2月の「今日のひとこと」

(文中の敬称は省略しています)

●今日のひとこと オペラ5連荘で、毎日帰りが10〜11時過ぎ。「マクベス」は気合で力作モードの更新をしたが、「リゴレット」「ドン・ジョバンニ」に至ってはホームページを即日更新する余裕がなくなってしまった。簡潔モードでレポートすると「リゴレット」初日Aキャストは、まあまあの出来かな。マントヴァを歌ったアルバレスは、マジメ過ぎて遊び人らしい雰囲気が希薄なのが残念だがとっても輝かしい声で大満足。ジルダのルキアネッツは、ちょっと歌いまわしが堅かったのが残念だが、まぁまぁ。リゴレットのガザーレは、声がきれいとは言えないものの、心情表現には長けていると思う。管弦楽はちょっと問題で、団子状態で音がぜんぜん分離しないもどかしさ。音色感も乏しく、「えっ、これが東響?」という感じ。これは指揮者の問題も大きそうで、音楽の流ればかりを重視して、アンサンブルに関しては非常に大雑把。演出は前回と同じもので、可もなし不可もなし。
 6日のプラハ国立歌劇場「ドン・ジョバンニ」は実に面白い演出で、一見の価値あり。時代は現代に移されて、ドン・ジョバンニは人気デザイナー、レポレロは車の運転手という設定。その他の配役もすべて現代に移されているのだが、違和感は最小限に抑えられている。登場人物の動かしかたや、舞台装置には再考の余地はありそうだが、コンセプトとしては実にイイ。歌手やオケにとって、このオーチャードホールは大きすぎたのか、音量豊かに響かせるには至らなかったのが残念で、音楽的な満足感は不十分だったけど、ムリして大きな音を出そうとするよりは良かったろう。ただ残念だったのが、この日の客筋で、前半は鈴女のチャラチャラした音に悩まされ、後半はブヒブヒ鼻を鳴らすブヒ男に悩まされた(^_^;)。オイ、なんとかせいっ!(01/02/08)


●今日のひとこと 土曜日はマリオ・ブルネロが指揮者兼チェロを勤めた紀尾井シンフォニエッタ東京の定期演奏会。すべて弦楽合奏だけの選曲で、レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲」、ポッケリーニのチェロ協奏曲、チャイコのアンダンテ・カンタービレとノクターン、ヘンツェ「弦楽のためのファンタジア(日本初演)」。結論から言うと、KSTの弦楽器の水準の高さに違わぬ演奏会で、久しぶりにKSTの満足できる定期を聴いたという感じである。
 一番良かったのは、マリオ・ブルネロの存在じゃないだろうか。それぞれの曲の綺麗な旋律を、実に自然な呼吸で演奏させ、室内オケのきびきびとした機動性も両立させた手腕は高く評価されるべきだと思う。音色感も、前半のイタリア的な明るいサウンドと、後半の薄暗いサウンドをきちんと描き分けていたし、ぜひ、またKST定期に登場してほしい指揮者である。もちろんチェロのソリストとしての力量も確か。
 プログラムの巻末には来シーズンの定期演奏会の予告が書かれていたけど、9月にはフォーレ「レクイエム」、12月は岩城博之の指揮でショスタコ・プロ(P協2番、SY9など)が意欲的な取り組みで注目なんじゃないだろうか。5階連続券料金がわざわざ修正テープで消してあるのが気になるけど、やっぱ値上げですか?(01/02/12)


●今日のひとこと デパ地下に行ったら、バレンタインデーのチョコを買い求める女性でいっぱい。いやはや、ご苦労さんなことです(_ _;)。
 今週は、一年で一番仕事が忙しい1週間。「時は金なり」ということで(^_^;)、脈絡なく前から欲しかった「電波時計」というものを買ってみた。電波時計というのは、福島県おおたかどや山の送信所から出ている時間情報を乗せた電波を受信して、時計の誤差を補正する仕組みなので、原理的にテレビの時報などと誤差はない正確な時間を表示してくれる(ハズ)。最初、電波を巧く受信してくれなくて故障かと思ったけど、その後は順調で、テレビの時報とぴたりと合うとなかなかのカイカンである。これで10時丁度にチケ取りの電話をかけられるゾー。
 で、パソコンにも内蔵の時計が組み込まれているのはご存知だと思うけど、あれって意外と正確性を欠いていると思いません? 私はコンピュータの時計の補正にAtomTime98というソフトを使っているんだが、これを使うと電波時計とほぼ同じ時間に合わせることが出来る。Windowsユーザーはお試しあれ。(01/02/13)


●今日のひとこと 15日はデプリースト=都響の定期演奏会。コンサート通には人気の高い指揮者なんだけど、曲目が超マイナーなためか東京文化会館は60%程度の入り。5階のサイドはガラガラ。
 前半のウェーバーとベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番(pf:児玉桃)はイマイチだったけど、後半のプロコフィエフの交響曲第4番(第2版:日本初演)は良かったぞよ。
 デプリーストがタクトを振ると、主旋律はくっきりと浮き上がるけど、その他の微細な部分は埋もれてしまう傾向にある。そのあたりは好みが分かれるかもしれないけど、骨格がしっかりしていて、主張が明確、解りやすい音楽は多くのリスナーの心をつかんでいる。この曲は初めて聴く曲だけど、プロコフィエフの交響曲ってちょっとワケが解らないところがあって苦手系。しかしデプリーストのタクトのせいか、かなり明晰でわかりやすい音楽として聴くことが出来たし、なによりも都響の音、特に弦楽器の厚みが素晴らしかった。これはサントリー定期、特にオケ・コンが楽しみ!
 さて、16日からNTTのフレッツISDNが開通。常時接続するぞー!(01/02/17)


●今日のひとこと デジタルカメラの画像をプリントしようと思って、プリンタ(Epson PM-800DC)にK社の写真用インクジェット専用厚手光沢紙を使ったのだが、どうも綺麗に仕上がらない。いや、正確に言うと、肌が茶色くなり、インクが浮き上がってしまってメチャクチャ汚いのだ。何でだろー、と思って試しにエプソン純正のPMプリンタ専用紙を入れてプリントしたら、・・・めっちゃ綺麗! K社のプリンタ用紙はちょっと古いタイプの写真専用用紙なんだが、「たかが紙」、しかも同クラスの製品にも関わらず、その差は歴然なのだ。エプソンのプリンタは紙を選ぶと言われていたけど、ここまで差があるとは思わなかった。
 これは断言しておくけど、K社のプリンタ用紙の品位が低いというわけではない。この用紙でもエプソンの一世代前のプリンタで出力したときにはめっちゃ綺麗だったのだ。しかし今回の場合は、新しいプリンタに入れ替えたにも関わらず、古い用紙を使ったばっかりに仕上がりに大きな差が生じてしまったのだ。
 最近の写真専用紙だったら必ずしも純正品である必要はないんだろうと思うけど、安く売られている一世代前のプリンタ用紙を買う場合は要注意である。(01/02/18)


●今日のひとこと この間、朝の通勤電車に乗っていたら、後から乗ってきたひとに押されて、肋骨のあたりからボキッ!という音が・・・。そのときはそれ程でもなかったんだが、だんだん痛んできて、咳をするとかなりの痛む。インターネットで「肋骨、骨折」のキーワードで検索したら、参考になるページが見つかって、肋骨のひびや数本までの骨折なら湿布程度で1ヶ月もすれば治るらしい。ほんとに骨が折れているのかどうかはレントゲンでも撮らないとわからないのだろうけど、しばらくほっといてみよう。
 今日はデプリースト=都響のサントリーホール定期。このところ、集中して音楽を聴く心境ではなかったのだが、大きな仕事も一段落したので、ゆったりと落ち着いてコンサートホールの席につけそう。(01/02/20)


●今日のひとこと 昨日は朝から眠くて、研修中にも関わらず、ときどき記憶を失いかけたところでビクッとなって目が覚める(^_^;)。こんな調子だから、夜の都響はどうかなぁ・・・と思っていたんだが、きちんと起きて聴いていたところは自分でもエライと思う(←オイオイ)。
 さて、今日はデプリースト=都響のサントリー定期。当日券売り場には全席種あったので、「今日も空席が多いのかなぁ・・・」と心配になったんだけど、開演間近になったらほとんど満員の盛況。やっぱりソリストも曲目もメジャーだからかな。
 最初のガーシュウィン「キューバ序曲」は、ラテン系ルンバのリズムに乗った10分くらいの曲で、なんとなくNYPなどがアンコールで演奏しそうな感じ。きっと、アメリカのオケのひたすら明るく抜けきった音で演奏すると雰囲気出るんだろうけど、都響の音だと、どこかウェットな感じでリズムも乗り切れていない感じ。いろんな打楽器の音は面白かったけど、全体的にはいまひとつ。
 つづくはバボラクをソリストに迎えたホルン協奏曲。グリエールの曲を聴くのはもちろん初めてだが、ロシアの作曲家でホルン協奏曲は1950年の作品。この曲を聴く限りにおいては、あまり天賦の才は感じないが、第1〜2楽章は映画音楽的にロマンチックな美しさを湛えているし、第3楽章はロシアの民族的リズムがちょっとバレエ音楽的で、とても聴きやすい曲である。そしてバボラクのホルンは、実に柔らかくて、全身を包み込むような抱擁感がある。音が跳躍していても、ppでも、音のコントロールにぜんぜん不安は感じさせないので、ひたすら安心して音楽に浸れるのがイイ。カーテンコールでもバボラクは何度もステージに呼び戻されていたけど、彼はまだ25歳くらいでしょ?末恐ろしい・・・いや、「今」恐ろしい(^_^;)というべきか・・・。
 休憩後はメインのバルトーク「オーケストラのための協奏曲」。ワタシ的にこの曲は、第1〜3楽章だけを聴くと救いようにない暗闇に引きずり込まれそうでコワイ(=苦手な)曲なんだけど、第4〜5楽章でかろうじて「生」へのバランスを保っている曲だから、やっぱり翳りのある音が良く似合う。そして都響の音は、前半の「キューバ序曲」よりもオケ・コンの方に明らかに適性がある。ほの暗く、翳りのある弦楽器の音を基調にして、非常に緊張感の高い演奏に仕上げたんじゃないだろうか。先日のプロコの交響曲第4番に比べるとデプリーストらしい骨格の太さは後景化してしまった感じはするけれど,ステージから遠い私の席から見ても、力が入った演奏のように見えたし、いつもは不満を感じる事が多い木管や金管もかなり良かった。特に第5楽章のトランペットのあんちゃんはカッコ良かったぞ! 思い切り拍手したら、肋骨が痛かった(^_^;)。(01/02/21)


●今日のひとこと 現在、定期会員になっているのは、都響A・B・芸劇シリーズ、新日本フィル(トリフォニー)、東フィル(サントリー)、紀尾井シンフォニエッタN響(オーチャード)の7つ。これに来年度から読響東京シティ・フィルが加わることになった。これは、ほとんど「暴挙」(^_^;)。コンサートのバッティングや仕事の都合などがあるだろうから定期演奏会の全部に行こうというのは最初から諦めているのだが、仮にこの定期演奏会をすべて行ったとしたら全部で70回を超えてしまう。たぶん実際に行けるのは50回くらいだろうなぁ。
 さて、早くも来年9月から始まるN響オーチャード定期の継続の案内がきた。9月は広上淳一の指揮でモーツァルトSy.31とOb協(宮本文昭)と「真夏の夜の夢」抜粋。12月はデュトワでチャイ・コン(Vn:レーピン)が注目。その他はデュカス「魔法使いの弟子」、フォーレ「パヴァーヌ」、「ローマの松」など・4月はアッシャー・フィッシュの指揮でブルッフのVn協(リリア・ヴァイチ)とチャイコsy.4など。5月はアラン・ギルバートがドヴォルザークsy.6などを振る。7月はファビオ・ルイージがピアソラのバンドネオン協奏曲(小松亮太)とレスピーギの「祭」「噴水」。ホントはひとつ定期演奏会を減らそうと思っていてN響はその筆頭だったんだが、・・・プログラムを見てしまうと、とりあえず継続してもいいかな?と思ってしまう自分がコワイ(^_^;)。
 さあ、今日はセゲルスタム=読響定期だ。(01/02/23)


●今日のひとこと セゲルスタムを初めて見たけど、赤い服を着せればウワサどおりホントにサンタ・クロースだね(^_^;)。親しみが持てる容貌である。昨日の読響定期は、95%超の入りでほぼ満員。曲目が親しみやすいのも理由だろうけど、セゲルスタムという指揮者の存在も、この客の入りに貢献しているに違いない。
 最初の曲目は泣く子も黙る?名曲中の名曲=メン・コンで、ソリストはツェトマイヤー。彼のヴァイオリンは、しなやかでシルクのような光沢を湛えていて、とても美しい。その表現は、ところどころ思いっきりタメを入れて、感情を込める。メン・コンの美しいメロディラインに、悲しみにも似たような感情を込めようとしているように感じたけど、その節回しはオーケストラとの間で齟齬を生じさせてしまったようだ。特に第一楽章冒頭では、音楽のタテの線が乱れがち。第2楽章以降はその不安は解消したが、随所でソリストとオケの間で志向性の違いは表出していたと思う。
 後半はマーラーの「巨人」。セゲルスタムのアプローチは、たぶん透明感の高い室内楽的な志向性を持っていたのではないかと思う。弦楽器の音はいつもの読響のそれとは違って、やわらかくシルキーで、透明感の高いもの。それは、北欧のオケの音に似ていて、弦のフレキシビリティの高さを感じさせてくれた。もしかしたら管楽器の音もそのような方向に持っていこうとしたのかもしれないが、残念ながら木管も金管もいつもの硬質な音からあまり変わっておらず、終始、弦と管の音質の差に違和感を感じてしまった。またセゲルスタムは、緩徐部分をよりゆっくりと歌わせて音楽の彫を深くしようとしていただが、それがアンサンブルの微細な乱れを生んでいたようだ。とは言っても、全体的に見れば水準は高く、第4楽章フィナーレなんかは燃焼度の高い演奏を聞かせてくれた。
 セゲルスタムの志向性は理解できるし、かなりの部分でそれを実現できていると思うものの、「巨人」のように名演が多い曲では若干のほころびでも必要以上に気になってしまうのかもしれない。きっと、3月のマーラー9番の頃には、もっといい演奏を聞かせてくれるんじゃないだろうか。(01/02/24)


●今日のひとこと 松嶋菜々子結婚の報に打ちひしがれた私は、セゲルスタム=読響の演奏会で滝のような涙を流しながらコンサートを聴いていたんだけど(ウソ)、今月はもうコンサートの予定が入っていないのがチト寂しくなってきた。忙しいときだとコンサートに行くのがめんどくさくなって、時には「やーめたっ!」と叫んでホールと反対方向の電車に乗ってしまうのだが、やっぱり音楽を聴くのにはある程度心にゆとりがあるときのほうがいい。私は年間100〜120回程度のコンサート回数だが、ワタシ的にはこれが上限である。
 さて、フレッツISDN開通から1週間が経過したが、すこぶる快適。今のところトラブルは全くなく、回線速度も従来の接続と全く変わらない。
 9月に申し込んだフレッツISDNの開通がメチャ遅くて、一時はeAccessのADSL常時接続を真剣に検討したんだが、あれってブロバイダを変えるだけでも数万円の初期費用が再度かかってしまうのが最大のネックなのだ。(ちなみにNTTのフレッツADSLの場合はブロバイダの変更でもそんなに費用はかからないらしい) それにルーターの売り切り制度の動向もはっきりしないし・・・。、私の場合はケーブルテレビのブロードバンド接続(512kbps)という選択肢もあるし、とりあえずISDN的速度で我慢して、ADSLは様子見を決め込もうと思う。それにしても常時接続って快適だ!(01/02/25)


●今日のひとこと コンサート会場の入り口で配られるチラシの中に、来シーズンの在京オケの定期演奏会のパンフが入っていて、そのプログラムを眺めているとひとつの共通点がありそう。正確な統計を取っているわけではないので、なんとなくの感覚なのだが、ソリストを必要とする曲目が減ったり、協奏曲に登場するソリストの日本人比率が大幅に上がったと思いませんか? もちろん日本人ソリストのレベルが低いとは全く思っていないし、そのようなことを言うつもりはないので誤解なきよう(^_^;)。
 かつては、年に一度は「これはっ!」と思うようなソリストが一人くらいオケの定期に加えられていて、私もかつては「アルゲリッチが聴けるの?」と思って新日本フィルの定期会員になったんだし、都響でも鄭京和やヨーヨー・マ、マイスキーなど、誰でも聴きたいと思うソリストの名前が定期のプログラムに入っていた。しかし昨今の不況の影響がプログラム面で一番現れているのがソリストなんだろうと思う。
 これがさらに進むと、指揮者の名前も変わってくるのだろうけど、さすがに指揮者は「オーケストラの看板」。集客力に大きな影響を与えかねないので、指揮者の顔ぶれが変わったな・・と思えるようなオケは、かなり財政難が進んでいる証左だろうと思う。
 このように思うのは少数派なのかもしれないが、ワタシ的にはこの財政的キビシサを逆手にとって、若手の有能な指揮者にもっとチャンスを与えるようなプログラムにしても面白いんじゃないかと思う。1月の東フィル定期を振った沼尻竜典なんかはかなり良い線行ってると思うのだが、来年度の定期に登場するのは1回だけというのは、あまりにももったいないと思うのだが。(01/02/26)


●今日のひとこと 昨日は川崎市役所の市民局市民文化室に行って、川崎駅西口再開発の一環として建設される音楽ホールのことについて、担当者の方からお話を聞いてきた。アポなしで急に行ったにも関わらず、担当の方は快く説明してくれたのだが、きっと「何者?」と思っただろうな(^_^;)。
 さて、川崎に新ホールという話は初耳の方も多いに違いないが、現在の川崎駅周辺は東口が西武デパート、川崎BE、さいかや、岡田屋モアーズなどの大規模店舗があって商業施設が集中している反面、西口側は東芝の工場や古くなった公団大宮町団地など商業的にはパッとしない地域だった。川崎の新ホールは、その川崎駅西口地域の再開発の一環として、駅前(ホントの駅前!)に2000人規模の音楽ホールを造るというものなのだ。駅からの距離だけを見れば、横浜のみなとみらいホールよりも遥かに便利である。なお、川崎市の公式な整備計画はこのホームページを参照されたい。
 で、今日の担当者から聞いた話は、ハードウエア的(箱物)な話ではなく、どちらかというとソフトウエア的な話である。このホールの特徴は、なによりもオーケストラのフランチャイズ製を導入することである。これは首都圏では新日本フィル=すみだトリフォニーホールに次ぐ画期的なものだが、この川崎市の新ホールの顔になるオーケストラは読売日本交響楽団で、3月中にも市と楽団との間で基本合意が交わされるとのことである。基本合意の後は、より詳細な内容を内容を定める協定書を作成し、それを交わす予定らしいが、読響はこのホール内に事務所(賃貸)を構えるだけでなく、日常的な練習もこの大ホールを使うことになるらしい。なお東京で開催されている定期演奏会などはそのままで、新たに「川崎シリーズ」みたいなものが定期的に開催されるとのこと。
 あとハードウエア的なこともちょっと。ホールの音響設計は、この分野では最も定評がある永田音響設計が手がけ、座席の形状はワインヤード型が採用されている。客席はたぶん3層構造で、平面図をちょっと見ただけだが、なんとなく札幌のKitaraに似ているような感じがした。(もしかしたら左右非対称なんかもしれない(^_^;)。運営は、発展的に改組した川崎市文化財団があたるとのことだ。以下、長くなったので(^_^;)、明日号にて。(01/02/27)


今日のひとこと 以下は昨日の続報で私の見解(^_^;)。どこの自治体も財政難だが、川崎市もその例外ではなく、むしろ財政的な指標では悪い方に属する。この川崎駅西口再開発も、スタートが切られてしまった公共事業の一つなのだが、124万人の人口がいる都市に一つくらいシンフォニーホールがあってもいい。むしろ、そのホールをきちんと有効に活用するソフトウエアの存在と、それを財政的にサポートする行政のビジョンと市民の理解が重要かつ不可欠だろう。ソフトウエアとしては読響のフランチャイズ化によって一定程度の数と質が確保できるが、財政的な問題は未知数である。運営にあたる文化財団が、きちんとした専門職員が確保できるのかどうかもわからない。横浜と違ってデートコース的な場所ではないのもマイナス要因だが、場所的には駅前の一等地なので貸しホールとしてのニーズもそれなりにあるだろう。たぶん、きちんと運営さえすれば、それなりの稼働率が見込めるホールなんじゃないかと思う。なお、このホールについては、報予定あり!