すみだトリフォニーホール

(文中の敬称は省略しています)


●97/02/27 いやぁ、まだ2月だって言うのに、今年の杉花粉は凄いですね。これだと先が思いやられます。私が花粉症だと自覚したのが23歳くらいの時で、それから毎春、花粉症に悩まされています。耐えられなくなってくると薬局で売っている薬を飲むんだけど、メーカーによって効果が違うんですね。パブロンは効果抜群なんだけど舌が乾くし凄く眠くなる。コンタックは私にはほとんど効き目なし。病院に行って薬を貰えば保険が利くから安いんだけど、そんな時間がないのでいつも薬局で買ってしまう。そんな訳で春はコンサートに行っても、いつもに増して ぼけーっ としている。そしてホームページの更新が遅くなること確実なのだ。来週の新日本フィルまでコンサートはないのは幸いかも。

 ところで・・・2月25日の朝日新聞夕刊から「劇場新時代」という連載が始まった。バブル期に急増した自治体のホール建設ラッシュの現在を考えようとする記事である。その連載第2回目(2/26)は「フランチャイズ」というテーマなんだけど、東京都墨田区が建設中の「すみだトリフォニーホール」を新日本フィルとフランチャイズ契約を結んで優先的な利用を認めようとする試みである。最大のメリットは、コンサート(年間40日)はもとより、リハーサル(年間100日)においてもすべてコンサートホールを使用するというものだ。つまり一年の半分近くNJPはこのホールを「占有」することになる。これは日本のオーケストラ史上画期的なことである。

 東京ではN響がNHKホールを使用しているし、東京フィルもオーチャードホールとフランチャイズ契約を結んであるけど、前者はコンサートホールとしてお粗末だし練習場所は港区高輪のまま。後者は、どうも形式的な契約みたいな感じで、もちろん練習場所は別だ。唯一、フランチャイズとして機能しているのが紀尾井ホールと紀尾井シンフォニエッタ東京で、ホールでの練習日を5日間確保している。これはもともとホールのレジデント・オーケストラとして組織された経過があるので、別に考えなければいけないかもしれないけど、東京のオーケストラホールの実状はお粗末な限りなのである。

 東京以外ではどうか。朝日新聞の記事によると、95年にオープンした京都コンサートホールはてっきり京響が練習会場として使用するのかと思ったら演奏会前日と当日だけ。この夏にオープンする札幌の「Kitara」と札幌交響楽団も同様らしい。「仏つくって魂いれず」とは当にこのことで、練習会場も恵まれて東京のオケに追いつくチャンスだというのに、なんちゅうこっちゃ。なんで行政のトップは、オケがあってこそのホールだと気が付かないのか理解に苦しむ。

 コンピュータをやっている人なら理解できると思うけど、絶対にソフトあってこそのハードなのであってその逆ではない。Microsoftが巨人IBMに勝ったのにはそれなりの理由があったからなのである。よこすか芸術劇場や浜離宮朝日ホールなんか立派な建物を造っても、なかに入れるものがなければタダの無駄遣いにすぎない。すみだトリフォニーホールの試みは日本のホール運営に一石を投じる試みとして注目に値するもだと思う。NJPは日本で最も恵まれた環境をもつオーケストラとして、その期待に応えなきゃね(^_^;)