VPOの女人禁制はいつまで?

(文中の敬称は省略しています)


●97/01/04 よほどニュースがないのか、朝日新聞4日夕刊の1面トップ記事がデカデカと「ウィーンフィル狂騒曲」。現在は女人禁制のVPOに女性団員を入れるべきかどうかオーストリアで議論沸騰・・というのが記事の趣旨。こーゆーことが話題になること自体、オーストリアって保守的な国なんだなぁ・・・と思ってしまうけど、果たして音楽ファンの中ではどちらの方向を支持しているんでしょうね。

 私は単純明快に「実力主義」で選ぶべきで、男女どちらかをあらかじめ選択して団員を選んでいたらオケの水準は間違いなく低下すると思っている。これはいくら「伝統」と言ってもウィーン・フィルだって例外じゃないと思うなぁ。オケ側の論理としては「産休・育児」で何年かのブランクが出来ればアンサンブルが低下する、と言ってるけど、女性がいてもウィーンフィルに匹敵するアンサンブルを醸し出すオケだってある。たしかにVPO独特の有機的な一体感はあるけど、それはウィーン国立音楽大学→ウィーン国立歌劇場→ウィーン・フィルという風に、音楽教育課程・選抜課程が一貫しているからだと思うけど、違うのかなぁ。

 日本のオケは女性奏者が多いけど、弦楽器系ソリストになるとほとんど女性。男性ソリストでいうと樫本大進くらいしか思い浮かばない。一方、五嶋みどり、諏訪内晶子、漆原朝子、竹澤恭子、渡辺玲子などなど20代では実力ある女性ヴァイオリニストに事欠かない。これも男社会の裏返しという説があるけど、今後、女性奏者を排除したらオケは成り立たなくなるだろう。少なくとも日本ではそうなっている。

 かつて読売日本交響楽団も事実上「女人禁制」でしたね。2−3年くらい前から女性も加えるようになったなりました。この課程で読響内にどのような議論があったのか解らないけど、ウィーン・フィルみたいに賛否両論で世論も巻き込んだ議論が巻き起こらなかったのは、「女人禁制」時代につちかった実力・実績の違いかな?(^^;