さて、このページはスポーツ・ファンのためのページではないのでこの程度にして(^_^;)、実は読響は私がナマで聴いた最初のオーケストラだ。小学生の時の音楽鑑賞教室で、場所はたしか東京文化会館。そのときの「カルメン」組曲にいたく感動してしまった。その後、かなりの時間が経過して、ほぼ10年前、マゼール=読響の「復活」が自分でチケットを買った最初のコンサートである。これは読響史上にも残る超名演・・・という評価がされているようだけど、夜も眠れないほどメチャクチャ感動した。この読響公演がきっかけで、今日の道を外した私が存在するわけである(^_^;)。その後、東京文化会館の天井桟敷席の定期会員だった時代もあってザンデルリンクのブラームス交響曲第1番の名演などに接してきた。読売グループが嫌いな私でも、なぜか読響には縁がある。
しかしサントリーホールに定期演奏会の会場を移してからは会員を止めてしまったので、読響を聴くのは久しぶりだ。会場は東京国際フォーラム・ホールC、この日は招待券ということもあって2階の最前列に座ることが出来た。視覚的な距離感はサントリーホールのCブロック最前列のイメージ。前半はモーツァルトの「魔笛」序曲とピアノ協奏曲第27番(pf:伊藤恵)だったけど、まずホールの音の悪さが気になってしまった。このホール、開館してまだ半年足らずなのに音の悪さではすでに「定評」が出来ているみたいだけど、東京でこれほど響かないホールは聴いたことがない。残響音が少ないということだけではなく、音が飛んでこないもどかしさと荒さを感じる。少なくとも、弦楽器がメインとなるモーツァルト以前の曲を聴くべきホールではない。ピアノはそれなりに美しく聞こえるけど、それも弦楽器と比べた相対的な美しさであって、他のホールで聴く艶やかなピアノの音と比べると不満は否めない。
休憩後はブラームスの交響曲第1番。このようにオーケストレーションが厚い曲のほうが、ホールの不満はあまり感じさせない。大友直人はまとめるのは巧いけどそれ以上の内容を感じさせてくれない指揮者という印象だった。この日の演奏も前半はちょっと退屈な演奏だったけど、進むにしたがって熱気を帯びてくる。味わい深い演奏ではないけれども、若々しい情熱に包まれた第4楽章はなかなかのもの。アンコールにはヘンデル「水上の音楽」から。
東京はすでにコンサートホール過密地帯になっていて、今秋はさらにオペラシティ・コンサートホール、すみだトリフォニーホール、来年には横浜・桜木町クィーンズ・スクエアにコンサートホールが誕生する。音が良くないホールは自然に淘汰されていくだのは間違いない。すでにオーチャードホールからは東京交響楽団が逃げ出して(^_^;)久しいし、外来のオーケストラ公演がほとんど行われなくなってきた。東京国際フォーラム・ホールCはもともとコンサート向けの音響設計がなされたのか疑問だけど、このホールでコンサートが行われなくなるのも時間の問題ではないだろうか・・・まだオープンして半年、結論を出すのは早いけれど、そんな気がする。