=都響の「ヴェル・レク」の方に頭が向いてしまうだろうから、無理をしてはしょりながら「コシ・ファン・トゥッテ」の報告を書いているのだ(^_^;)。
 で、結論的に書くと、それなりに楽しめた上演だったなぁ・・・というのが感想である。歌手は比較的若手で、ワタシ的知名度はない人ばかりだが、みんな粒ぞろいで、公演楽日ということもあったのだろうか、演技的にも十二分に満足できるものだった。特に女中を歌ったステファノ・ボンファデーリは、コケティッシュで狂言回し的な役どころを見事に演じきったし、歌唱も表現力も素晴らしい。声楽陣で、あえて文句をつけるとすれば、テノールのジョン・オズボーンが音程的にちょっと怪しかったところくらいで、全体的に見れば満足すべき水準ではないだろうか。
 この演目の演出には正直言って不案内なのだが、簡素な舞台ながらも左右6本の三角柱が回転して室内になったり、海辺の庭や広間になったりになったり、・・・スピーディな展開が好ましく、見る者を飽きさせない演出である。
 さて、問題を感じたのは管弦楽で、首席奏者はサイトウキネンのメンバーを揃えたものの、音楽大学の学生や若手フリー奏者を集めた臨時編成オケの限界を感じさせた。よく言えば、わずかな期間でここまでの水準に引き上げた小澤の手腕を誉めるべきなのかもしれないけど、チケットの値段を考えるとやはりプロのオケと比較するのが適当なんだろうと思う。まず弦楽器の音色が、堅くガサつきがあって、さらに厚みに欠けるので、音に艶やかな感じが乏しい。そこが、モーツァルトを聴く上で一番の問題になる。フレージングでも柔らかさがないので、ニュアンスに欠けてしまう。管楽器も同様な傾向はあるけど、首席奏者がSKOメンバーなだけに、ソロの不安感はある程度解消される。しかし、弦楽器に関しては「オーケストラは一日にして成らず」というのを実感させられた。それでも、もちろんアマ・オケよりは圧倒的に巧いんだろけど、まだプロのオケと比較するのは可愛そう。まぁ、教育的な成果としては、高く評価して良いのではないか。
 来年は5月に「ドン・ジョバンニ」の上演が行われる予定で、今年同様、神奈川1回、東京文化会館2回の公演。主要キャストで発表されているのはブリン・ターフィル、ソンドラ・ラドヴァノフスキー、クリスティーン・ゴーキーという布陣である。



●01/04/15 ベルティーニ=都響のヴェルディ「レクイエム」(4/13) 

 あー、昨日はバイエルン国立歌劇場の安い席の発売日だったのに、すっかり忘れてしまった(^_^;)。もっとも仕事モードだったので、無理っぽかったのだが、事前に思い出していれば何とかなったのにぃ〜!という思いは募る。まぁ、マチネ特割券が第一希望だからいいか、と無理やり自分を納得させよう。
 で一日遅れて、13日の都響定期演奏会のレポート。ヴェルディ没後100年記念として企画されたこの日の曲目は「レクイエム」で、サントリーホールは若干の空席があるもののほぼ満員の盛況だった。
 まず、オーケストラ的に言うと、最近の好調を反映して、実に緊張感の高い演奏を繰り広げた。これまでベルティーニと都響の組み合わせの演奏に関しては、好印象を持った演奏は少なく、昨年11月のブラ4くらいしか思い浮かばないのだが、このヴェルディ「レクイエム」は、それを大きく上回る水準だったことは間違いないんじゃないだろうか。
 ワタシ的には、この曲の解釈について云々できるほど聴き込んでいる曲ではないのでエラソーなことは言えないけど、ヴェルディ的な劇的高揚感と、レクイエム的で敬虔な緊張感が絶妙なバランスでマッチした演奏だった。若干速めのテンポが自然で、音楽の流れに全く作為を感じさせないのがイイ。都響の弦楽器の良さは言うに及ばないが、かつてはそのレベルの落差が大きかった管楽器も目に見えて向上し、その格差はかなり縮小している。音が重なっても決して見通しの良さは失わないし、ピアニッシモになっても音の密度は薄くならず、聴いていて途中、目頭が熱くなるのを覚えた。
 歌手は体調不良のため岩永圭子にに代わって登場したソプラノ、中村智子が代役とは思えない素晴らしい声でステージを牽引し、まるで悲劇のオペラのヒロインのよう。メゾの手嶋眞佐子、バリトンの稲垣俊也も申し分なかったが、テノールの井ノ上了吏が不調なのだろうか、音程が不安定だった。美声の持ち主だけに、これは残念。
 合唱は晋友会合唱団。アマチュア合唱団としてはレベルは高いんだろうけど、最近はオペラシンガーズのレベルを聴き慣れているせいか、ピアニッシモの部分の音の密度や、人数の割に声がきちんと響いてこないもどかしさを感じたのも事実である。
 たしか95年だったと思うけど、ムーティ=スカラ座が来日したときのヴェルディ「レクイエム」の圧倒的な演奏と比較すると聴き劣りすることは否めないけど、これは無謀な比較であろう。しかし、97年のレヴァイン=METの散漫な演奏と比較すれば今回の都響の方が圧倒的に素晴らしいと断言できる。19日の「春の祭典」も楽しみ!!



●01/04/16 ADSL開通まであと2日 

 いよいよあと2日で、わが家もブロードバンド時代の幕開けを迎えようとしている! すでにスプリッタとケーブルモデムが到着し、あとはNTT局内の工事を待つのみ。理論的にはISDNの約25倍の通信速度を実現するだけに、インターネットの世界も大きく変わるんじゃないかと思っている。
 ホームページを提供している立場としては、従来はなるべく軽いホームページ作りを心がけて、jpegの画像も最大限に圧縮をかけたり、座席表もファイルサイズが大きくなってしまうGIFじゃなくってjpegにしたりとか、さまざまな「やむを得ない選択」をしてきたんだけど、ADSLクラスの速度が普及すればホームページの世界も大きく変わってくるはずだ。もっとも個人レベルでは動画や音声は無理だけど、いずれは趣味で撮りためた「フォト・ギャラリー」を開設したいと思っている。←見たい人がどれだけいるかワカランが(^_^;)。
 ところでCATV/ADSLの時代は、あと何年続くんだろうか。個人的観測としては、あと数年で光ファイバーケーブルの時代を迎えることを予想して、ADSLモデムはレンタルにしたんだが、とりあえず現在提供されているコンテンツであれば1.5Mbpsというのは十分なスピードである。たぶんテレビ電話だってADSLの速度だったら何とかなるレベルじゃないだろうか。
 現在は電波で配信されているテレビ映像も配信できるスピードを提供するとなると、やっぱり光ファイバーが必要になってくるそうなると映画もオンデマンドでインターネット配信されるかもしれないし、もしかしたらチャットもキーボードから入力じゃなくて音声+画像付になるかもしれない(^_^;)。もちろん従来の電話は過去の遺物になっていて、すべて携帯電話か家庭用はインターネット電話となる。こうなるとサーバーの速度もメチャクチャ速くないとダメだし、ブロバイダも通信速度が速くなればなるほど大手に淘汰されていくかも知れない。
 6年前の初めてインターネットの世界に触れたときに、「これは歴史を変える技術だ」という言葉を身をもって実感したけど、CATV/ADSL程度のブロードバンド時代はまだまだその序の口に過ぎない。本当にインターネットで世界が変わるのは、IPv6と光ファイバーが普及した段階だろうと思う。



●01/04/17 役に立つか、立たないか?わからんリンク集 

 昨日はブロードバンドで浮かれまくってたので反省し、今日は私が日頃巡回or利用している非音楽系リンクを紹介しよう!(←どこが反省なのか?)
 まず、スポット商品ばかり扱った一見、怪しめなショップKNG Marketは、メールでの問い合わせに対するレスや配送が劇速なので驚く。扱っている商品はさまざまだが、時々相場とはかけ離れたお買い得商品があるので、目が離せない。
 コンピュータを買うときに価格の比較をするのは価格.comが有名だけど、もう一つ押さえておきたいのが、最近、オープンしたBestGate。CGIを駆使したリアルタイムな価格比較は他の追随を許さない。機種別価格変動のグラフや、本日の値下がり情報なども見逃せない。
 これはもう定番かもしれないが、日本全国のライヴカメラをリンクした覗き穴(日本編)もたまに見に行きたくなる。カメラによっては、手元のコンピュータからズームやパンも出来るのが楽しい。
 私は味覚にはあまり自信はないのだが、美味しいものを食べるのは好き。知らない店を探索するときに参考にするページは、Restaurat Guide。掲載されているお店の数も多いし、グルメ評論家じゃなくって、実際に食べに行ったフツーの人がレビューを書いているので、多角的な視点で判断できるのが良い。
 おなじくグルメ系だが、こちらはB級グルメ?か、東京CURRY激闘編。特にレトルトカレーの評価に関しては、67メーカー310品目を網羅し、肉や野菜の大きさや数も詳細にリポート。評価の最大の基準が「辛さ」というのは好みが分かれるかもしれないが、読み物としてもオモロイ。
 サーチエンジンもたくさんあるけど、ここさえブックマークしておけばOKというのが検索デスク。ほとんどのサーチエンジンが、このページから調べることが出来るので、検索時間の短縮に役立つ。
 最後に、申し訳程度に音楽的リンクをひとつ。楽器を演奏している人ならジョーシキでも、専門リスナーにとっては学生時代に勉強した音楽用語、音楽史、楽器のことは忘却の彼方・・・。そんなときに便利なのがYAMAHAのココ。「博物館」の中に入ると、初歩的なことは調べることが可能。説明が簡潔なのが読みやすい。



●01/04/19 ADSL開通!!!

 なにはともあれ昨日、ADSLが開通しました。DLは1.5Mbps、ULは512kbpsのフレッツADSLだが、その道程(?)は必ずしも順調ではなかった(^_^;)。
 工事はNTTの局内工事だけで、私は工事の完了の知らせをPHSで受けてから、スプリッタとADSLモデムを自宅内で接続するんだが、・・・・・あれっ???、電話の発信音がしない。落ち着いて、もう一回確認しよう、・・・えーと、接続は間違えていないし、電話はちゃんとダイヤル回線に切り替えたし・・・。何回確認しても、間違えてはいない。仕方がないからNTTに電話して調査してもらったら、NTTの工事ミスと判明。おいおい、ちゃんとやってくれいっ!
 これまでもルータを使っていたので、ブロードバンド・ルータの接続も簡単に終わって、いよいよ接続っ! ページを開くときにサーバーが反応するまでにちょっとしたタイムラグがあるんだけど、ダウンロードを始めてしまえば確かに速いっ! 
 しかし・・・・、理論値ではISDNの25倍のはずだけど、実際に大きなファイルをダウンロードしてみると約45KByte/sec=360kbpsの速度。つまり、これまでのISDNのだいたい6〜7倍程度のスピードにとどまっている。これは回線の品位や電話局までの距離、暫定的に利用している@niftyのバックボーン回線の太さやトラフィックなどなど、さまざまな要因があるので、一概に1.5Mbpsの看板に偽りありとは言えないが、理論値の1/4の速度しか出ないのかぁ・・・とちょっとガッカリ。まぁ、しかしRealPlayerの動画や音声はほとんど途切れることなく再生されるので、現時点のインターネット環境ではストレスのないスピードであることは間違いない。
 その一方、電話回線がアナログに戻ってしまったので、電話をかけると懐かしきダイヤル音が聞こえる。これはハッキリと遅くなったのが解る。電話も一台しか繋げないし、チケット争奪戦での戦力ダウンは必至。まぁ、しょうがないか(^_^;)。何はともあれ、無事開通のお知らせである。

●ロストロポーヴィチ=リトアニア国立バレエ(4/17) 

●上のチラシは主にオーケストラなどの公演で配布されたもの ●下はバレエの公演時に配布されたと思われるもの

 17日に東京文化会館で行われたロストロポーヴィチ=新日本フィルの演奏による「オーケストラル・バレエ」と銘打たれた公演で、リトアニア国立バレエによるプロコフィエフ「ロミオとジュリエット」の公演である。
 今日は二つのチラシをスキャンしてみたんだけど、どちらも同じ公演のチラシである。ロストロポーヴィチの名前の扱い方や写真が大分違いますね(^_^;)。いちいち説明を加えるまでもなく、どのような客層を相手にしているのかによって、チラシは全く違うのである。クラシック音楽ファンにはロストロの名前を大きく出して、バレエ・ファンには主役の顔写真と「スター誕生」の文字! その甲斐があったのか、なかったのか解らないけど、2〜4階席は空席が目立って、全体的には7割程度の入りに止まったのではないかと思う。ただし、バレエ公演にしては、男性客が多かったのは事実だろう。

 「ロメオとジュリエット」というとマクミラン版が有名だけど、今回の上演はワシリーエフ版で、私もはじめて見る振り付けである。オーケストラはピットに入るのではなく、ステージ上の中央に陣取る。特に指揮者は、そのド真ん中にいて、客席を向いてタクトを振り、その周りを同心円状にオーケストラが取り囲むのだ。指向性の強い管楽器はちゃんと客席を向いた配置なのだが、弦楽器はほとんどが客席に背中を向けている。舞台上の音響反射板は取り外されているのでステージ上の音が上に抜けてしまい、「オーケストラル・バレエ」とPRされたワリには音が痩せて、響きが薄い。単純に音の良し悪しだけで比較するならば、(少なくとも東京文化会館なら)明らかにピットで演奏した方が音は良いはずである。最初はなんでこんな配置にしたのかわからず、デメリットだけしか感じなかったのだが、幕が進むにつれてなんとなく演出の意図が解りかけてきた。

 この舞台は、オーケストラを挟んで、舞台の前後でダンサーが踊るワケだけど、このステージ構造により[モンタギュー家とキャピュレット家の対立構造が明晰に伝わってくる。オーケストラの団員はすべて法衣のようなものをまとって演奏しているのだが、それが舞台に客観性を与え、まるで「ロメオとジュリエット」のためのレクイエムを演奏しているような雰囲気を醸し出しているのだ。ラストシーンで演奏中にも関わらず、ロストロポーヴィチが指揮台を降りてきて、息絶えたロメオとジュリエットの手と手を引き寄せる。そして、祈りを捧げて舞台は暗転し、幕が閉じるという設定なのだが、これが演出上、成功しているか否かは別にして、オーケストラも舞台の一員であるという位置付けであることを如実に物語っている。ダンサーによって音楽のテンポが歪められることも少ない公演だったが、それ以上に「オーケストラル・バレエ」は、オケは演出の一部という意味なのだろうと思う。

 振り付けに関しては、当然、マクミラン版とは大きく違う。ジュリエットの両親があんなに踊るとは思わなかったが(^_^;)、一番、斬新だと思ったのはラストシーン。墓の中で、仮死状態のジュリエットを見て、絶望したロミオが毒を飲んだところで、ジュリエットが目を覚まし、しばし二人が愛し合うという設定である。ロメオがジュリエットの腕の中で息を引き取るのだが、その設定がこの物語の悲劇性をより強調しているように思えて、ここでは思わず涙がこぼれそうになった。

 音楽的には、普段演奏されている「ロメオとジュリエット」と違う版を用いているような感じだったが、プログラムに詳細は書かれていないので不明。細部で違うところがたくさんあったのは間違いない。はじめは響きが薄いと思っていたが、次第に耳が慣れてきたのか、そこそこ満足できる演奏に仕上がった。ロストロの指揮も丹念で、響きも室内楽的な透徹感があって良かったと思う。

 ダンサーの主役2人も高水準で、表情もテクニックも表現力も豊か。特にチラシに顔写真が出ていたイーゴリ・エブラは女性陣から熱い支持を受けそうな感じ(^_^;)。コールドバレエは、ちょっと大味な感じがしたけど、まあまあ。全体的に見ると、ワシリーエフの意図がきちんと伝わってくる充実した公演だったといえるんじゃないだろうか。ワタシ的満足度は高かった。なお、この日の公演の模様はテレビに収録されていて、6月3日(だったかな?)の教育テレビ「芸術劇場」でハイライトが放送されるとのことである。



●01/04/20 ペーター・マーク死去!

 外電によると、5月に読響に客演予定だったペーター・マークが、死去したという報道が流れている。イタリア語の関連記事はここ。イタリア語はよくワカランが、単語をつなぎ合わせてオンライン辞書で翻訳してみると、・・・やっぱり間違いなさそう。日本のマスコミの間では全く情報が流れていないのが不思議なのだが、ホントだとすれば享年82歳。
 かつて都響の定期演奏会で聴いたモーツァルト、メンデルスゾーン、シューマンなどなどの名演奏が思い出されて仕方がない。特にモーツァルトは絶品だった。5月の読響では、あのモーツァルトがまた聴けると思い、マークが登場するすべての演奏会のチケットを買っていたのに、「来日中止」だけでなく、それ以上に悲しい知らせに接することになろうとは。ペーター・マークは、私が最も好きな指揮者の一人だっただけに、とても悲しい・・・・。合掌。

 今日はタイトルのとおり。先日のベルティーニが振ったヴェルディ「レクイエム」が良かったから楽しみにしていたのに、これからしばらくは木曜日のコンサートに行けそうもなくなってしまった。なにかの偶然か、これから先の木曜日のコンサートは少ないんだけど、6月7日のMET特別演奏会「グレの歌」が木曜日というのはイタイ。

 本日は、マーク死去のニュースのため、短文で失礼。



●01/04/21 こんどはシノーポリが指揮中に急逝!

 20日、ドレスデン国立歌劇場で「アイーダ」の第3幕を指揮中に、心筋梗塞で亡くなった模様。享年54歳は、あまりにも若すぎる・・・。私のシノーポリ体験は、バイロイト音楽祭日本公演の「タンホイザー」、フィルハーモニア管弦楽団とのマーラーetc、ウィーン・フィル来日公演のときのブルックナー、スカラ座の「西部の娘」、そして昨年のウィーン国立歌劇場来日公演時の「ナクソス島のアリアドネ」が最後のワタシ的ライヴ公演となってしまいました。詳しくは下記の記事を参照してください。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0421/001.html

 あとペーター・マークの訃報も、ようやく国内で報道されている。
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/jinji/20010421k0000e060012000c.html



●01/04/22 バイエルン・平日マチネ券発売するも・・・
 今日はバイエルン国立歌劇場の一般発売&平日マチネ券の発売日。E/F券の発売をすっかり忘れていた私にとって、今日はバイエルンを見に行く、残されたチャンスだったわけだけど、結果は惨敗。10時半過ぎに通じたときにはe+もNBSも完売の状態だった。てともじゃないが2万円以上の金額を払う気にはならないので、バイエルン国立歌劇場は撤退を決定。実は、公演の直前になれば、どこからともなくチケットは入手できるのではないかと甘い期待を残しているのだが・・・(^_^;)。
 で、今日は午後からアムランのブゾーニ:ピアノ協奏曲を聴きにいく予定。詳細は明日号にて。



●01/04/23 アムラン ブゾーニのピアノ協奏曲を弾く!

 全5楽章で、演奏時間は約75分。オーケストラの規模は決して大きくはいないけど、男声合唱が入り、要求される超絶技巧から「史上最大のピアノ協奏曲」と言われているブゾーニのピアノ協奏曲が日本初演された。会場となったオペラシティ・コンサートホールはほぼ満員。みんな、ブゾーニの協奏曲だから聴きに来たのか、それともアムランだから聴きに来たのか、それとも両方なのか? ワタシ的には曲にはそれほど興味はなかったんだけど、アムランの初来日前からリスナーによる「アムラン・プロジェクト」というのがあり、チェルカスキーに近いタイプのピアニストらしいというのを聞いて、ずーっと興味はもっていたんだけど、なかなかコンサートの日程があわず、録音も滅多に聴かない私にとって、昨日がアムラン初体験になってしまった。

 ホントはこーゆー曲の場合、楽曲の解説から入るのが常道なんだろうけど、ハッキリ言ってプログラムの受け売りになってしまう上に、それだけで超長文になってしまう。そんなワケで聴いての印象にとどめさせて頂くけど、1904年に作曲された作品だからロマン派の影響を濃厚に感じるけど、それぞれの楽想はとても聴きやすい音楽の集合体といっていい。たぶんマーラーあたりの分裂的な音楽を心地よく感じる人だったら、十分に親しみを持てる音楽だろうと思う。ただし長大な曲だけに、楽想を統一する全体の構成力の弱さを感じたのだが、あと何回か聴けばその印象も変わるかもしれない。

 で、演奏の方はどうだったかって言うと、コレが凄かった。アムランの超絶技巧ぶりは散々ウワサで聴いてきたのだが、アレをナマで見せつけられるとコレは衝撃である(意味不明)。とにかくどんなに音が跳躍していても、音符がたくさんあっても、それを顔色一つ変えずに音楽として再現してしまうのである。コンチェルトなので音色の美しさを十分に堪能するのは難しかったんだけど、それでもカデンツァなどのソロのところは磨きぬかれた粒立ちのよい音色が堪能できるし、音色のパレットも多そう。いやはや、ピアニストを聴いてこんなに凄いと思ったのは、チェルカスキー、そしてウゴルスキの日本初公演の時以来である。(もっとも、ウゴルスキに関しては、その後、あまり感心しないのだが・・・)

 沼尻竜典が指揮する「新」東京フィルも、素晴らしい出来で、実に緊張感の高い演奏を繰り広げた。初めて聴いた曲だけに、きっとミスがあったとしても気づかなかったと思うが(^_^;)、唯一の不満は弦楽器の音が薄く感じられたことなんだけど、それは多分、ホールと私の座席の問題だったんじゃないかと思う。沼尻の指揮は1月の「旧」東フィル最後の定期での「復活」以来だけど、この人の才能の高さを改めて感じさせてくれる演奏になった。

 第5楽章の「賛歌」はイスラム教の「アラーへの賛歌」の歌詞なんだけど、これはブゾーニがイスラム教の信者だったわけではなく、ヨーロッパ的な音楽からの脱却を図ろうとしたものの表れ。藤原歌劇団合唱部の声も素晴らしく、オケとともに最後のコーダが頂点に達したとき、この曲の75分の時間も幕を降ろす。とたんに爆発的とも思えるような拍手がホールを包み込む。実に満足感の高いコンサートだった。

 10分程度のカーテンコールが続き、帰りにCDを買おうと思ったが黒山の人だかり。サイン会の行列も長かったので、30分くらい食事をしてから戻ったら、CD即売は終わっていてがっかり。一方、サイン会の行列はまだ50人くらいの行列が残っていてびっくり。まー、アレだけの曲を弾いた後で、1時間もサイン会&握手会なんて、サービス精神旺盛なこと。アムランは来年3月にも来日してリサイタルを行う予定なので、これもぜひ聴きに行きたいと思う。



●01/04/24 突然、落ちる

 最初は速いと言って喜んでいたADSLが、ここのところ調子が悪い。現象その1、まずモデムのライン側のリンクが確立しない。現象その2、なんとか接続が確立しても、突然、落ちる。←つまり接続が切れてしまうのだ。NTTに電話して、局側の問題ではないことを確認したので、どうやら私の設定や環境の問題らしいのだが、原因がどうにも思い当たらない。もしかしたらWindows2000に原因があるのかなぁ。NTTのホームページでもWindows2000と特定のLANカードだと接続ができない例が報告されていて、対応ドライバが掲載されているのだ。私の使用機種は、コレガとコンテックのNICだから、問題ありとは報告されていないのだが、明日はWindowsMEとMacで確認してみようと思っている。
 そんなワケで、いち早くADSLにしてしまったことを、ちょっと後悔。このような通信機器の場合は、速さよりも安定度のほうが優先するからなぁ。フレッツADSLの場合は、PPPoEで接続するんだけど、きっとこれがガンなんじゃないだろうか。eAccessかケーブルテレビにしたほうが安定していたかも・・・。ま、後ろ向きに考えてもしょーがないから、なんとかちゃんと動かす方法を考えよう。



●01/04/25 新国立劇場版「トゥーランドット」

 新国立劇場から「The Atre」の5月号が送られてきた。今年は上演機会の少なかった「トゥーランドット」を、3つのプロダクションが上演するという稀有な年になったけど、フィレンツェ、文化村に続く3つ目のプロダクションが新国立劇場の「トゥーランドット」(9/15〜)である。そのAキャストは、フランチェスカ・パタネ、アルベルト・クピード、出口正子と、明確な藤原歌劇団系キャスト。Bキャストは、アレッサンドラ・マルク、ダリオ・ボロンテ、砂川涼子。例によってキャストはA/Bが入り乱れていて、純粋なAキャストは初日の15日(祝)、純粋なBキャストも17日だけ。あとの6日ははミックス・キャストなのだ。まぁ、これまで新国の公演の実績だと必ずしもAキャストだから良いとは限らないのだが、やっぱり心情的には初日を聴きたくなる。休日公演ということもあり、この日のチケットはかなり入手困難になるだろうなぁ。

 あと注目なのは、バレエ公演の「ロメオとジュリエット」である。バレエ音楽ファンにとって、新国立劇場は日本で一番充実した音楽を提供してくれる劇場であることは間違いない。バレエ音楽の最高傑作の「ロメオとジュリエット」がきちんとしたオケで聴けるだけではなく、マクミラン版の完成度の高い演劇的な振り付けがどれだけ実現できるのかは大注目だ。まだキャストは発表されていないけど、新国のバレエ団も充実度高まり中なので、これは2回程度は見に行きたいと思っている。

 昨日は、東フィル定期会員のオペラ・コンチェルタンテのセット券優先発売の日。私もすぐに電話したけどC席はすでに売り切れで、やむなくB席を確保。このホールだと音響的に3階席しか選択肢がないのだが、連席で中央あたりのブロックを確保するのはすでに困難になっている。一般発売で買う予定の人は5月8日の10時ジャストに電話したほうが良さそうだ。



大切なお知らせ このホームページを置いているAIRnetのWWWサーバーのメンテナンスのため、4月27日9時〜17時まで、このホームページを見ることはできなくなります。あらかじめご了承ください。

●01/04/26 ことしの「サイトウキネン」

 今年のサイトウキネンの詳細が公式ホームページで公表されたので、興味のある人は見るべし。オペラは予想通り「イエヌーファ」で、ロバート・カーセンの演出で、4回の公演を行う。カーセンの名前にはワタシ的馴染みはないのだが、斬新な演出が期待できそう。オーケストラ・コンサートは、ベートーヴェンのレオノーレ序曲第1番と交響曲第4番と8番と、地味なプログラムである。私の興味は「イエヌーファ」だけなので、これだけは2回見に行きたい!

 さて、もうすぐゴールデン・ウィーク。コンサートの数も少なくなって、たぶんこのホームページへのアクセス数も激減するはず(^_^;)。まぁ、GWと夏休みくらいは、更新をお休みしよう・・・と思っていたんだけど、そういえばこのホームページの5周年企画があったんだ・・・と、ふと思い出す。早く手をつけないとイカンな。



●01/04/29 気まぐれフレッツADSL

 な〜んか知らんが、先週は疲れたなぁ。別に何があったというワケではないのだが、疲れがピークに達したところでGWに突入して一安心。さぁ、どこへ行こうかな?

 さて、今月18日に開通した気まぐれなADSLは、10日を経てようやく安定度を増してきた。とくにコレといって設定は変えていないつもりなのだが、接続が中断することは少なくなったし、ルータもきちんとその役割を果たしてくれるようになった。これは長岡鉄夫流にいうとエージング効果なのかもしれない(^_^;)。接続速度は相変わらずで、最高でも400kbps、つまり理論上の最高値のである1.5mbpsの1/3以下の速度しか出ていない。電話局からの距離が遠いのかなぁ。それとも室内の電話ケーブルをキャブタイヤか無酸素銅のケーブルにすれば速くなるのだろうか(^_^;)? 

 とはいっても、400kbpsでも、現時点では十分過ぎるくらい速い。さらに5月からAIRnetもADSL本格運用を開始ということで、どうやら私のところもサービス対象地域になりそうなのがうれしい。おまけにグローバルIPサービスも開始するらしいので、自宅にWWWサーバーを置きたくなる衝動に駆られているのだ(←もちろん実際にはやらない)。