コヴァーチュ=東京フィル

(文中の敬称は省略しています)

●2000/06/17 この日はボッセ=都響のバッハ・プログラムと重なって、どちらに行こうか迷ったんだけど、結局職場を抜け出して向かったのはオーチャードホール。ホントは渋谷に行くのは嫌なんだけどねー。

 仕事が終わってすぐにホールに駆けつけたもんだから、1曲目は爆疲労=爆睡モードに突入してしまったんだけど、そーゆー聴き手の体調に問題があったのを割り引いても、この日の東フィルの演奏は今ひとつだったと思う。「我が祖国」なんぞは、実演でもCDでも何度も聴いている曲だから、余計、問題面が見えてしまうと言うことがあるんだろうけど、最大の問題点は音色のパレットの不足だ。いかにも日本のオケが演奏している「我が祖国」という感じで、無機的でほとんど色彩感が感じられないのである。オーケストレーションが薄いところでは綺麗に響いてくるところもあったんだけど、それが長続きしないし、オーケストラが厚くなってくると、とたんに音がベッタリと平面的になってしまう。旋律のたっぷりとした歌わせ方とかリズム感とかはそこそこのレベルだったと思うんだけど、この色彩感で80分間を集中して聴き通すのは難しい。これだったら、サントリーホールに行ったほうが良かった。後悔。