小泉和裕=都響
(文中の敬称は省略しています)

●1998/03/04 3年間、都響の「首席指揮者」としてタクトを振ってきた小泉和裕は、この3月の公演でその任が解かれて、新たに「首席客演指揮者」に就任することになる。この3月のプログラムには、やっぱり彼が得意とするロマン派の曲目が並べられたけど、メンデルスゾーン・プログラムとなった東京文化会館定期は、かなり空席が目立つ。そういえば東京文化会館も、4月以降は改修工事のためにしばらくお別れとなる。

 まず・・・第1曲目だけど、このところ医者からもらって飲んでいる薬のせいで眠くてたまらない。爆睡モードだったのでコメントはパス。いきなり交響曲第2番に話は飛ぶけど、この曲を聴くのは録音・ナマを問わず初めてである。第1部の管弦楽で描かれる30分ほどの「シンフォニア」と、ルターのドイツ語約聖書をテキストにした40分ほどの「カンタータ」に分かれる。「賛歌」というタイトルの通り、第2部では神への賛歌が延々と歌われるわけだけど、「レクイエム」とちがって彫りの深さやドラマ性とかは希薄な感じがする。曲の構造自体のバランスの悪さもあって、あまり良い曲だとは思わなかったけど、決して耳馴染みが悪いというわけではない。メンデルスゾーンらしい明快な音楽性が息づいている曲であることは確かだろうと思う。

 演奏は、小泉らしい厚めのサウンドで、悪く言えば各パートの分離がイマイチ。小さな事故はあったけど、小泉=都響としては平均点的なレヴェルだろうと思う。合唱は、パワーで押しまくる感じではなく、バランスを重視したもの。これも各パートの分離が悪いんじゃないだろうか・・・と思ったけど、この曲はこのような感じなのだろうか。独唱陣は、テノールの近藤の高音でかなりの苦しさを感じたし、ソプラノ2人も魅力に乏しかった。


●体調不良のため、以下のコンサートには行きませんでした。こんなにチケットを無駄にしたのは初めてだなぁ。