新日本フィル・トリフォニーB定期
小泉和裕のベートーヴェン

(文中の敬称は省略しています)

●98/09/02 いよいよ秋のコンサートシーズンの始まり。今月は仕事も忙しくなってきて、予定のコンサートに全部行けるかどうかわからないのが残念だけど、中でも一番残念なのが鄭明勲=N響のコンサートに行けないことだ。すでに先約が入っていて、調整の余地無し! さすがにコンサート過多だなぁ・・・と思う次第である。今年はコンサートに120回程度行く予定だけど、来年は新しく始めたいこともあるのでコンサートの数は80回以下に絞りたいと思っている、・・・って毎年言っているなぁ(^_^;)。

 満席となったトリフォニーB定期、さらに超名曲プログラムだけど3階席後部にはチラホラと空席があるが、NJPの定期会員は小澤目当てが多いので指揮者やソリストが「イマイチ」と判断されてしまうと売りきれでも空席が目立つこともある。最初の曲は、人気のコンマス、豊島泰嗣がソリストをつとめるベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。個人的にはちょっと期待して聴きに行ったんだけど、これがメチャはずれの演奏だった。音程は不安定だし、早いパッセージは弾きこなせていない。オマケにテンポも異様に遅いところもあって、聴きつづけるのがしんどい演奏だった。正直言ってベートーヴェンのコンチェルトで、ここまでハズレの演奏に出会ったことがない。どこか体調が悪かったのだろうか? それとも練習不足? その真偽はわからないけどハレーSQのファンでもある私としては信じがたいレベルの演奏でガッカリ。

 反対に後半の「田園」はアンサンブルが整った良い演奏を聴かせてくれた。このホールは弦楽器が聞き取りにくいことで有名になってしまったけど、この日の演奏を聞く限りでは弦楽器が厚く聞こえてきてバランスがとれている。このレベルの音響だったら、ホール激戦区=東京の中でメジャーなホールとして生き残っていけるんじゃないだろうか。小泉の解釈には、テンポの点で共感がもてないところもあったけど、オケのレベルを見る限りでは満足できる内容だった。